ウサギとカエル伝説2006年05月09日 23時04分18秒

 これは東京○○寺にある石。
 何かな〜?
 この一枚しかないといふことは、大して興味がわかなかつたんだらうか?
 普通なら、横から後ろからともう少し撮るもんなんだが、もしかしたら、周囲の状況がそれをさせなかつたとも考えられるがよく覚えてゐない。
 謎の石だ。灯籠や、タヌキの置物の石像(あの二足立ちで、大○○で、瓢箪と伝票持つてゐる奴)のそばにあつたものだ。よくよく考えてみればタヌキの置物の石像が寺にあるといふのは普通なんだろか?妙に世俗的な感じがする。
 さすればこの怪しげな石もなにか下世話なものではないかと勝手に想像する。これはカエルか?と思つた記憶がある。今見ればウサギに見えないこともない。石舞台古墳の石に似てる気もするが、それは却下して、何を隠さう女性に見えるんである。これはどうやら兎蛙合戦伝説の石像ではないかと思はれる。
 手塚治虫の火の鳥にほんの少しだけ出てくる自然の力で造る石像のエピソードがある。坊さんが雨のしずくの垂れる場所に石を置き、長い年月をかけて形を作つてゆくといふものだ。
 兎蛙変化伝説といふのは、ウサギとカエルが化け合戦をしてゐたが、なかなか勝負がつかず、最後にウサギが人間の男に、カエルが人間の女に変身したときにお互いに見初め合ひ結ばれてしまつたといふおはなしだ。この伝説の大部分はここに重点が置かれてゐて、艶色満載禁断の模写が続くので、ぼくには書けない。そして、結末も決してハッピーエンドではなくて異種結合といふことで、物の怪が生まれる。女性に化けたカエルから生まれたといふやうなものではなく、異種合体の描写の流れのまま物の怪へと変化してゆくやうに受け取れる。物の怪の形状に関する細かい説明はない。
 東京○○寺の歴代住職は長年かかつて一つの石でまづウサギ、そしてカエル、そして最終形体の物の怪まで作つたのではないか。伝承される形のない物の怪を作り出してみやうと思つたのだ。いまならばコンピューター合成して作る映像を石でやつてみたのだ。
 さうに違ひない。