2007 初不思議2007年01月02日 21時43分54秒

 1月1日。例年の通り、カウントダウンが終はつた後、娘と近所のお寺と神社へゆく。
 お寺で、鐘を叩いて、神社へといふコースだ。
 まあ、だいたいお寺さんのほうが人が少ない。
 夜だからもちろん暗いが、境内はさらに真つ暗だ。自分の身体の周りに空間といふものが存在してゐることが判る。
 除夜の鐘はもちろん煩悩を鐘の音とともに去らせるためのものなんだらうが、鐘を叩くのは楽しい。普段いきなり訪問して勝手に叩く訳にもいかない。
 そして、人々の叩き具合がそれぞれに違ふから、いい音、さほどでもない音、おれこれある。だから、たつたひとつ叩くのに「うまく」叩きたいといふ煩悩が働く。強すぎるのでもない、心地よく、ぐぅをぉ〜〜〜〜んと響かせて『うん!いい!』なんて自己満足したいのである。妙に強くなりすぎたり、軽く安つぽい音になつたりすると、残念である。それで、一年間暗く落ち込む事はあり得ないが‥‥。棒を吊るしている鎖の音がガチャガチャしすぎるのも「下手」な感じがする。修行が足りないなんて思ふ。今回は残念ではなかつたな。
 そして、そこから徒歩1分ちよつとの神社へ。
 こちらは、例年長蛇の列といふほどでもないが、参道に人が並ぶ。
 小さな町の小さな神社にしては凄いと思ふ。
 で、当然のごとく寒い。
 いつもはだらだらと待つのだが、娘の提案で四字熟語合戦をした。
 これはなかなかによい。待つのがだいぶん楽になる。
 寒さも今年はさほどではないのか?
 と、
 思つてゐたら‥‥。
 上の写真では、よくわからないかも知れない(しかも季節外れの写真だ)が、見ての通りの参道。奥に傘をさしてゐる人が見えるが、丁度その辺りを横切る狭い道がある。車道である。道幅3メートルぐらいか。
 並ぶときにはそこを開けて待つ。前が空いたら、だららっと、2〜3人前へ進みもう一つある鳥居をくぐる。この写真では奥の鳥居はよく見ないとわからないが、ある。その先が本境内である。ちいさい。以前は、屋台も出たがここのところ不況で(?)ない。もちろんお札おみくじは売つてゐるし、寒いので、たき火もしてゐる。火の粉が空に舞ひ上がるのが、なかなかに美しい。
 さて、初不思議である。
 支離滅裂、豪華絢爛、五十歩百歩なんていいながら、あれ!?五字ぢやん。なんて笑ひながら、二つ目の鳥居をくぐると急激に温度が下がつた。
 後ろに並んでゐた二人連れの女性の方も「なんかこっちに来たらいきなり寒くない?」なんて、言ふほどに、身のこわばる冷気に襲はれた。
 特に風が吹いてきた訳でもない。
 その温度差に驚いた。
 たき火のせいで、冷気が引き込まれたのか、はたまた霊気が引き寄せられたのかは定かではない。
 何度もここへは来てゐるけれど、初めてのことだ。