葡萄から1ヶ月2007年10月26日 21時26分56秒

 何かと申すと、秋のツーリングからはやひと月と数日の時が過ぎてしまつた。
 「はや」といふ驚き、感慨は、当人だけのもので、そんなの関係ない人々ばかりではあらうが、ツーリングはともかく、何何からとか、あの出来事よりとか、記念すべき日よりはやひと月といふ方々はきつと居られるだらうと思ふ。
 ぼくは、何かといふと「早」年月と思つてしまうのだが、これも癖なのか性分なのか、へたをすれば本年2007年には10月といふ月があつたのか否かなんて思ふこともしばしば。
 つまり、発端も何もさほど関係なく月日の流れを早い物と思ふのが好きなのかもしれぬ。しかし、わざわざけふツーリング日を基軸にしたかといへば、はた!さういへばツーリングで撮つた写真をまだ並べてゐなかつたことに何故か突然気づいたからに他ならぬ。
 確か芒とした密所の写真を紹介したが、あれではツーリングの何が何なんか判らない。さて、どうしたものかと考えたが、そもそもいつもなら浮かれ喜びただただ並べるものを、何故(なにゆえ)に今まで忘れてきてしまつたのかと、さらに踏み込んでみたところ、その理由あきらかとなつた。
 あの日、電話付きデジタルカメラを含めカメラ4台、しかも、すべてに撮影途中のフイルムが入つて(むろんデジタルものは範疇の外)おり、撮り切つて現像に出すといふ計画性の元に持つて行つたわけだ。
 つまり、フイルムは3本。しかし、現像に出したのは2本。
 早い話、撮り切るつもりのうち1本1台のカメラはまだ途中のまま、次の機会に撮り切りチャンスがゆだねられ、その機会いまだ訪れぬまま、その思ひは忘却の川に流れてはやひと月となつたといふのがことの次第。
 今確かにぼくの斜め後ろに、カートリッジ式フイルムをはめられたBEEなるトイカメラが埃(ほこり)までかぶつて静かに佇んでゐる。
 もはや何を撮つたかも覚えておらぬゆえこれはぜひとも急ぎ撮り切りたちところだが、このカメラ夜間、曇天、日陰にいささか向いておらぬものなので、台風とあればなおさらか。
 また忘れぬやうせねばならぬ。