川の間をたどって6 ― 2015年01月09日 22時16分41秒
第六回
1985年から、東京国際映画祭というものが催されるようになった。
初めは2年に1回催されていたが、1991年から毎年行われている(筈)(略してTIFFというらしい)
協賛企画として、東京国際ファンタスティック映画祭というのも同時に(協賛だもの)開催されていて、これがまた楽しい映画祭だったが、調べたところ2005年を最後に行われなくなった。
映画好き催し物好きだった私は、足繁く通い、朝から晩まではしごした。
東京国際映画祭のいいところは、例えばスリランカであるとか、ボリビアであるとか、カザフスタンとか、普段中々お目にかかれない国の映画を見ることが出来ることだ。
(なんだけども…。TIFFの公式サイトらしきところを調べてみたら、アーカイブに映画のタイトルと、スタッフ名などはのっているが、制作国名がない!これは「映画に国境はない」ということなんだろうか?あるいは、無くなってしまった国があるから、乗せられないのだろうか?よくわからない…謎である)
また、東京ファンタはB級映画好きにはたまらない作品群が多数並び、それがパンテオン(今はもう無い映画館)の大画面で見られるという素敵な映画祭だった。第2回で上映された「モンスターインザクローゼット」は日本上映用タイトル募集をしていて、もちろん応募した。「暗闇の悪魔」という何故?というぐらい真面目なタイトルに決まってしまったが、私の出した「勝手におしいれ!」というタイトルは、残念賞みたいなのをもらった。(いや、何ももらってないけど、名前がのった)
と、なんだか本来の「川の間をたどって」から大きく外れてしまった。
全く別の流れになってしまったかのようだ。
前置きが長くなりすぎてしまったのだ、それほど夢中になった東京国際映画祭だが、最近はとんとご無沙汰だ。
最近というか、昨年が第27回というから驚きだ。私は多分第10回以降、1〜2回、しかも数本みたぐらいだろうか…。
まあ、あきちゃったのか…。行かなくなり始めは多分忙しかったのだと思うけど、ちょっと離れるとさらに遠のくものであるね。
ピークは「モンスターインザクローゼット」の第2回だろうね…。って、早すぎるだろ!って感じだが、第2回には、東京国際映画祭協賛ではない、東京国際ファンタスティック映画祭ですら「非公認(!?)」の「死霊の盆踊り」が、公開された時でもあるのだ。映画館の名前忘れちゃったよ…。大昔「全線座」があったあたりだと思うんだけど…。もちろんさすがに小さめの映画館。
見たよ。
つまりあの映画を映画館で見た数少ない人の一人だよ。
と、まずい!
本筋に戻れなくなってしまった。
というか、まだ始まってない!
さてさて、先ほど第10回以降と書いたが、それは、第9回に覚えがあるからなのだ。(第10回は、見てないと思う)
そして、これも先に書いたとおり「普段見られない国の映画が見られる」という前提を念頭に置きながら…。
第9回(1996年)「フェティッシュ(Curdled)」を見た。
先に書いちゃうとこれアメリカ映画です。確かに冷静に考えれば作りがアメリカ映画、少なくともコロンビア映画ではない。
が、南米のどこかの国の映画(かなりの確率でコロンビアの)だと思っちゃったんだよね〜。
これ内容もいいんだけど、とにかくサントラがいい!
ラテン音楽のオンパレードで、1曲目の「Cumbia Del Sol」から、魂乗っ取られます。(クンビアはコロンビアの音楽)
何度リピートしたかわからない超絶愛聴盤。
それだけでなく、これで、長い間眠っていた(?)ラテン音楽愛好の血が復活してしまったのだと思います。
とはいえ、書いたとおりアメリカ映画だという認識も希薄だったために、その後の展開がややこしくなります。
1曲目、もしかしたら一番好きな曲かも知れないその曲を歌っているのは『The Blazers』というバンド。
当時よく利用した渋谷HMV。探すとすぐに見つかった。
だけど、それはアメリカのロックンロールバンド!
いやあこれは違う。同じ名前の違うバンドだ。と、思ったのだ!
「アメリカ」という単語が頭から除外されていたためにそんなことに!
初っぱなに「クンビア〜」と叫ぶし…。スペイン語で歌ってるし…。
しかも、ホントのホントの最初は「クンビア〜」が「コロンビア〜」って聞こえてたし!!思い込みってなにさ!?
この重大な間違いに気づくのに15年かかります(本当!)
ともあれ、ともかく、このアルバムに収録されているアーティストたちの曲を探しまくる日々がきます。
ざっと名前を挙げると、
Rosana ホザーナと読むらしい。
スペインの歌い手だけど、ブラジルにも同名の歌手がいる。
見つけたのはそっちが先。

(違う方。ブラジルのRosana)
Slash(スラッシュ)は、ガンズアンドローゼズのギタリスト。
ポリスのアンディサマーズにしても、
腕のあるミュージシャンはいろいろなものに参加しているから
不思議はないと思っていた。
Cafe Tacuba (Cafe Tacvba) uでも、vでも読みはカフェタクバ。
あ、vだとタクヴァなのかな?
メキシコのバンド、これは早期に見つけて未だに新譜が出てるし、
今でも聴いてる。
メキシコの歌は、なんか昔のムード歌謡を思わせるところがある。
実際にメキシコの曲は日本に入っていてたんだと思う。
Joseph Julian Gonzalez この人が、映画「フェティッシュ」の音楽。
BGM部分担当ってことです。
アルバムでも、いい幕間になっていて心地よいです。
Pedro Laza Y Sus Pelayeros Yというのは&と同じです。
このバンド探してない!かなり現地色が強い。
ラテンラテンと言い続けている割りに、
本場物を求めていなかったのか!?
La Integración これもだ!
それとも探したけれどCD等が見つからなかったのか?
多分Pedro Laza、La Integración は、コロンビアの人たち。
La Sonora Dinamita これも本場コロンビアの香り濃厚。
録音がちょっと古い感じがする。
HMVで国別に探していたとは思う。見つけられなかったんだ…。
Tulio Zuloaga これもそう。
今、インターネットで検索しながらやっているけど、
Youtubeで、あきれるほどあっさり見つかる。
時代の変遷を改めて感じる。
The Latin Brothers これもコロンビアのグループだけど、
知名度の問題なのか、HMVですぐに見つかった。
でも、1枚で満足した様子。
Los Destellos これもコロンビアのグループ。見つけられなかった部門。
Marta Sanchez 読みはマルタサンチェスだと思う。
スペインの女性ボーカル。
この人のはジャケットがセクシーなんでつい2枚持ってる。
ちょっと話がそれるけど、同姓同名のジャズピアニスト(スペイン)がいて「Lunas, Soles & Elefantes」というアルバムを出してる。同じ名前だというだけで買ったけど、ちょっと緊張感がありつつ、でも自由に揺れる感じが、心地よいジャズ。(トリオです)

(同姓同名の方。Marta Sanchez Trio / Lunas, Soles & Elefantes)
ということで、羅列してわかったことは、大して追跡してないぢゃん!
なので、ちょっと調査、計算してみた。
おそらく「レッツ&ゴー」の劇場版を作っていた頃ではないかと思う。
多分、忙しかったのだろう…、ということにしておく。
ただこのアルバム(サントラ)が、私の超愛聴盤であることにかわりなく、また、The Blazers に対する勘違いは私の好きな音楽傾向を分析する上で(!?)かなり重要であることも間違いない。
つづく。
P.S.
Youtube で簡単に見つかった。
La Sonora Dinamita
「フェティッシュ」サントラに収録されている曲。11曲目。
川の間をたどって7 ― 2015年01月13日 22時23分37秒
第七回
それからというもの(!?※)
(※「それ」は第六回を参照のこと)
HMV(主に渋谷)のワールドミュージック階(何回だかは忘れた)に行っては主に中南米を集中的に試聴しては、買い求めるという行為を繰り返した。
そして、ミレニアム!
2000年に3人+1人の歌手に巡り会う。
(巡り会うと言っても実際に会ったわけじゃないです。って、当たり前だけど念のため)
先に(+1人)についていうと、別に補欠扱いするわけではないのだけど、なにしろジャケットが美人過ぎて、歌よりルックスになびいてしまうという不幸な出会い方をしてしまったというのが、主な理由です。
単純に私がいけないんじゃん…という感じですが…。
タリア(Thalia)というメキシコの歌手&女優です。
「メキシカンポップ」というネーミングが似合う感じの華々しさが特徴。

(Thalia "Arrasando" 2000)
で、残りの3人ですが、まずはメキシコつながりで、
パウリナルビオ(Paulina Rubio)この人も歌手&女優で、実はタリアつながりでもあるというか、10代の時「Timbiriche」というアイドルグループにいて、タリアの方がそのグループのメインポーカルだたちょうです。(読み方は、ティムビリチェでしょうか?)
共に卒業して大活躍しているというどこぞの国のアイドルみたいです…。
タリアの方は、普通に綺麗な声(顔も綺麗…しつこい)で聞き心地がよいのですが、パウリナはハスキーを通り越して「ガラ声」です。だけど、いや、だからでしょうか、印象に残るんです。聴き応えがあるというか迫力があります。
歌は、間違いなくポップスですが、なんか違うのです。思い込みかもしれないけど、「ラテン(メキシカン)」の香りがする。
マリアッチとはいえないけど…、ただ「Pau-Latina(パウラティーナ)」と言うラテンを意識したアルバムも出してます。

(パウリナで一番好き。"Ananda" 2006)
次が、シャキーラ(Shalira)コロンビア!のシンガーソングライター。
結構長い間ペルーだと思っていたが、コロンビアがただしいらしい。ジプシーの家系だとどこかで見た記憶もあるが、間違いかも知れない。この人2000年だと23歳です。その2年前につまり21歳の時「Donde Estan Los Ladrones?」(泥棒はどこ?)というアルバムを出していて、ぼくが見つけたのはこれ。(スペイン語だと文字化けが心配なので普通のアルファベットにしてありますが、Dónde Están Los Ladrones?が正しいです)
当の2000年にはライブ盤があり、これも買っちゃったけど、話し声は可愛いのだけど、歌うと独特の響きが加わり、その「変声」に思わず引き込まれる。似た声があるはずなんだけど、未だに思い出せない!
曲調も「豊富にエキゾチック」スパニッシュだったり、アラブ系だったり、それも、模倣でなく身のうちから出てくる感じが伝わります。もちろん意識してやっている部分もあるでしょう。その後、アフリカンミュージックをとりこみ消化することにも成功しています。と、思います。
パウリナ、シャキーラとスペイン語圏ですね。
その後、二人とも英語の歌詞を歌い始めます。
タリアは、すでに英語の歌を歌っていたようですが、スペイン語圏から英語圏への進出は考えるものなのでしょうね。
私は、語学力がそもそもないので、音色として聴いている部分が濃いと思われます。
どうしても「ラテン」にこだわる身としては「スペイン語の音色」が英語に変わった時に、何かが「落ちた」感じがして、違和感を覚えました。『なんか違うんだよな…』という感触の問題です。
なので、彼女たちの英語の歌は、それほど好きにはなれませんでした。
パウリナはその後、あまり英語にはこだわらないようになりました。(あくまでも想像ですが)
シャキーラは、こだわり続け英語圏侵略に成功します。凄いなと思います。
その間のアルバムはともかく、侵略したあと(私の勝手な判断ですが)のアルバム「She Wolf」(2009)「Sale El Sol」(2010)は、見事としかいいようがない。Sale El Sol は太陽は昇るでしょうか?前向きです。
(2007年にビヨンセとデュエットしてますが、私はビヨンセを知りませんでした。←本当)

(Shakira "Sale El Sol" 2010)
さて、そして、南米の音楽業界が意識しなければならない大事な国はポルトガル語圏のブラジル。
3人目は、ブラジルからマリーザモンチ(Marisa Monte)本当に発音はモンチなんだろうか?
モンテだと信じてたんだが、英語読みなのかな。
最初に聴いたアルバムタイトルは「Memórias, Crônicas E Declarações De Amor」文字化けしてますかね?
このまま英語風アルファベットにすることが困難なので、英語訳すると「Memories, Chronicles and Declarations Of Love」
なんか大人っぽい感じしませんか?
パウリナより4つ、シャキーラより10歳年上です。(ま、歳はどうでもいいんだけど…)
その声から感じるのは「賢さ」「落ち着き」「優しさ」(癒やしとか言わないよ。あえてね)
ソフトでハスキーでマイルドな声。だけど、声量はものすごく、遡って1988年のライブアルバムを聴くとびっくりするほどパワフルな歌声です。そこの深さを感じるというか…。
彼女の歌はジャンルとしては、MPB(Música Popular Brasileira)だということです。古典的(?)なサンバ、ボサノヴァに対して、新しく生まれ育ったポピュラーミュージックということでしょうか?
だけど、彼女の中に古典(?)はあるんじゃないかなと感じます。

(Marisa Monte "思い出、クロニクルと愛の宣言" 2000)※直訳
と、マリーザモンチの良さは置いといて、その後、スペイン語圏の音楽にどんどん引かれていくというか、ブラジルという音楽大国に探究心がわかなかったのでしょうか。開拓されません…。
マリーザモンチも2006年「Universo Ao Meu Redor」「Infinito Particular」の2枚のアルバムを出して以来、新しいものはないような気がします。
なんにしろHMVワールドミュージック階通いは続く。
つづく。
川の間をたどって8 ― 2015年01月19日 22時51分58秒
第八回
もうほとんど「川の間」のゴールは近い。
まあ、ゴールが話の終わりというわけでもないのだが、それはそれとして、今回はたどり着く前に遭遇したものに軽く触れておこうかと…。
思ったのだが…。
「あ!これ!『川の間』っぽくない?」と気づいてしまったものがある。
ヒヲウ戦記の制作から放映の頃だから、2000年ぐらいだと思うのだが、つまり前回(第七回)の頃って事になるが、ちょっと特殊(?)なアルバムに出会った。
どんなものかというと、話はさらに遡ってマクロス7を制作している頃に戻る。
音響さんの事務所に並んでいるカセット(!)の中に、浄土真宗のお経集というのがあって聴いてみた。
おお!侮れないお経!
…って、当たり前か!
そもそも侮ったりするわけないでしょ罰当たりが!
と、その辺は置いといて、中でも「正信偈(しょうじんげ)」というのが気に入って、ダビングして繰り返しよく聴いた。
そして、一気にヒヲウ戦記のころ(幕末という意味ではないよ)神社仏閣その他気になることが増えた時に「そうだ!お経のCDってあるよな」とラテン以外に注目したのがお経であった。
そしたら、いきなりこんなものを見つけてしまった。

「Gyo 行(Sutra meets Samba)」
これは、つまりクロスオーバー、フュージョンの世界ってことじゃないですかね。踊りながらお経を聴く体験。
と、お経のありがたさとサンバの熱気に身をゆだねながら一気にフォークダンスの世界に飛んでみます!?
アイルランドのアコーディオン弾きシャロンシャノン(Sharon Shannon)にも触れておきます。
これは「川の間」ではなさそうですが「Renegade」というアルバムを繰り返し聞いた時期があるので…。
シャロンシャノンという人は、主にトラディショナルな音楽を演奏する人で「フォークダンス」と書いたのは、そんな感じと思っていただければいいなと思って書きました。子供の頃フォークダンスが好きだったという意味ではありません。
ただこの「Renegade」というアルバムタイトルは訳すと「裏切り者」「背教者」ということです!
つまり自分が歩んできたトラディショナルの世界から、はみ出して作ったアルバムってことらしいです。
でも、過激なタイトルからは想像も出来ない心地よく楽しい一枚です。犬も歌っているよ!

多分、そんな「優しい反逆者」みたいなところに惹かれたのだなと思います。
そして、わざわざアイルランドに飛んだからには、アイルランドつながりがあったりして、2008年に過激なアルバムに遭遇。
アルバムは2006年に出ていたみたいで、すでに人気もあったようですが、私は気づくのが遅かった。
HMVで試聴して即買いです。
アコースティックギターのデュオ、ロドリゴとガブリエラ(Rodrigo Y Gabriela)です。

あ、アルバムタイトルも「Rodrigo y Gabriela」
ホント、初めて聴いた時は二人だけとは思いませんでした。
この人たちは、メキシコの人たちで、元々ヘビメタバンドを組んでいたのですが、デュオになって、何故かアイルランドで活動していたという活動がすでにクロスオーバーしている二人です。
ヘビメタをやっていただけあって、ロックのカバーも多くやっていますが、フラメンコと合体した作風、ガブリエラのギターボディパーカッションによるアンサンブルで、身体を揺すらずにいられない。(体力を消費します)
消耗覚悟で来日コンサートにも行きました。
感想は、ガブリエラは可愛いです。(おいおい)
これホント、ジャケットの写真よりずっといいです。(話し方もあるけど…)
と、音楽とは関係ないことを言いつつ、ロドリゴの音楽追求はやまず(こじつけだけどフュージョン精神ね)2012年に「Area 52」というアルバムを出します。
これはキューバのオーケストラとのコラボレーション。
アコースティックギター弾いてきたところへ、ピアノ、ブラス、ストリングス!
アコースティックギター叩いてきたところへ、本物の(!)パーカッション!

初期(アイルランド時代?)にシンプルなバイオリンとのセッションもあったんですがね、このキューバンサウンドにはやられました。くるところに来たぜって感じ…。融合に融合を重ね、どこまでいくのでしょうか?
つづく
久々にP.S.
Rodrigo y Gabriela「Wish you were here」(←ピンクフロイド!)
Youtubeでこれを見つけた時には、震えました。
ロドリゴとガブリエラはギターデュオで、歌は歌わないのですよ。
歌っているのは観客です。
ロドリゴとガブリエラのライブで、観客がピンクフロイドの歌をちゃんと歌っているって、やっぱ凄いよ!
ちなみに私の行った日本公演ではやりませんでした。
さすがに日本人で歌える人なかなかいないよね。(実はその後、練習しました歌う機会ないけど…)
川の間をたどって9 ― 2015年01月21日 21時32分34秒
第九回
さて、アメリアッチに始まり、長い年月をかけて川の間をたどってきたが、2009年とうとう『Entre Rios』にたどりつく。
直訳すると" Between River"(川の間)です。
タイトルの意味はここにあったということで、まあ、これがオチです!?
エントレリオス(Entre Ríos ←スペイン語表記)は、アルゼンチンのバンド。アルバム名も「ENTRE RIOS」(ライナーをめくっても大文字表記しかない。ちなみに発表は前年の2008年)
初めは「感じいい」ぐらいしか思っていなかったのですが、聴けば聴くほど味が出る!!
そして、ここから「今一番好きな音楽は?」「アルゼンチンポップス!」と言い続けて現在に至ります。
もちろん他の音楽も聴かないではないのですが、ひたすら探し続けては聴いているという事態は重くみなければいけない(!?)
その切っ掛けでもあり、未だに一番好きなエントレリオスの「ENTRE RIOS」
一体、何故、ここまで気にいってしまったのか?
それを探求するのが「川の間をたどって」の本題です。
おお!やっと始まった!
というか、ここまでたどってくれば自ずと答えは見つかるだろうと思って、だらだらと続けてきたわけです。
果たして見つかったのか?
それは最初の「アメリカン+マリアッチ=アメリアッチ」が、すでに答えだったような気もする。
クロスオーバー、フュージョン、ラテンポップス、ロドリゴとガブリエラ(←ジャンルかっ!?)などなど、混ざり合ったものに惹かれてきたのではないかと想像できる。
しかし、前知識なくエントレリオスを聴くと、おそらく「普通のポップス」に聞こえるのではないだろうか。
歌詞がスペイン語であることだけが違うけど、ラテン系の音楽か?と聞かれるとそうではない…。のじゃないかな…。
音楽には耳に直接聞こえる部分と、知らず知らず体内に染みこんでくる部分があるのではないか?
と、思わずにはいられない。
とにかくアルゼンチンはブエノスアイレスを中心にしたポップス掃討作戦は始まった。(!??)
なにしろ情報が少ない。というか、日本語での情報が少ない。
ディズニーやアメリカの情報はあふれているけど…(この項目が並列されている基準が理解しがたいだろうが…)
アルゼンチンのポップスシーンなんてどう調べるの?って感じ。
HMVでも、その深いところを探ってゆくのは大変なんだが、この「ENTRE RIOS」というアルバムを輸入販売しているのは「大洋レコード」というところであった。

こちらのショップ(?)のポリシーは『非』英語圏の音楽を紹介販売していきたいというものだ。
店は神楽坂にある。
情報集めは主にホームページで行った。
この大洋レコードさんが「ENTRE RIOS」のCDに貼り付けた紹介文によると、3年ぶりのアルバムであることがわかる。
そりゃあ、もう、大至急前のアルバムも手に入れなきゃ。
と思いつつ、でも大洋レコードさんでは売り切れてたりして(そんなに大量には仕入れられないですから!そもそも流通している数が少ない。その辺が、ディズニーやアメリカと違います)
だけど、幸いなことにiTune Store にあったので、ダウンロードしました。
ところで、探すにあたって意表を突いた面倒ごとにもあいました。
「面倒ごと」はもちろんオーバーですが。
Entre Ríos で検索すると、真っ先にアルゼンチン。エントレリオス州が出てくるのです。
エントレリオス州というのは、ブエノスアイレス州の北に位置して、東側は隣国ウルグアイとの国境になります。
(初めて知ったことですが、首都ブエノスアイレスは、ブエノスアイレス州の「中」になりますが、ブエノスアイレス州ではないそうです。首都は特別区という独立した存在)
エントレリオス州は、グアイキラロ川、パラナ川、ウルグアイ川(国境)に囲まれて川の間にあるのでその名がついているということです。勉強になりますね…。
でもなぜ Entre Ríos がエントレリオスという名前にしたのかはわかりません。(ややこしい!)
バンドの出身を見ると、ブエノスアイレス(多分首都のこと)とありますので、メンバーの誰かの出生地なのでしょうか?
スペイン語の情報を隅から隅まで解読すればどこかに書いてあるのかも知れませんが、一番好き!とかいいつつそこまでの根性を持ち合わせていないのが私ってやつです。
ただアントレリオス州を調べてみると面白いのは、1820年に独立国だったなんてことが書いてあります。(反骨精神?)
2011年に出す「ERA」というアルバムを聴く(見る)と、迫るものがあります。
「ERA」というのは「時代」というほどの意味らしいですが、文明、歴史、秩序みたいなものを踏まえた上での「時代」なのかな、なんて思います。想像だけですが…。
そして、ジャケットはこれです。
(上下間違えたわけではありません)
歴史学者の網野善彦さんが「日本地図を逆さまに見ることでいままで見えてなかった歴史の真実が見えてくる」みたいなことを何かの本で書いていた(←記憶曖昧すぎ!すみません!)ことが脳裏に浮かびました。
世界中の人々が、生まれた時からこんな世界地図を見ていたとしたら…。
北(North)をイメージした時に、「上」ではなく「下」が浮かぶ世の中だったら…。
もちろん収録されている曲たちは、そんな怖い、攻めてくるようなものではないです。
優しく、どこか切ない曲たち。
エントレリオス州の州都である「Parana(パラナ)」という曲もあります。(歌詞の内容は分かりません)
なによりもこのアルバムを最後に活動停止しちゃうんです。
悲しい!
川の間をたどって「第二部」へつづく(ええ〜っ!?)
最近のコメント