川の間をたどって9 ― 2015年01月21日 21時32分34秒
第九回
さて、アメリアッチに始まり、長い年月をかけて川の間をたどってきたが、2009年とうとう『Entre Rios』にたどりつく。
直訳すると" Between River"(川の間)です。
タイトルの意味はここにあったということで、まあ、これがオチです!?
エントレリオス(Entre Ríos ←スペイン語表記)は、アルゼンチンのバンド。アルバム名も「ENTRE RIOS」(ライナーをめくっても大文字表記しかない。ちなみに発表は前年の2008年)
初めは「感じいい」ぐらいしか思っていなかったのですが、聴けば聴くほど味が出る!!
そして、ここから「今一番好きな音楽は?」「アルゼンチンポップス!」と言い続けて現在に至ります。
もちろん他の音楽も聴かないではないのですが、ひたすら探し続けては聴いているという事態は重くみなければいけない(!?)
その切っ掛けでもあり、未だに一番好きなエントレリオスの「ENTRE RIOS」
一体、何故、ここまで気にいってしまったのか?
それを探求するのが「川の間をたどって」の本題です。
おお!やっと始まった!
というか、ここまでたどってくれば自ずと答えは見つかるだろうと思って、だらだらと続けてきたわけです。
果たして見つかったのか?
それは最初の「アメリカン+マリアッチ=アメリアッチ」が、すでに答えだったような気もする。
クロスオーバー、フュージョン、ラテンポップス、ロドリゴとガブリエラ(←ジャンルかっ!?)などなど、混ざり合ったものに惹かれてきたのではないかと想像できる。
しかし、前知識なくエントレリオスを聴くと、おそらく「普通のポップス」に聞こえるのではないだろうか。
歌詞がスペイン語であることだけが違うけど、ラテン系の音楽か?と聞かれるとそうではない…。のじゃないかな…。
音楽には耳に直接聞こえる部分と、知らず知らず体内に染みこんでくる部分があるのではないか?
と、思わずにはいられない。
とにかくアルゼンチンはブエノスアイレスを中心にしたポップス掃討作戦は始まった。(!??)
なにしろ情報が少ない。というか、日本語での情報が少ない。
ディズニーやアメリカの情報はあふれているけど…(この項目が並列されている基準が理解しがたいだろうが…)
アルゼンチンのポップスシーンなんてどう調べるの?って感じ。
HMVでも、その深いところを探ってゆくのは大変なんだが、この「ENTRE RIOS」というアルバムを輸入販売しているのは「大洋レコード」というところであった。

こちらのショップ(?)のポリシーは『非』英語圏の音楽を紹介販売していきたいというものだ。
店は神楽坂にある。
情報集めは主にホームページで行った。
この大洋レコードさんが「ENTRE RIOS」のCDに貼り付けた紹介文によると、3年ぶりのアルバムであることがわかる。
そりゃあ、もう、大至急前のアルバムも手に入れなきゃ。
と思いつつ、でも大洋レコードさんでは売り切れてたりして(そんなに大量には仕入れられないですから!そもそも流通している数が少ない。その辺が、ディズニーやアメリカと違います)
だけど、幸いなことにiTune Store にあったので、ダウンロードしました。
ところで、探すにあたって意表を突いた面倒ごとにもあいました。
「面倒ごと」はもちろんオーバーですが。
Entre Ríos で検索すると、真っ先にアルゼンチン。エントレリオス州が出てくるのです。
エントレリオス州というのは、ブエノスアイレス州の北に位置して、東側は隣国ウルグアイとの国境になります。
(初めて知ったことですが、首都ブエノスアイレスは、ブエノスアイレス州の「中」になりますが、ブエノスアイレス州ではないそうです。首都は特別区という独立した存在)
エントレリオス州は、グアイキラロ川、パラナ川、ウルグアイ川(国境)に囲まれて川の間にあるのでその名がついているということです。勉強になりますね…。
でもなぜ Entre Ríos がエントレリオスという名前にしたのかはわかりません。(ややこしい!)
バンドの出身を見ると、ブエノスアイレス(多分首都のこと)とありますので、メンバーの誰かの出生地なのでしょうか?
スペイン語の情報を隅から隅まで解読すればどこかに書いてあるのかも知れませんが、一番好き!とかいいつつそこまでの根性を持ち合わせていないのが私ってやつです。
ただアントレリオス州を調べてみると面白いのは、1820年に独立国だったなんてことが書いてあります。(反骨精神?)
2011年に出す「ERA」というアルバムを聴く(見る)と、迫るものがあります。
「ERA」というのは「時代」というほどの意味らしいですが、文明、歴史、秩序みたいなものを踏まえた上での「時代」なのかな、なんて思います。想像だけですが…。
そして、ジャケットはこれです。
(上下間違えたわけではありません)
歴史学者の網野善彦さんが「日本地図を逆さまに見ることでいままで見えてなかった歴史の真実が見えてくる」みたいなことを何かの本で書いていた(←記憶曖昧すぎ!すみません!)ことが脳裏に浮かびました。
世界中の人々が、生まれた時からこんな世界地図を見ていたとしたら…。
北(North)をイメージした時に、「上」ではなく「下」が浮かぶ世の中だったら…。
もちろん収録されている曲たちは、そんな怖い、攻めてくるようなものではないです。
優しく、どこか切ない曲たち。
エントレリオス州の州都である「Parana(パラナ)」という曲もあります。(歌詞の内容は分かりません)
なによりもこのアルバムを最後に活動停止しちゃうんです。
悲しい!
川の間をたどって「第二部」へつづく(ええ〜っ!?)
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