クーリン2006年05月17日 23時31分03秒

 久しぶりに我が家の猫のことを。
 といふのは、今、ぼくが帰るや否や、リン(右)の方が足元でみゃーにゃーうるさいからだ。まあ、ひとしきり鳴くとあきらめて去るのだが、つまり腹が減つてゐるのだ。基本的にリンは年がら年中腹を減らしてゐる。リンはクー(左)にくらべてだいたい3分の2ぐらいのボリュームだ。外で見かける猫にくらべると実は大きめだが、クーがでかいので目立たない。
 だからと言つて年中腹減り(我が家では基本的に腹が減つてゐる状態のことを「ハラヘリ」と略してゐる。大して略されてはゐないが、時には「アラエリ」と発音することもある)な理由はその体格のせいではなく。
 リンのえさをクーが食べてしまうからである。
 しかも、リンは食べ物を奪はれても逆らはない。この件に関しては決して争ひにならないのだ。クーの方が古株で身体もでかい。まあ、兄貴分な訳だが、リンがそれを認めてゐるのかどうかは不明だ。そして、リンは年中ハラヘリの割りには、食ひ方が素っ気なく、少なめにあげても自分の皿を一気に食べ尽くす事はない。ぺろぺろと食べたと思ふともうどこかへ行つてゐる。すると、クーがしつかり残りを食べてしまうのだ。まあ、それならばリンの自業自得とも言へるが、へたをするとクーは自分の分よりも先にリンの分を食べてしまう。皿に向かつてゐるリンを押しのけて食べてしまうのだ。それでもリンは逆らはない。そこが不思議なところだ。そんな訳で、逆にクーは年中満腹な筈なのだが、ハラヘリリンの為にえさを追加すると、サササとやつて来て、自分の分を要求するのだ。それを無視するともちろんリンを押しのけて食べる。すると結局リンがハラヘリのままになるので仕方なく、クーの分も少しやる。だから、リンが常にハラヘリであり続ければ自分も追加のえさにえりつけるといふことになる。なかなかに賢い猫である。時にはげろげろ魔神になり強制的に自分をハラヘリ状態にすることもしばしある。何度踏んでしまつたことか!
 と、書いてゐる間にまたリンが鳴きに来た。でも、ぼくはあげない。ここで、あげるとクーもやつて来て、食べた後に二匹で大騒ぎになることがよくあるからだ。猫は夜行性だから仕方がないが、ぼくが寝る体勢に入つてから、猫どものスイッチが入つてはたまらない。そこそこの体重の猫が無造作に布団の上を走り抜けるのだ。時には反動でぼくの身体がVの字に跳ね上がる事がある。