動物園の檻の中2005年11月09日 16時49分57秒

 野毛山動物園の話題はつづく。
 これは、ホッキョクグマのいた動物舎だ。今はいないので、中を見て回れるようになっている。
 面白いと思う。それでも、入れない授乳室などがあるのだが、普段は動物の入る場所から外を眺める機会はあまりない。だからと言ってシロクマの気分になれるものではないが、得した気分にはなる。

 手すり越しで分かりにくくなってしまったが、シロクマの模型が、お腹を出して寝転がっている。
 そこでこんな光景を見た。遠くからで見にくいが、お母さんと幼児だ。近付くのははばかられたので、遠くから写真を撮った。

 模型のシロクマを相手に、
母「あれえ、こんなところで寝ているよ〜」
子「んふふ」
母「起こしてみようかぁ。シロクマさん」
 し〜ん。
母「起きないね〜」
子「んふふ」
 ‥‥‥‥よいしょっと、手を掛けてみる母。
母「やっぱり起きないねぇ。変だね〜」 子「んんふふ」
 と、模型相手にお芝居だ。

 ぼくはこんな光景が好きだ。

 まだ、小さくても、子供にだって、それが本物でないことぐらいわかる。
 でも、お母さんがこんな風に楽しく、優しく遊んでくれるのがうれしいに違い無い。

 そうは言っても、やがて、こんな些細な出来事は、きっと忘れられてゆく。
 記憶とはそんなものだ。

 だけど‥‥‥‥お母さんが模型のシロクマに優しくおどけて接した気持ちは必ず蓄積されるとぼくは信じる。