亀は意外と速く泳ぐ ― 2005年08月22日 07時43分39秒

前にも書いたかも知れないが、いつ頃からかすつかりテレビッ子なのだ。しかも、ほとんどバラエティ。テレビ=バラエティみたいなもんだ。テレビッ子になつたが、ドラマは見ないのだ。月9より水10だ。ココリコミラクルタイプは良くできてゐる。面白い。バラエティ内のミニドラマと言ふか寸劇としては、クオリティが高い。キャストがいいのだが、最近ちよつと出来過ぎかも知れない。ほかはもつとくだらない。もしかしたら全然面白くないかも知れないが、何故か喜んで見てしまう。ぼくの脳みその劣化が進んでゐるのか‥‥‥。完全白痴化は近いか!? まあ、だが、これを映画にしたら見たいか?と言はれると見る気はしない。テレビだからいいのだ。『亀は意外と速く泳ぐ』はきわどい領域に立つてゐる。渋谷シネラセットへ見に行つた。初めて。ベンチシートと言ふか、ソファがあつてスクリーン前を占拠してゐる。カップル用なことは間違ひない。扉から入るとまづ目に入る、いや広がるので、どこに座らうか戸惑ふ。目を後方へ移すと普通のシートがあつて安心する。しかし、考えてみるとベンチソファは首から上がないから、長時間映画を見るのはきついのではないかと思ふ。 で『亀‥‥‥』だが、テレビ風なのだ。過激ではなく平和なので、好みだが、それにしても、このまま最後まで行くんだらうかと、いささか気になつた。売り文句にもなつてゐるが「ゆる〜い」のだ。少々ため息が出た。そして、これはこのまま行きのだらうな。それはそれで、凄いと思ふと、決意、覚悟するころ、意外にも裏切られてしまう! 突然『いい』シーンが、出てくるのだ。 そして、決して「激」することなく、でも「劇」的に終はる。 いつ頃からか、気になりだしたことがある。「劇的」と言ふことだが、昨今、劇的とは、涙を流し、大声で叫び、感動的な音楽が流れること!?「激的」なのだ。そんなドラマ、映画が多い気がする。構はないのだが、そのシーン以外を見てゐなくても、そこだけ見れば何故か感動してしまうと言ふ、パブロフの犬的シーンを作ればそれでおしまいな気がする。でもこの『亀‥‥‥』は違ふ。この映画を見ると、何一つ目立つことなく平々凡々に、群れに入れば誰とも区別がつくことなく十把一絡げな、市井の民、その他大勢でしかないと思はれる一人でも、実はそれぞれに「ドラマチック」に生きてゐるのだ。(「のだ!」ではない)と言ふことに気づかされる。 写真は、谷戸(やと)せせらぎ公園。西武池袋線ひばりが丘駅から南へ徒歩7〜8分? |
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