ミノムシ大暴走2006年05月20日 21時39分46秒

 裏の市庁舎の壁に蓑虫が大量発生してゐる。
 気がついてゐるのはぼくだけかも知れない。(そんなことはないか?)
 しかし、いきなり壁に大量発生してゐるのを発見したわけではなく。
 それは足元にゐた。
 もぞもぞと進む「流線型の茶色い物体」を見たのだ。それは、最近の雨模様のため湿つてゐて、それ自体が生き物のやうであつた。つ〜か、なかなかに不気味であつた。地べたではなくコンクリートの上だつたからなおの事、まるでクロンネンバーグの映画に出て来さうな質感だ。ぬめりとしてゐて、そして、素早い!
 それが、蓑虫だと気づいたときに、その驚きは倍増した。蓑虫と言へばのんびり細い糸でプラ〜とぶら下がつて、風まかせに揺らいでゐる姿しか思ひ浮かばなかつたが、なんのなんのむにににににと進む。
 そして、けふ。
 なんだかまた突然の温度上昇。
 コンクリートを多数の蓑虫が移動してゐたのだ。
 多っ!速っ!不気味っ!だけど、ちよつと可愛いかも‥‥‥。
 そして、跨いで通り過ぎながら「すげえな」と振り返つた時、壁に目が行つたのだ。壁には張り付いて動かない蓑虫の群れがゐた。さうだ、たら〜りとぶら下がらないとき、彼らは蓑の入り口をぴたりと貼付けてジッとしてゐるのだ。
 多っ!
 ジッとしてゐるから可愛くない。
 何もコンクリの壁に張り付く事もあるまいに。などと思ふ。
 しかし、さらに思へば、蓑虫つて、蛾だよな。ミノムシガだつけ?ミノガ?
 これ、つまり、大量の蛾になるんだよな〜。
 地面を大量に走る(這ふ/進む)蓑虫が可愛いと見える事はあつても、目の前を大量の飛び交ふ蛾は可愛く思へないな〜。