ジャケット裏2005年09月04日 19時58分06秒

先に『死神の精度』を見てね。

 これが、スティッキーフィンガーズの裏側です。
 ところで、これは誰の尻なんだろ?
 ミックジャガー?
 そんなことも知らないままだつたのか‥‥‥。

死神の精度2005年09月04日 20時00分15秒

 久々に日本の小説を読んだ。今年は苦手な翻訳物を無理強いしてゐるわけだが、好きな作家の物はやはり読みたい。新刊が出てゐたやうので、図書館に予約しておいた。そこそこ人気があるやうで、7月10日の予約で、8月末に順番が回つてきた。
 好きな作家とは伊坂幸太郎だが、デビューが2000年だから、新人とは言へないかも知れないが、まだ、新しめだと思ふ。
 好きなんである。読みやすい(ぼくにとつてかなり大事)し、面白い。しかし、面白ければ好きと言ふ単純なものではないと思ふ。好きと言つてゐるのだから、言ひ方をわざわざ変へることもないが、『好み』なのである。音楽へのこだわり(こだわると言ふほどしつこくない)映画へのこだわり(同上)具合が、丁度いい。あくまでもぼくのサイズにだが。
 映画ではゴダールがよく出てくる。でも、好きなのかどうかわからない。実は一時期ぼくもゴダールはよく見た。好きだつたわけではない。ぶつちやけた話『インテリ願望』だ。しかし、ゴダールの映画を見れば頭が良くなる訳ではない。もしもゴダールがわかつたら、賢くなつたのかも知れないと言ふ程度のものだ。知識人ぶりたいだけだ。素直に面白いと言へるのは『勝手にしやがれ』ぐらいなものだ。確かに『気狂いピエロ』『ウィークエンド』など、良さを言へる作品もある。が、基本的には眠さとの戦ひだ。
 伊坂幸太郎はぼくよりもゴダール映画を理解してゐるやうだが、『ぼく程度』をくすぐる表現をしてゐる。例えば「あんだけ退屈な映画を作り続けているのは凄い」だ。
 年はずいぶん違ふはずだが、出てくる音楽が、なんだかうれしい。
 今回『死神の精度』に出てきた一つに「ブラウンシュガー」がある。ローリングストーンズだ。「サティスファクション」でも「ジャンピンジャックフラッシュ」でもなく「ブラウンシュガー」が、ポイント(あくまでもぼくの)なんだ。もちろんヒットはしたが、ローリングストーンズで最初に出てくる曲ではない。タッタッ、タッタッタ、タラララ〜。タッタッ、タッタッタ、タラララ〜。と、文字で書いても全然わからないが、前奏からして、「サティスファクション」「ジャンピンジャックフラッシュ」と似てゐるがやや違ふ。緊張感(かつこよさが)が、ラフなんである。気楽、リラックス(でもどこか退廃的)、実は妖艶なんである。ツンツンに尖つてる不良時代を過ぎて、笑つてみせる余裕を感じる曲である。ぼくは好きなんである。(念のために言ふとアルバムはもちろんヒットアルバム。アンディウォーホルのジャケットで有名な『スティッキーフィンガーズ』の1曲目だ!さらに念のため写真がさうね。本物のファスナーがついてゐるんだ)
 だから、そんな位置からかましてくる彼の小説はどうしてもハマッちまうんである。
 もちろんすべてジャストフィットではない。かなりクールなんである。暴力、死に関する冷めた感覚はなかなかである。視線が遠くて近い。
 なので『死神の精度』とは、いかにも彼らしい小説と言へる。死神を主人公とした連作である。
 6つのストーリーがあり、これは必ず最後にパズル的に収まる筈だなと思ひながら読む。多角的なネタをうまいことはめ込みまとめてしまうのが、楽しい作家でもある。
 3つ目のエピソードが密室ものミステリーになつてゐて、やや退屈したが(作者もシャレでやつてゐると思ふが)今回の、オチも気に入つた。
 暴力、死に関してクールと言つたが、今回は「死神」を主人公にしてゐる分、ややホットな感じがした。下手をすると感動的な作品になつてしまうところだ。でも、そんなヘマはしてゐない。もともとの資質がさうなのか、テクニックなのはかわからない。『重力ピエロ』などと言ふ作品は充分すぎるぐらい背筋がジンとする作品だ。
 実は先日書いた「盗撮事件」は、この小説を読んでゐて思ひ出してしまつたことだ。それから、これもたまたま最近見た映画の題材と似たエピソードもある。同じ事件から、生まれたものかしら?と思つてしまつた。
 映画は『17歳の風景』こんどのネタのつもり。
 ああ、それからそれから、ラストのエピソードは『亀は意外と速く泳ぐ』のロケーションをそのまま浮かべながら読んだ。

 で、写真の都合で本日のブログは3ブロックに分けた。

目次
1.死神の精度(ここ)
2.ジャケット裏
3.ファスナーUP
例によつてクリックしても何も起こらない。

ギター改造計画(前編)2005年09月06日 22時55分03秒

 『17歳の風景』のはずだつたんだけど、とある素材が揃つたので、これを先に。でも、前編です。

ギター改造計画(前編)

 あらかじめお詫び!?

 この『ギター改造計画(前編/のちにあるであらう後編、それが完結篇)』は、物を大事にする人にはお勧めしません。見ない方がよいと思ひます。

 では、さて、中学か高校の時に買つたギターをまだ持つてる。正確にいつだか覚えてない。上達しなかつたので、こだわりが少ないのだと思ふ。でも、捨ててない。スチールギターなんだが、こともあらうにウエスタンギターと言ふのかしら、ボディのでかい奴だ。身体小さいのになんでこんなの買つたんだらうと思ふ。カントリーが好きだつたからなんだが、果たしてカントリー歌手がみんなでかいのを持つてゐたかどうかは疑問である。
 でかい物へのあこがれはあつた。
 ともあれ、全然上達はしなかつたが、スリーコードぐらいは鳴らせるので、年に数回は触つてゐた。しかし、でかいので、重く邪魔で、腕が痛くなるし、ここ数年触りもしなくなつてしまつた。

 さて、どうしやう‥‥‥。このまま、このギターは触れられることもなくホコリまみれに(もうすでになつてゐる)なり、錆びた弦は交換されることもなく、しかも捨てられることさえなく居続けるだけなんだらうか?
 ‥‥‥って、すべては持ち主の意思なんだね。
 そこで、少しは触らう。そのために、軽く持ちやすくせやう!ボディに当たる腕が痛くならないやうにせやう!と一大決心!(オーバーな表現です)
 小さくすることにした。
 ボディを細長くしてみやうとかも思つたが、それは無謀な計画だとあつさり断念。とにかく薄くすることにした。

 で、いきなりのこぎりでぶった切りだぜ!

 と、こんな感じ。
 のこぎりは、左手の親指のつけねから血が噴出事件(?)のレーザーソーです。
 で、さらに薄くするために、補強部分だけを残してさらに切る。すると、2本のこんなギター型の「輪っか」が出来ます。
 これはまだ、部屋に残つておりますが、さすがに捨てると思ひます。

 そして、重ねてテープ(撮影機材用の布テープ。便利!)で、ぐるりんこと張り合はせます。

 完成!るるるん!

 ‥‥‥しかし。
 この後、少し考えれば当たり前のことが起こりますが、このときはルンルン。
 何年前に買つたのか忘れたけど、何故かあつた交換用の弦を張り始めました。
 そもそもこの行為が凄く久しぶり。
 で、なんだか、調弦がなかなかうまくゆかない。
 あれ?合はせたつもりが、次の弦を合はせてゐるうちにどんどん狂つてゆく。
 う〜ん?なんでだ〜?へんだな〜?とよくよく見てみると!
 ネックとボディがこんな風に(ピント合つてないしあまりにもわかりづらいので、図解入り)反り返つてゐました。

 ガガ〜ン!そりゃそうだ!ボディ剛性壊したんだもん!
 びにょんぶにょんとまあ、面白い楽器は出来たんですが、奏法を開発するのはむづかしい‥‥‥っつ〜か、ちやんと考えろよっ!

 と、思ひました。
 これは、張り合はせを強化するだけでは、すまないなと思ひました。
 といふことで『ギター改造計画(後編=完結篇)』へつづく。

ライトニング*イン*ア*ボトル2005年09月09日 10時55分33秒

 なんか「ナカグロ=・」が好きになれないので「*」にしてみました。
 ぼくはブルースが苦手であります。
 歌謡曲なんかでよくある(最近はないか?)『なんたらブルース』はここで言ふブルースではありません。
 退屈は平気なのですが、辛くなるのです。
 ブルースはアフリカから連れて来られた黒人がその恨みつらみを先祖代々伝はつて来たのであらうフィルターをとおして歌つたものだと感じるからです。
 以前とあるキザなお方とこの件で意見が食ひ違つたことがあります。件の方は米軍基地の影響を受けつつ育つたらしく、ブルースが魂のスタイルとして定着してゐました。いかにも「かっこつけ」な感じがして腹がたつたのです。彼の方が、身近にブルースに接してゐたのでせうが‥‥‥‥。

 ま、それはともかく、映画の中で、『ブルースのメロディと詩は書ける。だけど、それだけではブルースにはならないのだ』と言ふコメントがあつて、自分の考えはおおかた正しいと勝手にひとり満足しました。
 と、いまされですが、これは記録映画のタイトルです。2003年は『ブルースと言ふ音楽形式が生まれて100年』なんださうです。それが、何を意味するのかは、さておき、どうやつて決めたのでせうかね?その日を?
 その記念にあれこれ行はれたり作られたりしたやうですが、これはそのうちの1本と言ふことになります。ニューヨークのラジオシティホールだつけな?‥‥‥‥しまつた。忘れちまつた。とにかくそんな場所で行はれたチャリティライブ!?の記録です。
 実際のライブの順番との整合性は判りませんが、はじめに西アフリカの民謡から入ります。ルーツから探らうと言ふこころみです。
 ブルース歌手にはくわしくないので、ほとんど知りません。BBキングぐらいは知つてます。とある女性歌手が言ひます。白人はアフリカから黒人を連れて来て何もかも奪つた、だけど「声」だけは奪へなかつたぞ!と。
 (お客さんに白人大勢ゐます。面白い国です。)
 でも、ふと考えると、ブルースからジャズが生まれ、ロックが生まれ、アイリッシュミュージックと融合してカントリーが生まれ(これぼくの勝手な解釈です)この100年(!)のアメリカのポピュラー音楽の興隆を考えると「声」すら奪つたのでね〜の?と感じます。

 またしてもそれはそれ、ぼくのブルースへの誤解と言ふか、勘違ひ?思ひの足りなさが判つてきます。とある男性歌手がいいます。ブルースってのはね男と女なんだよ。それだけなんだよ。人間の根源を言ひたいのだと思ひます。
 ぼくのイメージだとったつたひとつ「俺は朝起きたぜ。きょうもこき使われたぜ。汗みずくでシャツがぼろぼろだ。洗いたいぜ。だけど同じ夕日が沈んでいきやがる。どうせ眠ったってまた同じ明日だけど寝るしかないから寝るぜ」がブルースだつた。浅いな〜。考えてもみろや。と言ふことなんですが「綿花畑で働いたぜ、あの娘の尻がたまらないぜ。俺は視線を送ったぜ。おいおい手でぴしゃりはね〜だろう」てのもあるんです。(これらに該当する歌はありません。新たなるデータを元にイメージを創作してます)
 もちろん根つこにあるものは同じですがね、出口なし。

 と、黒人の歌声が続き勘違ひも含めぼくは自分のブルースに対する感触を確認しつつ、少し広がつたけれど、やはりブルースだよなと思つてゐたんですが、とある白人の出現により一変します。
 そいつはジョンフォガティ。CCRクリーデンスクリアウォーターサバイバル!のボーカルです。ローコードの魔術師!(ぼくが勝手に思つてゐるだけで、こんな呼び名はなかつたかも知れない)ブルースに影響を受けてゐることはもちろん知つてゐましたが、再確認。ブルースが白人に捕られた瞬間!?正確には黒人の聖域に白人が乗り込んで行つたと言ふのが正しいのだと思ひます。
 なんか否定的な表現になつてゐますが、とんでもない。ぼくはここで、喜んでしまつたわけです。だつてジョンフォガティだもん。『雨を見たかい』『フールストップザレイン』『プラウドメアリー』って、ねえ‥‥‥‥し〜ん。歌つたのはブルースですよん。
 まあ、いいや。
 つまりぼくは哀れ日本人、アメリカ白人文化に包まれて(実は占領されて)育つて来たのだと再認識しました。
 その後もボニーレイット。ぼくはカントリー歌手と認識しとります。かつこいいおばさん!声が『枯れてゐるのに艶つぽい』見事!溶け込んでましたな〜。トリではBBキングと一緒だつたもんな〜。彼女は「音楽」と言ふとりましたな。
 それから白人勢ではリブパパ=スティーブンタイラーがジョンペリーと出てました。彼は、敬意を表してゐたのか奥ゆかしい雰囲気でしたね。
 そんな中でも、ブッシュ戦争止めろとか歌ふ人もゐて、面白いです。

 で、結局。結局はありません。
 ニューオリンズは水浸しになつて、そのチャリティで「ブッシュは俺たち黒人なんてどうでもいいんだ!」て非難したら怒られて、現地視察に行つたブッシュは黒人の少年たちのシャツにサインをして‥‥‥‥。

 日本だつて水害凄くて、我が家のそばの水路だつてよく溢れるし、このあいだもぎりぎりだつたし‥‥‥‥。