マルタの鷹で茶をにごす?2008年05月18日 11時07分53秒

 本来ならば、『血の収穫』の続きで行きたいところですが、思ひ込みと記憶の摩耗の中で、続ける事に疑念を感じ、これはもう『ガラスの鍵』を読み直すしか無いと結論がでました。
 『ガラスの鍵』は、ハメットの中で一番好きな作品で(本当か〜〜!?)創元推理文庫版と、新訳のハヤカワ版を両方を読んでおります。(本当か〜〜!?)
 が、己にかうまで確信が持てなくては、意味が無い。
 それから、何故『用心棒』と『血の収穫』の関係にこだわつてしまうのか、いや、こだわつてしまつたのか?
 その辺の理由も整理しつつ、また会ひませう。
 といふことで、けふは『マルタの鷹』

 the maltese falcon (マルタの鷹)
 ダシールハメット(dashiell hammett)
 創元推理文庫 1961年8月25日初版 1976年1月16日14版
 村上啓夫(むらかみひろお)訳
 カバー 日下弘

 きっかけは、村上春樹の新訳『ロンググッドバイ』(定番の清水俊二訳は『長いお別れ』)からなのだけれども、昨年10月後半から12月あたり、集中してハードボイルドを読み直した。
 だから、本来はその頃のブログが、ハードボイルド特集になつてしかるべきだつたのだが、実際に書くつもりもあつたのだが、実行してない。特に理由もない空白の日々。
 それを今頃、書き始めたことにも理由はない。
 このところ、部屋の片付けもせず、いよいよ世に言ふ『片付けられない女たち』の部屋になりつつあつたので、少しだけ整理を始めたところ、本棚から取り出して読み直した本たちが、バラバラと本棚に戻る事もなく平積み(!?)されてゐて、つまり、それは本棚に戻されるべき本たちで……。
 やはり、書いとくか……と、思ふに到つた。
 ただ、読み返したといつても、ハメットは『血の収穫』と『マルタの鷹』、ネオハードボイルドと呼ばれるドナルドE.ウエストレイク『殺しあい』以外は、全部ロスマクドナルド。肝心のチャンドラー『長いお別れ』を読み返してなかつたりする。
 それの最大の原因は、あるはずの本が見つからないといふ極めて単純なことだつたりする。
 捨てるはずはないのだが……。

 ハメットが2冊で終はつてゐるのは『ガラスの鍵』が好きだからである。好きなものは後にとつておく主義?
 そのわりには好きなマクドナルド(これだとハンバーガー好きに聞こえてしまう?)を集中して読んだりしてゐるが……。
 多分、おそらく、読み返したハメットの二冊に、想像を絶した衝撃を与えられたからだと思ふ。
 何度も書くけれども、以前読んだことがあるとは思へない新鮮さと面白さ。
 『血の収穫』は一人称で語られる本人の傍若無人さ、展開の豪快さに「なんぢゃこれは!」と何度も口にした。
 こんなに凄い小説だつたんだと、いまさら……遅ればせながらに思つた。30年前にはさほど思つてゐなかつたのだ。
 でも『マルタの鷹』から受けた想像を絶する衝撃はいささか違ふ。

 また映画の話になる。
 映画『マルタの鷹』は何本かあるやうだが、有名なのは1941年(日本公開は1951年らしい)のハンフリーボガード主演のものだ。
 見たのは、もちろんテレビの洋画劇場だ。その映画の印象が強かつたために、後に小説を読んだときにそれほど衝撃を受けなかつたとしても仕方ないかもしれない。映画はかなり原作に忠実だつたと思ふ。主人公の迫力も同じだ。
 『血の収穫』は一人称で語られるが、こちらは違ふ。主人公の名前も冒頭一行目でその要望とともに明かされる。
 そして、一人称でない分、さらに強引さを増してゐる。気をつけてゐないと、何を頼りにしてよいのか判らなくなるのだ。
 ほとんど会話で話が進んで行くのだが、なにしろ信用の出来ない奴らばかり出てきて、嘘とごまかしと策謀で、しゃべりまくるのだ!まともな奴はゐないのか!?
 もしかするとこの人はまともかしら?と思へるやうな奴が出てきても、こいつは何の裏付けもなく自分の感性のみ、自分の思ひ込みだけで話すやうな奴だつたりする。
 はつきり言つて、なにがなんだかわからない、何もかもが不明、ひとつだけ確かな事は、全部悪い人といふぐらいの状態のまま(つまり場合によつては読者置いてけぼり?)がんがん進んで結末は……。有名かも知れないが書くのはやめておかう。

 てな、衝撃を受けたんである。
 『血の収穫』は、こんなに面白かつたんだといふ衝撃。
 『マルタの鷹』は、こんなに滅茶苦茶だつたんだといふ衝撃。
 これでは、三冊目の『ガラスの鍵』に手が出せなくても仕方あるまい。
 でも、自身の思ひ込み問題点を明らかにするためには、読まねばならないのだ……。

コメント

_ パパァ~ん ― 2008年05月27日 17時59分22秒

お久しぶりッス!っていうか、ブログ再開うれしいッス!って、ブログのタイトル変わってます?
再開したからには、いっちょコメントでも書いてみるかと思って早2ヶ月。え~腰の調子はどうですか?
もう完治してそうですね。
時が経つのは早いもので、この前床屋に行ったら、5ヶ月ぶりですね。なんて言われてしまいました。
せめて3ヶ月ぶりと言ってほしかった。脳内時間とのギャップがっ・・・
本文とも全然関係ない内容で、文書も破綻してきたので、すいませんこの辺で。
ブログの写真のピントが妙に合っているもの、時間の経過ですかね?

_ パパァ〜ん様 ― 2008年05月29日 13時16分11秒

久しぶり!
腰はなかなか完治せずです。
時の経つのははやく直りは遅く、困つたものです。
ブログの写真のピントがよく見えたりするのは、多分デジタルの技だと思ひます。

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