無理しっぱなしなりんご園で飛べ!2005年09月18日 14時50分07秒

 ここのところ三軒茶屋へよく行く。
 なので、この間も散策中に旧友(級友)にあつた。『なので』と言ふのも変だが、ぼくは物心つく頃から成人するまで世田谷区の住人だつたので、懐かしくもあるのだ。その旧友が世田谷区の住人だつたかと言ふと多分違つた筈で、その辺は追究するとややこしい。今は知らないが学区制の名残りだ。その旧友はこのブログを始めた頃に紹介した
るーちゃいのマダム(ママ?おかあさん?)だ。ついでだからまた宣伝しておく。丁度お休みの日だつたらしい。
 それはさてをき、やはり三軒茶屋へ行つたら、映画館チェックはしてをかねばならない。ついこの間も書いた三軒の映画館は二軒になつたが、まだ現役だ。細かく説明すると、246号線側に一軒、世田谷通り側に二軒あつた。246号線側の一軒がなくなつた。でも、その一軒と、残り二軒のうちの一軒は同じ経営者だつたのだと思ふ。三軒茶屋映画劇場(略して三軒茶屋映劇)と三軒茶屋中央劇場(略して三軒茶屋中央)だ。中央の方が残つてゐる。残りの一軒は三軒茶屋シネマで、中央とシネマはお隣さんなのだ。
 どういふわけか、ぼくは『シネマ』はほとんど行つたことがない。記憶にある限りで「地獄の黙示録」だけだ。子供の頃は行かなかつたのだな〜。だから、どのやうなものをやつてゐたのか知らない。ただ、小学校へ行く途中の看板がどの映画館のものだつたかも覚えていないので、その辺のつながりが曖昧だ。看板で印象に残つてゐるのは「無理心中日本の夏」これは大島渚の映画だ。でも、大島渚なんて知らないよ小学生。では何故印象に残つてゐるかと言ふと、何故かキャッチフレーズが『ノーパンノーブラジャー』で小学生たちは多いに盛り上がつたのだ。ま、ただの成人映画(当時はかう言つた)だと思つてたわけです。『心中』なんて言葉もしらなかつたので『無理しっぱなし!』なんて勝手な意味に捕らえてました。『日本の夏、無理しっぱなし!』って凄いタイトル。
 冷静に考えると『中央』は日活系だつたから、これは『シネマ』だつたのかな〜‥‥‥。『映劇』は洋画系でした。
 初めて行つたのは小学校2年か3年『中央』で、「鉄腕アトム」と「(ポーランドのりんご園を舞台にした子供が主人公で第二次大戦中の暗い映画)」の二本立てだ。姉と見たと思ふ。話はそれるが、このポーランド映画を見てから『ポーランド=暗い』と言ふ偏見と言ふか図式が出来てしまつた。もうすぐ30歳になる頃読んだ本の中に『ポーランド人はジョーク好き』なんて記述があつたが、違和感しかなかつた。子供の頃の影響は大きい。
 ‥‥‥なんてもんぢやない!けど、その話は大変なので、元に戻して高校生の頃は「中央」「映劇」ともに三本立てで「映劇」の方によく行つた。大作(?)のときは二本立てだつたりしてました。

 と言ふわけで、三軒茶屋へ行つたら映画館チェックをすると言ふ話。やうやく本題です!?つい先頃書いたブルースの映画なんてのはチェックのたまものですな。
 で、最近のチェックとしては「コール」と「フライトオブフェニックス」
 「コール」は演技派ダコタのサスペンス。WOWWOWかなんかで見ました。面白いんですが、嫌な性格で全然好きになれない「父」が最後に活躍してしまうのが残念な作品です。知恵も才能も金も地位も持つてゐる奴が、がんばるとこんなに凄いんだぞって。
 それよりもなによりも「フライトオブフェニックス」ぼくは知りませんでしたので、気になりました。なんだろ?この映画どんな映画なんだろ? 『フライトオブフェニックス‥‥‥』ポスターのこの砂漠つぽい背景はなんだ?『フライト‥‥‥』飛ぶのね。『オブ』の。『フェニックス‥‥‥』不死鳥‥‥‥?『不死鳥の飛翔』って感じ?
 ぢやねえよ!
 ま、ま、ま、まさか!?なに〜ぃ!『飛べ!フェニックス』なの!?
 と言ふことで、チェック完了。見ました。

 間違ひなく『飛べ!フェニックス』のリメイクでした。オープニングで製作にウイリアムアルドリッチなる名前が見えて、これは正統派リメイクなんだ!なんて喜びもひとしおですが、そこはそれ、リメイクのむづかしさもよくわかるし、期待し過ぎない様、心を落ち着かせながら見ました。
 なにしろアルドリッチ「ロンゲストヤード」のリメイク、イギリス産「ミーンマシーン」はやはりでしたからね〜。フットボールをサッカーに変えて奮闘してましたがね。
 でも、これは直系(多分息子さんではないか)リメイクだもんね〜。と言ふ闇雲な高揚感は消せず。困りました。
 が、始まりの砂嵐遭難シーンのCGがあまりにも凄く、スピーディで、今風で、迫力の意味を取り違へてんぢやね〜の?と微笑ましく好感が持てたので(かなり矛盾した表現ですが、ありのままです)今の映画として見られる態勢になりました。よかつたよかつた。
 キャスティングはもうそりゃあ地味で心地よい。主役がデニス クエイド(けなしてませんよ〜)オリジナルではジェームズ スチュアート。と言つても今では忘れられた役者なんですかね。もう一人からうじて知るつてゐたのが、ジョバンニ リビシ(ボブディランの頭の中に出てた人。前作では、ハーディー クリューガーの役どころ)他にオリジナルでは、大脱走リチャードアッテンボローとか、パニック映画ならおまかせのジョージケネディ!俺もゐるぜのアーネストボーグナインなんてのが出てゐたのです。
 でも、今回の地味さは正解。オリジナルにはない女性キャラも加えて、でも飛行機の形は、オリジナルのイメージで(同じかどうかはつきり言えないところが、マニア度低し‥‥‥)演出も一生懸命でよかつたな。オリジナルに迫らうと努力する部分と、最初から変えてゐる部分とのバランスがよかつたと思ふ。
 ところで、三軒茶屋中央ですが、昔のまんま残り続けてゐる素晴らしさはいいのですが、椅子もそのまんまなんで、最近の映画館の椅子に慣れて軟弱映画ファンになつてしまつたぼくには、少々きつい‥‥‥。だから、一本で帰ります。まあ、時間もね。そうそうはないかな?三本立てを見てゐたのは遠い昔‥‥‥。と想ひ出にひたつてゐても仕方ない。
 一本だけ見る場合。その映画が運良く最終回ならば、割引で見られます。プログラム次第ですね。「フライト〜」は、ラストだつたんでラッキー。
 次なるチェックは「スパイバウンド」ですね。ぼくは演技派だと思つてゐるモニカ ベルッチ(前にも書いた)ですね。相方は「オペラ座の怪人」こちらが最終回のやうなので、割引は不可ですね。つまりやや中途半端な時間の上映になりますな。果たして見られるかしら。

 これが、入るともらえるニュース。これも昔と変はつてない!
 但し、今は片面で裏は白だけど、昔は「映劇」と「中央」で裏表あつた。下はその裏と表ね。
 このニュースよく取つてあつたな〜と思ひます。これともう一枚残つてました。それは、「中央」の方で山口百恵シリーズ二本と「青い山脈」だつた。これは東宝作品ですが、そもそも「中央」は日活系と言ふことで、その頃は日活ロマンポルノがメインでしたかね。
 とりあえずこの時ぼくがメインで見たかつたのはニュースで一番隅に追ひやられてゐる「悪を呼ぶ少年」
 内容は牧歌的な「オーメン」ですが、こちらの方がずつと先。
 当時は、余程のことがない限り三本立てなら三本全部見ました。
 でなければ見ないと思ふ「ミラノの恋人」(タイトル切り捨ててるな〜)ステファニア サンドレッリは好きですけど。
「最後の晩餐」は、二度と見たくない映画シリーズの記念すべき第一作か!?いやあ、よこしまな考えで見ると絶対に後悔します。