お疲れ様でした。2007年02月11日 20時53分36秒

 あなたに「なんですかこれはっ!これじゃいままでの悪いところの繰り返しじゃないですか!」と怒鳴られた事。
 精一杯、気を使つてもらつて「あれよかったよ。これこれ」と、不思議なジェスチャー付きで褒められた事。
 肺気胸で緊急入院したとき、打ち合はせがてらお見舞ひに行つたら、堂々と煙草すつてた事。
 「もったいない」と言つて、飲み残しのお酒のこびんをふところに隠し持つて店を出た事。
 「ぼくはねぇ、手塚治虫にダメ出しをしたことがあるんだよ」といふ自慢。

 忘れません。
 左様なら。
 安らかに。

フィッシュストーリー2007年02月12日 21時47分50秒

 はやくも伊坂幸太郎だ。
 2007年1月30日発行の(おそらく図書館では予約一杯の)本を何故もう読めたのかといふと制作のデプスビレッジ君が貸してくれたからだ。サンキュー。デプスビレッジは隠れ読書家で、以前オススメはないか?と聞かれたので、社会派啓蒙思想により「奪われる日本」や『天木直人もの(ジャンルかっ!?=タカオアンドトシ風に)』や『副島隆彦もの(ジャンルかっ!?)』などを提示したところ、いきなりぼくより多数読破して世の中を憂いてしまつた奴だ。
 そして小説部門では、舞城王太郎『世界は密室で出来ている』と伊坂ものをススメたが、伊坂ものはすでに追ひ続けてゐたらしく、舞城王太郎に手を出した様だ。『世界は‥‥』は、絶対的超オススメ品なのだが、舞城ものには注意が必要だと念押しもしてをいた。にも関はらずと『阿修羅ガール』で、ひどい目にあつたらしい。
 そんなこんなで、図書館派のぼくが、予約数の多い本を読むのに苦労してゐることを知つてか知らずか「どうぞ」と新刊を貸してくれたのだ。いままでは文庫化を待つてゐたらしいが、最近は待てなくなつたのか?

 ま、さてをき、伊坂幸太郎は面白い。
 またしても例によつて、いろいろなものがイメージされた。
 いろいろといふのは短編集(中編かな〜?)だからか。
 新潮社。『動物園のエンジン』『サクリファイス』『フィッシュストーリー』『ポテチ』の四編。『ポテチ』は単行本用の書き下ろしの様だ。
 『動物園のエンジン』はタイトルともちろん内容で『おひさまエンジン』を思ひ出す。『大好き!ぶぶチャチャ』の1話のサブタイトルだ。脚本家おけやあきらがつけた。サブタイトルをつけるに当たつては、ぼくもいろいろを試行錯誤するのだが、これに関しては他はあり得なかつた。決まり度100。
 『サクリファイス』では、もう十年近くになるが、沼津のとある場所へ繰り返し行つた時の狭い山道と、九十九本目の生娘(菅原文太主演!)を思ひ出す。はつきり言つて全然関連性がない!伊坂幸太郎の小説は手塚治虫のヒゲおやじやアセチレンランプの様に、レギュラーがゐて、それも楽しめるのでいい。ヒゲおやじ達は、役所が変はるが、伊坂レギュラーは完全同一人物なのかな。
 『フィッシュストーリー』では‥‥。
 そうか、フィッシュストーリーとはほら話だつたか。
 と、これまた内容と関係なく『渦』を思ひ出す。
 『渦』といふのはカナダ映画なんだ。予告を見て「なんだこりゃ!?』と気になり見に行つた映画だ。なんとも不思議な映画だが、面白いかどうかは見るひと次第。冒頭とラストに魚が出てくるんである。語り部なんだ。しかも、この魚は魚加工工場?でいままさに捌(さば)かれるところで「息絶える前に話しておきたいこの美しい話」とかなんとか言ひ出して(ちゃんと口パクもしてる)始まる映画なのだ。さらに、その捌いてるおぢさん(おぢいさん?)が、主人公の女性に車ではねられて死んでしまう。(その死に行く過程がまた妙)といふ意表をついた展開なんである。そして、その息子とはねた女性との恋愛話になつていくんだけどね。魚が語つてた割にはほら話といふ感じではなかつたな。
 『ポテチ』は伊坂幸太郎の小説を思ひ出します。当たり前?
 ぼくはこれが一番好きだな。

デビュー結果2007年02月13日 12時11分29秒

 いまさらの報告だが、1月の26日に店頭に並んだ。
 ぼくは恥づかしながら、当日近所の本屋さんに走つて行つたのだ。
 見たら思ひの外(そりやあまあ驚くぐらい)デカデカと載つてゐたので喜んで買つてしまつた。
 月刊誌だから、おそらくまだ本屋さんに行けばあるのではないだらうか?
 スクーターファンだ。

 この写真、実は後で撮り直したものなんだ。編集の人から電話が来て撮り直したいけど大丈夫ですか?といふので、もちろん承諾した。何を隠さうあの撮影の日、遅ればせながら帰つてから、水拭きし直したのだ。おかげで、全身ショットはきれいな状態で写せた。
 しかし、まあ、プロとは対したもので、他に掲載された写真と見比べても、じつくり見なければ、シールドの汚れとかさほど目立つものではなかつた。安心安心。
 で、取り直しの理由は聞かなかつたけれど、どうやら、黒いボディに黒いレッグカバー(こたつ!?)と、それから背景に選んだ公園の木陰のため、真つ黒な塊(かたまり)になつてしまつたらしいのだ。
 と、これはぼくの想像だけどね。再撮のとき、光の具合と背景を随分気にしてやつてゐたので、おそらくさうだと思ひます。プロのこだわりです。
 さう。アニメーションでも、微妙な色分けをするとつぶれてしまうのだな。特に暗い色合ひだと、隣同士が馴染んでお互いに混ざつてしまうのだ。
 と思つてゐたらいつの間にかスカラベオに『赤!?』が加はつてゐた!決して珍しい色ではないと思ふが、スカラベオに赤は斬新だと思ふ。

P.S.
 さうさう。オチ(?)がありまして、漢字間違へられてしまつた。
 『郎』の字です。漢字を使ふのが久しぶりなんで、やはりか!と思ひました。
 アンケート用紙に書いた字が汚かつたんだらうな‥‥。

忙しぶつてゐる間に2007年02月16日 20時58分21秒

 昨年、10月頃から年末へと、さも一生懸命仕事をしてゐる振りをしてゐる間に「おっといけねえ」的な(つまり自分にとつて)出来事が2つあつた。
 2つといふのは、あくまでも現段階で発覚してゐるものであつて、他にまだあるかも知れないが、とりあえず2つだ。
 ひとつは、11月にロバートアルトマンが亡くなつた。別に、知り合ひでもなんでもないので、そのとき訃報を知れなかつたから、だうかうはないのだが、でもなんとなく残念なんだ。何年か前、好きな役者のオリバーリードが亡くなつた時も7〜8ヶ月後に知つて「いつの間に!」と、さみしい思ひをした。
 ロバートアルトマンは好きな監督だ。しかし、作品を見るのは結構大変なんである。さういへば以前にも書いた事があるかも知れないが、なにしろ、公開が地味で、それこそ注意してゐないと「あっ」といふ間に終はつてしまうのだ。それどころか、そもそも公開されない事なんかもあつて(ここ10年ぐらいの作品はだいたい公開されてゐるみたいだが)とにかく油断大敵なのだ。近場では「バレエカンパニー」を見逃してゐる。これは、そこそこ長くやつてゐたやうだが、映画館がちよつとな〜。といふよけいな気持ちが邪魔をしたかも知れない。
 とにかく、この人の映画は油断ならないのである。めっぽう面白いかと思ふと、極限まで眠たい作品もある。(何故かポールニューマン主演の2作が、睡眠導入効果抜群!)究極に仮借ない演出で、見てゐるうちに神経衰弱になつてしまう作品もある。(「三人の女」「ゴッホ」)全く笑へないコメディや意図不明、でも眠れない(「突撃!OCとスティッグス」「ベースメント」)びつくりするほど普通の作品(「相続人」)などなど、心して見ないといけない。
 そんな見るのが大変な人の作品だが、ぼくは結構見てゐる方ではないかなと思ふ。(いや、全作品見てゐる人も大勢ゐるとは思ひますが)おそらく大別すると『マッシュ』からアルトマン一筋の人と『ザプレイヤー』以降の人に分かれるのではと勝手に想像します。
 それで、ぼくはどちらでもありません。
 「マッシュ」は、よくわからなかつた。まだ子供だつたから。後年DVDで見て(わぉ、最近ぢゃん)アルトマンの『真ん中路線』の作品だとわかりました。
 それ以前の作品は置いといて、その後の作品(バードシット)は未だ見られず『ギャンブラー』に行きます。この作品が、取つ掛かりといふことになるんでせうか?「不思議な」といふか「変はつた」といふか、「違ふ西部劇」でした。雪の中のウォーレンビーティが、印象的。
 その後、数作品ありますが、タイムリーには見られず、そして、あの日がやつてきます。1977年だから、もう仕事始めてたかしら?5月2日文芸座『大統領の陰謀』と2本立て、集客的には『大統領‥‥』がメインかな〜。
 でも、ぼくを揺るがしたのは『ナッシュビル』でした。
 作品についてだうかういふの苦手だし、伝へにくいし、その時の状況(行動?)を説明します。
 軽くね。
 ま、とにかく見たの。『大統領‥‥』『ナッシュビル』の順番で。
 で、ブッ飛んでしまつたのね。
 そして、映画館を出たんだけど、新宿でもやつてたの。名画座ミラノ(現在シネマミラノ)で。ここは1本立て。そこで、また見ましたのよ『ナッシュビル』その日の最終だつたんだけどね。
 で、またさらに新たにブッ飛んだのね。
 そこで、あることに気づくのね。大した事ぢやないんだけど、文芸座のチラシを確認するとさ、まだ『ナッシュビル』の最終に間に合ふのよ。文芸座つて凄い映画館だつたな〜。いまでいへばレイトショーの時間まで繰り返し上映してたました。いつもいつも。
 だから、新宿からまた池袋に戻つて文芸座で見たのさ。
 そして、そこであることに気づいたのだ。
 一番前の座席で録音出来る!
 ああ‥‥犯罪だ‥‥。今思へば‥‥といふかなんといふか‥‥。
 今の自分の職業を考えると複雑な気持ちでありますかな。
 三日後、準備万端整えて(当時はビデオなんてありませんぜ。だから罪は軽い!?)再びといふか三たび?いや四たび?ま、文芸座的には三たび。
 カセットレコーダーを抱へて、わざわざ最終回に(他の回だと人々の出入りが激しくてうるさいのだ)一番前の座席に陣取つて録音しながら見たのだ。
 ただね。この映画2時間40分あるんだよね。
 おお〜〜。120分テープで足りないのさ。表、裏、次のテープと都合3回、ガシャコンガシャコン入れ替へしたといふことぢやね。
 しかし、英語わからないのに録音してどうするつもりだつたのか?
 そして、そのテープはその後どうなつたのか?
 わからないのだ。
 この映画、音楽の権利問題がむづかしのか?いまだソフト化されないのだ。
 アメリカではレーザーディスクが出てゐて(ま、今は廃盤でしょ)なんと脚本家のミートリバーが持つてゐて(この男はなんでも知つてゐるし、なんでも持つてゐるといふ恐ろしい奴なんだが)数年前借りて見た。英語判らないけど、やはり面白かつた。大体この映画は1度や2度見たぐらいでは、見たとは言へないぐらいのものだから、見るたびに面白いのだ。