勇者のための浄土2006年09月02日 23時01分41秒

 先日HMVで購入したCDの一枚。
 これは、まあ、いはゆるジャケ買ひの範疇でせう。
 ジャケ買ひにはパターンがいくつかあると思ふが、初めてのパターンだと思ふ。ピンクフロイドの『 p . u . l . s . e 』がやや似てゐるのだが、ピンクフロイドはレコードも数枚持つてゐるぐらいに好きだから、買ふこと事態に意外性がない(?)ので、同じとは言へない。まあ、説明だけしておくと、『 p . u . l . s . e 』はケースの背中に「パルス発光」するランプがしこまれてゐて、赤い光が点滅してゐたのだ。この点滅は1年近くもつた気がする。電池を取り替へればまた光るかも知れないが試してない。と、まあ、光に惹かれる虫のごとくCDを手に取つてしまつたわけだが、これはライブで、曲はおなじみのものばかりである。何を隠さうレーザーディスクも持つてゐるので、CDを買はなくてもよかつたのだが、買つてしまつたのだ。だから、ジャケ買ひ。もうずいぶん昔の話ですが‥‥‥。

 と、例のごとく話がズレた。
 さて、どこが似てゐるのか?
 おまけ付きだつたのである。
 似てないか‥‥‥。


 これは一体なんだらう?
 と、思つたわけです。「 CHANDAN 」?
 よおく見ると「 DHOOP STICKS 」と書いてあります。
 でも、気がつかなかつたし、どうせ意味も解りません。
 ガム?飴?って、食べ物はないだらう!
 同じくあり得ないけど歯磨き?なんて思つたりもしつつ、コーナーは中東系でしたが、インドつぽくもあり、とにかくカゴへ。
 写真のやうにビニールの袋にしつかりと入つてゐたので、解りませんでしたが、出したとたんに、遅ればせながら一発でわかりました。(一発ぢゃないか)
 強烈な臭ひ(匂ひ)がプ〜〜〜ンと、鼻を直撃。お線香でした。
 石鹸のやうな(いや、そもそも石鹸がお香仕立てなのか?)シャボンを感じさせる匂ひです。まだ、焚いてません。
 しかし、かれこれ10日ぐらいたちましたか、少々弱まつて来ました。密閉しとかないといかんのかしら?それとも匂ひに慣れてしまつた?
 なんかもつたいなくてなかなか火をつける気にならん。
 最近、蚊の攻撃がもの凄く毎日蚊取り線香は焚いておるんですが‥‥‥。


 と、まあ、ご覧の通り。
 でも「 DHOOP 」を調べてみたんだけど、ないんだよな。「 STICK 」が英語だから英語だと思つたんだけど、違ふのか?
 メーカーさんの住所はインドのやうですけどね。
 と、まあ、その辺のことはさておき。
 アーティストは、アザムアリ(Azam Ali)といふ女性。テヘラン生まれ。幼い頃インド(マハーラーシュトラ州)へ移り、今はロスアンジェルスに住んでゐるさうです。イランの伝統音楽(インドではイラン人地区にゐたらしい)となんと言へばいいのか、今の音楽(?)を融合させた好みの音楽でした。
 融合させたと言ひ切るのは、サラーム海上さんといふ人が書いてゐるライナーにさうあつたからですが、かなり、伝統色豊かです。ほとんどの歌が英語なのに、これだけ雰囲気がいいといふのは、イランインドアメリカと文化を渡り歩いてきたからでせうか?

 アルバムタイトルは「 Elysium for the Brave 」英語ですね。(訳すと「勇者のための浄土」と解説にありました)

L'ANGE ET LE DÉMON2006年09月03日 23時00分33秒

 ところで(前に文章がないのに「ところで」も何もないもんだが)三軒茶屋の蔦屋は、在庫数豊富。店に入ると思はぬ時間を過ごしてしまう危険な場所だ。
 ただ、あれこれかなり親切に種類分けしてあるのだが、これはこれで中途半端な映画を探すときに結構大変である。
 アクションやクラシックのコーナーそれぞれ、いや、フランスやイタリアコーナーにもそれぞれ俳優ごとの棚分けがあり、選択肢が豊富過ぎて困るのだ。
 今回の作品はクラシックのチャールズブロンソンコーナーにあつた。
 さうなんだ、ぼくが子供の頃の作品はクラシックなのだよ。クラークゲーブルなら当たり前にクラシックだけど、さうか、ブロンソンもクラシックなんだなと感慨深い。
 見つけてしまつたので、西部劇を一時お休みして「おませなツインキー」を借りてみた。
 これは、16才の女の子と38才のポルノ小説作家が結婚するといふ、男の子があまり見たいとは思はない映画だつたので、だから、見なかつたのだ。チャールズブロンソンとスーザンジョージといふかなり興味をそそるキャスティングだつたのだが、男の子はこんな映画は見たいとは思はないのだ。男の子は西部劇と戦争映画を‥‥‥。
 なんか、無理した感じもする。
 実は、本当は、見たかつたのかも知れない。このタイトル見つけたときに、一番上の全く手の届かない棚にあつたのにも関はらず、脚立を探し出して運んで(ぼくの身長だとそれでもギリギリの高さだつた!棚高っ!)取つて借りたのだ。その無意識(?)の行為を考えると長い間心の中に‥‥‥。

 で、不思議だつたのだ。
 何がといふと、オープニングクレジットがフランス語!?
 セリフは英語です。
 で、タイトルが『L'ANGE ET LE DÉMON』フランス語ぢゃん。(ちゃんと表示されてゐるかどうか心配なので、最後の単語は『DEMON』Eにアクサンてのが付いてます。これ、ANGEといふのは天使かしら?DEMONは悪魔?『天使と悪魔?』『美女と野獣』って感じなのかな?まあ、チャールズブロンソンだからな〜。で、しかも括弧付きで、そのタイトルの下に(Twinky)と書いてある。面白いな〜。舞台は始めイギリス。後半アメリカに渡ります。
 イギリスの名優が、さりげなく出てます。トレバーハワードとか、ロバートモーレイとか、でも、エンドマーク『FIN』!
 う〜ん。
 そんなことで悩んでも。
 おつと!忘れてた。監督がリチャードドナー!有名どころでは『リーサルウエポン』『スーパーマン』『オーメン』ぽんまんめん!と。これはアメリカ人。
 う〜ん。気になるな〜。と、見終はつた後で映像特典チェック!
 アメリカ版予告編が、入つてます。それぐらいでは驚かない。
 しかし、続く2つの項目に注目。
 アメリカ版オープニング。アメリカ版エンディング。!!
 う〜む。この映画は一体どこの映画なのだ?
 で、もちろん見ました。
 見た本編(フランスタイトル版とでもいふか)では、オープニングに歌が流れます。男性ボーカルに「ツインキーツインキー」といふ女性コーラスが入る。(いかにも1960年代終わりから70年にかけてよく流れた感じの曲。当たり前ですが)アメリカ版はインストでした。編集も微妙に違ひます。つ〜かファーストカットは違ひました。理由は不明。確かに時間の流れを意識すると、フランスタイトル版は誤解を生じる?
 まあ、それはそれとして。
 と‥‥‥。
 た‥‥‥タ‥‥‥タイトル違ふぢゃん!
 といふか、タイトルぐらい違つたつて大した問題ではないといふか、といふか、でも『LORA』?
 誰?ローラ、誰?(一応『ランローララン』風に意味もなく韻を‥‥‥)
 主人公の名前違ふぢゃん!劇中で間違ひなくブロンソンは『ツインキー』を連発してましたぜ?
 アメリカ版はオープンエンドしかないので、本編で何と呼んでゐたかは不明。
 本編そつちのけで気になつてしまつた。
 アメリカではツインキーに問題があるのかしら?
 でも、予告では文字でもナレーションでも『TWINKY』連発してましたぜ。
 謎は深まる。
 さらに!?このDVDにはフランス語音声も入つてゐる。ブロンソンの声と口パク(口の動きです)を聞く(見る)限り吹き替へ版です。でも、何故フランス語音声、フランス語タイトル、ああ、さうさう!置き手紙のシーンがあるのだけど(黒板に白墨で書いてる)これ何故か英語からフランス語へO.L.で変はつたよ。(O.L. オーバーラップまたはディゾルブ。二つ以上の画像をつなげるときに重ねてつなぐ。主に時間経過や、情感を出すために使はれる)
 ただでさえ読めない英語を読まうとしてゐたら、速いO.L.で、いつの間にか、ジュテームジュテームになつてゐたので、不思議だな〜と思つたのだ。
 普段はこんなことしないけど、見直しました。
 O.L.前の文章にもちやんとアイラブユーと書いてありました。これはおそらく同じ文面と思はれます!
 と、様々な疑問を解消するべく、ここは調べやうと、またしても『allcinema ONLINE(http://www.allcinema.net/prog/index2.php)』へ。
 すると、この映画はイギリスとイタリアの合作だつて!
 ぬわあにぃ〜〜〜!???

ジャケ買ひ22006年09月05日 22時57分44秒

 CDのジャケ買ひ(じゃけがい)について続編を送ります。
 もう随分前のことで、いつのことかは忘れましたが、吉祥寺の新星堂で買ひました。
 これです。


 本物の竹です。
 店頭では、ビニールカバーに入つてましたが。
 なんぢやこれは?
 と、とにかく買ひました。値段は普通だつたと思ひます。
 ジャケ買ひの基本はやはり、美男美女が映つてゐるとか、写真の雰囲気がいい、イラストが綺麗、個性的などだと思ひます。このあいだ紹介したもののやうにオマケ付きといふのは厳格な意味ではジャケ買ひとは、言へないかも知れませぬ。でも、これは、ジャケ買ひでせう。
 木枠がスライドして開きます。


 小誌も入つておりますし、見ての通り『竹』と日本語(漢字)で堂々と書いてありますが、中身は英語とフランス語で、よくわかりません。

 そもそもはフランス製なんでせうか?
 COMPOSÉ ET INTERPRÉTÉ PAR PIERRE ESTEVE と、書いてあります。
 ピエールエスティヴさんですかね?


 全開するとまあ、こんな。
 内容はつまり、竹製の楽器を駆使して(!?)、イメージミュージックを作りました。といふ感じでせうか。
 『竹』と漢字で書いてゐるくらいで、代表的なものは尺八ですかね〜?
 それから、名前は解りませんが、ポコポコ叩くパーカッションのたぐい。あと、アンデスのケーナ?など、あれこれあると思ふのですが、あくまでも、コンポーザーのピエールさんのイメージサウンドなので、細かいことはわかりません。鳥の声が入つた曲もあり、竹林といふよりも、普通に森林、ジャングルなどを連想したりします。


 木枠はそれなりにしつかり作つてありますが、CDの丸穴部を固定するための「ポッチ」は、接着が悪く実は取れてます。撮影のために中央に置きました。
 撮影が雑でちよいと見にくいですが、背中には BAMBOO とたてに凹みがあります。
 実は実は、CDと小誌は普通のケースに移してあり、この元ケースは撮影のために、しまい込んであつたものを引つ張りだしてきました。つまりCD棚には一緒に並ばないので厄介な奴です。
 肝心の曲たちですが、概ね退屈です。それ風(?)の喫茶店でも作つて店内に流すといふ用途が一番いいかも知れません。
 それでも、当時、あまり大量買ひをしなかつたころなので、なんども一生懸命(折角買つたのだから好きになるのだ!といふ義務感?)聞きました。
 とはいへ何かしながら聞くので、それぞれの曲の判別をなかなか出来ず。(だいたい同じに聞こえる)困りましたが、1曲だけ非常にメロディアスな作品があり、好きになりました。
 全11曲中、ラストのナンバーで『 Flowering Mystery 』といふ曲です。
 それ以降は、その曲だけ聞くことが多くなりました。
 やつとたどり着いた「けだるさ」「開放感」「哀愁」みたいなものを感じる曲です。


 まあ、そんな『竹』な奴。

俺たちガンマン稼がなきゃ2006年09月07日 23時22分48秒

 俺たちっつ〜ぐらいで『ガンマン大連合』です。
 でも、内容的にいふと連合ねえ?てな感じです。
 ま、とにかく内容はさてをき、テーマソングが凄すぎ!
 エンニオモリコーネですが。作詞は誰なんだろ?サビはタイトル『 VAMOS A MATAR COMPANEROS 』だと思ふ。
 字幕を見ると『殺(や)っちまおう 殺っちまおう 同志たちよ』と歌つてる。バモスといふのはホンダの軽自動車にその名があつて『さあ行こう!』見たいな意味らしいから(そしておそらくMATARは英語のMURDERに当たるのではないかと勝手に想像して)この訳はほぼ直訳で、しかも曲調にあつた名訳ではないかと思ふ。日本語字幕は中津山けいといふ方。
 で、繰り返すが作曲はエンニオモリコーネだが、メロディとコーラスの雰囲気が、天井桟敷(寺山修司!音楽は主にJ・A・シーザー)を彷彿とさせる。
 映画の制作年は1970。天井桟敷と重なる。
 ぼくは小屋や舞台にあまり興味がなかつたけれど、寺山修司は映画も作つてゐるので、見てるし、サントラ『書を捨てよ町へ出よう』『田園に死す』と2枚持つてた。好みからいふと『田園に死す』だが、ガンマン大連合的音楽は『書を捨てよ町へ出よう』の方だ。
 元気団員が居並んで声を限りに叫び歌ふ姿が目に浮かぶ。
 思ひ起こしてみれば、あの頃の日活映画にも、そんな感じの音楽があつたなと思ふ。時代なんだな。きっと。
 メロディだけだと、さほどでもないのだが、混声コーラスが、醸し出す勢いといふか、匂ひ、味、空気感が天井桟敷もマカロニも時も越えて降り注ぐ。『同志』といふのがまた切なくもほろ苦くしみる。
 そんな音楽が全編を通して流れ続けるこの映画は凄い。
 例によつて何が大連合かさつぱりわからないし、この邦題はやや固いと思ふけど『殺しに行こう同志たち』では、確かにあんまりだ。マカロニウエスタンとしてはこれくらいの邦題がいいのだらう。
 主演はフランコネロ(スウェーデン人の役!?)トーマスミリアン(この人のことはよく知らない。純朴なアホっぽさの演技が、良き微笑みを誘ふ)、フェルナンドレイ(スペイン人だと思ふ。名画から安物映画まで、仕事を選ばない名俳優だ!)そして、顔が命のジャックパランス!(この映画では、怖い顔といふよりもどこか病的(狂気系でなくホントに病気)な感じで、気持ち悪く熱演)それから『カメ!(小型、お祭りで売つてゐるミドリガメみたいな奴)』(「何故こんなところにゐるのだらう」といふ、説明(言ひ訳?)付きで登場。重要な役割をする)う〜ん。凄いぜセルジオコルブッチ!(監督です)
 てなわけで、細かい内容にはふれず(いつものこと?)に、面白いとだけ書いてをく。

 あっと、タイトルも歌詞の一部です。