犬と歯2005年11月18日 15時36分56秒

 今日で取りあえず歯医者終了。よかったよかった。もう痛くも痒くも無いし、おニュウの詰め物はスベスベしてゐて気持ちがいい。
 しかし、これで神経をとってしまった歯が3本になってしまった。こんなことしていいんだろか?と思うが、痛かったモンは仕方が無い。
 昔の映画などを見ると(今でもところによってはそうだと思うが)『歯が痛い→治療法は歯を抜く!』といふ乱暴な治療が出てくる。すげえな〜と常々思っていたが、神経を抜くといふのはそれにくらべるとかなりデリケートな治療法だと言えるが、問答無用!切る!みたいな感覚は同じか‥‥‥‥。
 もうずいぶん前の事だけど、当時仕事してゐた、西荻窪と青梅街道の間ぐらいにあるスタジオ(今はもうない‥‥‥‥と思う)のそばの銭湯。(昔は(今も?)アニメーターのそばに制作がついて仕事を上げてくれるのを待つといふ漫画家と編集さんみたいなことを、やったもんです。編集さんはどうだかわかりませんが、制作にはいろいろな人がゐて、アニメーターはしっかり人を見て、監視されても相手によってしっかりサボってゐたもんです。なので、一晩つき合っても収穫の差は激しい。ぼくは、寝てたり風呂行ったりで、付きっきりにはならなかったな〜。だから収穫もそこそこだった)
 で、銭湯の話。ぼくは、風呂で歯を磨く習慣があるので、銭湯でも磨きました。
 すると、横にゐたおぢさんが(ぼくが20代半ばの頃)「歯なんか磨いてんだ」と、さも不思議そうに言うのです。「うん」とぼく。
 「虫歯あんの?」
 「うん。治療して今はないけど」
 「俺なんか生まれてから一度も歯ぁ磨いたことないぜ」
 「へえ〜」
 「だけど、虫歯なんかなったことないぜ!」
 「へえ〜凄いですね」
 「歯なんか磨くから虫歯になんだよ」と、さらにおぢさんせまってくる。
 「へ?」それはそれで凄いなと思うぼく。
 「だって犬は歯磨かないだろ」と、結論付けるおぢさん。
 「はあ〜‥‥‥‥」
 なんだか感心していいのだかどうだか迷うぼくだったが、おぢさんは自慢げに歯をニギーッと見せつけてくるのだった。あまりお綺麗な歯ではなかったが、虫歯はないといふのだからなかったのだろう。
 そんなおぢさんの説得力のあるようなないような理論を妙に納得してゐたぼくだったが、後年、その説はあながち間違いではないといふ風になった。
 デザイナーのこうしんさんといふ人がゐて、博学で研究家なのだけれど、東海の方で『自然人』家系の人に会ったことがあるそうで、そこの人たちは、まさしく歯を磨かない。虫歯ない。らしい。
 『犬理論』をさらに分析したようなその説は、つまり『磨く』こと自体もさることながら『歯磨き粉(洗剤、石鹸)』に大きな問題点があるとされてゐて、その人たちは体も石鹸では洗わない!そんなことをしたら人間の持ってゐる新陳代謝力が損なわれるといふことだ。
 犬理論をより科学的に解明したこの説になるほどと思った。
 しかし、生まれてから一度でも歯を磨いたらだめ!
 なんだそうだ。
 これも納得はできるが、非常に困難だと思う。この覚悟があるかどうかが、大問題だ。幼稚園ではどうすればいいのか?歯の磨き方を教えるなんてもってのほかなのだ。
 そもそも子供にそんな覚悟ができるわけが無い。犬理論が赤ちゃんにわかるわけもない。
 生まれてから一度も歯を磨かない、体も洗わない。想像するとなかなかにヘビーだ。
 「きれいな体を保つ」といふ意味を根本から考え直さねばならないなと思う。


 といふことで、まだまだ続くジャクリーンビセット週間。

 ブリットは1968年の作品。ハッキリ言ってただ出てるだけ(そこそこ出番は多い。セリフ少ない。よけいなことをして怒られる役!?(損な役だと思う))それが、1976年になると、したたかな役回りになってゐる。(まあ、ブリットの方が面白いけど)セントアイブスといふのは、ブロンソンの役の名です。