賞金稼ぎ2005年11月12日 15時42分22秒

 大泉レイトショーで『ドミノ』を見た。
 あらかじめ言っておくと「困った映画」だ。
 困った映画だが、見どころはいくつかある。見せ場では なく、見どころだ。
 でも、その見どころの前に、ドミノハーヴェイについて少し。
 そもそも賞金稼ぎといふ職業が現代においてちゃんとあることに軽く驚く。
 賞金稼ぎと言えば西部劇か『イリア/ゼイラムジアニメーション』なんだけど‥‥‥‥。
 でも、あるものはやはりあるのだ。映画の中では「間」といふ表現がくり返されたが、隙き間商売かね?ドミノは実在の人物で、この映画のエンドクレジットに出てくる。ヤサ男風の女性だ。今調べたのだが、この映画の撮影後に亡くなってしまったらしい。まだ若い。驚く。「ドミノハーヴェイの想い出に捧ぐ」といふテロップは、訃報後につけたものか?
 そもそもドミノハーヴェイはローレンスハーヴェイの娘。ローレンスハーヴェイは何で有名と言はれてもすぐに出てこない。映画の中では『影なき狙撃者』でフランクシナトラとテレビ画面に映るシーンあるが、『影なき狙撃者』はなんと言ってもヘンリーシルバが印象的な映画。何があったっけと調べましたら。タイトルで覚えてゐるもの「潜航雷撃隊」「アラモ」「人間の絆」「暴行」「ダーリング」ぐらいかな〜?もっと見てたような気がするのだが、西部劇の印象が残ってゐたのは「アラモ」のせいか。
 ドミノにふんするのはキーラナイトレイ。日本ではラックスかなんかのコマーシャルに出てゐたが、その頃から気になって仕方がなかった女優だ。今回ますます気になったので調べた。
 ああ!そうか!
 ぼくの「二度と見たく無い映画ナンバー1」の栄光に輝く『穴』といふ映画がある。
 二度と見たく無いから話したくも無いが、ソーラバーチが出てる。不健康な映画だ。その中で、キーラは滅茶苦茶可哀想な役をやってゐた!二度と見たく無い映画とはいへ、その中の忘れてはならない貴重な存在だ。ごめん。
 役柄は全然違う。悪い役では無いが(主人公だし)話にのめり込めない作りだったのがとにかく災いしてゐると思う。と、これは、困った映画の話になってしまうので、見どころを先に。
 見どころは、ミッキーロークとジャクリーンビセットです。おわり。
 ああ、終わってしまった。
 と、ベタなことをやって。
 このところ、どうも仕事がなかったらしいミッキーローク。存在感が売りだったので、その存在感が必要とされてなかったってことかね。ぼくはこの間「ボブディランの頭の中」で、ミッキーローク?と「?」付きで見てしまったので、反省するが、今回のミッキーロークはミッキーだったな〜。こいつに「死ぬには最高の時だ!」なんて叫ばれちゃうと、小さなことで困るなよって思うな。
 ジャクリーンビセットはいいな〜。美人女優といふのは、歳をとると仕事がなくなって大変なのだ。ってのは、去年だか一昨年だか、ロザンナアークエットが作った『デブラウィンガーを探して』を見ると、わかる。役どころが無い!?見せる美貌がなくなったので、自ら出なくなる方もゐるでせう。そこへ行くと、カトリーヌドヌーブは化け物では無いかと思うぐらいいまだに大活躍してゐると思う。もちろん年相応な役をこなしながらも、美しいのだ。これは凄いと思う。それを追ってゐると思われる女優に同じくフランスからイザベルアジャーニ(アラブ系らしいが)といふのがおるが、ぼくは好きな女優だが、最近、別な意味でバケモノではないかと思える瞬間があるので、気をつけてもらいたい?カトリーヌドヌーブとの違いは、やってゐる役が若すぎるのだ。もちろん仕事のオファーの問題だから彼女のせいではないかも知れぬが、無理はせんでもらいたい。古い話で恐縮だが『妖婆』といふ映画で処女の役をやった京マチ子のやうにはなって欲しく無い。何が本当の『妖婆』だったのか、強烈な映画ではあったが。
 と、話が全然、ぜ〜んぜん離れた。
 全然でもないか‥‥‥‥。ジャクリーンビセットだ。彼女は歳にも負けず結構出続けてゐる方ではないかと思う。その美貌に深く深〜く掘り刻まれた皺(しわ)をどう見るかの問題だが。ぼくは美しいと思ったよ。ドミノの母役です。感慨深いとはこのことだね。これはとっても個人的な事だから、「見どころ」人を選ぶといふ感じではあるがね。
 おそらくぼくが一番感受性豊かに映画を見ていたころが、彼女のピークだったのではないかと思う。「アメリカの夜」「おかしなおかしな大冒険」「料理長殿御用心」「ロイビーン」70年代です。まただ‥‥‥‥。どうしてもここへ来るな〜。
 なので、それだけでも価値のある映画です。クリストファーウォーケンも出てますが、あまり感慨深くはありませんでしたか‥‥‥‥。クリストファーがおいしいのは「きのうから来た恋人」だわね。
 で、何が困ったかといふと、画面作り過ぎいぢりすぎ遊び過ぎ。これ流行り(はやり)なんだろうな〜と思うけれど、いただけないな〜。全体で意味があるといいたいのだろうけど、意味のないクイックパン、クイックTB、意味のない手ぶれ、落ち着きのないカメラ、短いカッティング、短いアングル替え、粗い画像‥‥‥‥。絵をちゃんと見せてよ。演技をちゃんと味合わせてよ。お話をちゃんと見せてよ。と言ひたい。クライマックスも、普通の会話のシーンも同じ作りでは、あんまりでないの。もっと、普通に作ってくれれば、クライマックスで「ママトールドミー」がかかった時、ぼくは感激に思わず唸ってたさ!絶対に唸ってたさ。レイトショーで5人ぐらいしかゐなかったから、「うおう!」とか言ってたかもしれないさ。でも、これじゃあ、何気なさ過ぎて音楽もだらだらして背中沈んぢゃうよ。
 だからさ‥‥‥‥。「ママトールドミー」がスリードッグナイト版だと、思っちゃったぢゃない!でも、エンディング見てたら、トムジョーンズ版!?トムジョーンズの「ママトールドミー」ってあったんだ‥‥‥‥。
 と、自分が思い込んでしまっただけなんだけど、映画のせいにしてしまうけふこの頃。
 でも、音の作り似てた気がするな〜。