The Zig Zags & 2H Vol.4 ― 2015年02月27日 20時19分30秒
9月に挿入歌、10月にBGMと快調に収録は進み、さらにエンディング曲もやることになったThe Zig Zags。
さすがにエンディングに関しては、OVAプロジェクト側からも意見が出るだろうからと、慎重に曲作りに取り組みました。(ぼくが取り組んだわけではないですが…)
編成のイメージも伝えるため、まだ慣れていないコンピュータミュージック(シーケンサー?)を駆使してデモ作りに挑戦した加藤則子さん。
あれこれ苦労してもらいました。
でも、結局ピアノスケッチが一番イメージを伝えてたりして…、デモだからラララでも良いから歌っちゃえばいいのではないか、なんて気軽な意見も出したりして…。
(加藤則子さん、楽譜変更中…)
そう。
昨今は、とにかく作り込んだデモ曲が多いのだけど、以前は生ギター一本で作曲者自ら適当な歌詞で歌うというのがよくあって、ぼく自身その方が慣れている。というか、感情はその方が伝わりやすいと思ってます。
何をアピールしたいのかにも寄るけど、編成がしっかりしているデモって、その完成度に満足しちゃって本質を見失いそうな気がする。
まあコンペとなれば戦略も大事だから、勝ち残るためには、密度で攻めて裸を見せないっていう作戦もあるとは思う。
まあ、そうは思うけど…、出来ればモロ出しで勝負して欲しいなと本音。
(リハでの川村成史さん)
しかし、そうもいかないのがけふこの頃、いろいろな人が聴くので、生ギターと適当な歌では「安っ!」と思われてしまうこともあるのだ。専門外の人も聴くからね。こんなことが本当は生きの良い芽をつぶすことにならぬよう切に願います。
なんてね。
とはいえとはいえ、今回は曲作りをしないぼくも提出側の気分だったので、より慎重に構えてました。
そして、作って貰ったデモ(コンピュータで作った奴)の中から選び出したものと、ピアノスケッチを織り交ぜ「こんな感じです」みたいなファジーなコメント付きで先方に送って聴いて貰う。
しかし、なんというか、こちらの緊張をよそに、結果としては「お任せします」ということに!
おお!なんにしろ良かった!ってな感じで、
そして、12月の始め収録。
もちろんというか、リハーサルも含んで1日で完成予定。
まあ、ぶっつけ本番みたいなものだよなと思う。
ぼくは全然心配していなかったけど、みんな結構真剣。(当たり前かっ!)
これは、つかみ合いのケンカでも始まるのではないかという緊張感の中、リハーサルは行われた。
(恒松あゆみさん。声優だから、のどを守らないとね。
しかし、予習でもしてきたんだろうか、よくいきなり歌えるなと思う)
(北尾直樹さん。考え中)
まあなんというか、リハスタジオの時間切れもあり、なんとなく方針が決まったところで、みなで食事に行った。
そこいら辺の写真はありません。
で、本番。
なのだが、実は方針がまとまってなく…、録音の方に「リハしたんだよね?」と言われる始末。
ありゃぁ〜!って、大笑いしつつ、そこはまあミュージシャンの魔力で、なんとかなりました。
って、いうか、そうでなきゃ困るけど、さすが、本番に強い人たちだった。
歌も、歌詞の一部が物議を醸し出し、あわや中断か!?
という事件もありましたが、聴いているうちにOKというファジーな乗り越え方をして、事なきを得ました。
(ボーカルブースはとても狭いので、密室内での撮影は避けたんです…)
それでは、聴いて下さい。
本編エンディング用短縮版です。
(ついでに絵コンテ撮影+αの制作過程エンディング映像も楽しめます!?)
The Zig Zags & 2H Vol.3 ― 2015年02月22日 04時26分55秒
さて、今度はBGMだ。
全体のスケジュールが曖昧なまま、しかし、録れる時に録るのだという強引な論理で、事態は進む。
基本設計は、挿入歌のメロディバリエーションプラスαなんだが、ぼくとしては、なによりもセッションに期待することころ大で、全部アドリブでもいいんじゃね〜かぐらいに思っていたが、さすがにそれでBGMは出来んだろというか、何から始めていいのかも判らない。
作曲者演奏者にしてみれば???の世界になってしまうので、急遽、何の打ち合わせもなく録音監督に音楽メニューを作って貰う。シナリオは3本全部、絵コンテは1本だけ上がってた状態だったかな…。
いきなり応じてくれた録音監督様ありがとうございます。
と、言ってもこのブログ見てないと意味ないけど…。
そして、そのメニューをあれこれ整理して(話数ごとにメニューを作って貰ったので30曲ぐらいはあったと思いますが、15曲ぐらいにまとめて)加藤則子さんと打ち合わせを…、ん?…したっけな?
忘れてしまった…。
ま、とにかく、短い期間で加藤さん一気に作曲。元々クラシックをやっていたので楽譜は朝飯前?
もちろん収録は1日。
3人で全部やる。
まあ、昨今は音源を駆使し1人で交響曲を作ってしまうので、人数だけでいうと3人→多い!?のだろうか…。
いや、いやいや、いいたいことはさういふことではなくて「3人で奏でる音楽」という風に捕らえて欲しい。
多少かぶせたりもするけど(ベースとギターが一人なので、さすがに一発録りでは…)ほぼライブ感覚で録ったというところが売り(!?)です。
(音はいろいろ。川村さんはこれで世界を回っている)
尺(長さ)の都合もあり、クリック(メトロノームと思ってください)も使いましたが、3人の呼吸でやりました。
楽器ごとに部屋が別れているので、なかなか呼吸を合わせるのは難しかったでしょう。
もちろんピアノソロ、ギターソロなんかは完全に演奏者のテンポです。
(前回もこんな写真でしたね…。
密室ギリギリにおおきなグランドピアノが入っているので、なるべくフレームに入れたいという欲望がどうしても…)
(実はギターを始めて1年ぐらいだった?)
ああ、そうそう。
ありました。
完全アドリブ、テンポお任せ。
これはピアノは参加せず、ベース(北尾直樹さん)とドラム(川村成史さん)の2人で。
しかも!?この日の収録曲中最長3分22秒(だいたい1分前後、長く欲しいので2分半というオーダーをしたつもりが…)になりました。
これがセッションに良さだよな〜なんて思いました。
放置プレイ!
なんだかんだで20曲ぐらい録った気がする…。
挿入歌バリエーション以外も聴き応え有りです。
それはそうと、この日は The Zig Zags 重要会議が開かれました。
というか…恒松さんがいるということは、歌も録ったんだっけか…。
もしかしたら、前回コーラス部分を録り残したのかも知れません。
なにしろもう一年数ヶ月前のこと…忘れました。
まあ、それはそれとして、会議です。
今日で終わりじゃない!
OVA「ふたりエッチ」エンディング曲もやってもらうことになりました。
やるぞ!
って感じで、
リーダーを責めたり、
なぐさめたり…?
エンディングは、挿入歌よりもスローにしたいな…。
なんて大雑把な発注の元、加藤さんのデモづくりが始まります。
つづく。
※ そういえば、ダウンロード出来るのは挿入歌とエンディングだけなので、BGMが聴きたい人は、DVDを買うしかありませんね。
The Zig Zags & 2H Vol.2 ― 2015年02月19日 19時43分47秒
ということで、挿入歌は4曲に決定。
3本のOVAで4曲とは贅沢だぜ。
各話エピソード合わせでそれぞれ1曲ずつ、全話通してテーマ的に1曲。理想的だ。
さらにエンディングもね。というところがだが、まだこの時点では諸処の思惑が茫洋と漂いどうなるかは判らない状態だった。
なんにしろ、まずは4曲だ。
そして、お願い事として、普段演奏しているものよりも少しPOPにして欲しいな、少しね。なんてことを伝えて。
短い期間でデモを作ってもらった。
また、すでに出来上がっているけど温存中の The Zig Zags ライブラリーなんかも聴かせてもらった。
図々しいといえば図々しい。
あ、それから、突然ですが、「ふたりエッチ」で、The Zig Zags に音楽をお願いするという件で、ご尽力いただいたみなさんありがとうございました。…って、このブログ見てないと伝わりませんが…。
アニメーションのスタッフ一同には、挿入歌を作ってもらうということであれこれ進めておりました。まあ、ぼくが勝手に…。
同時にといいますか…、ぼくのなかでは、当たり前のようにBGMもセットになっていました。
ピアノトリオでBGMです。
昨今のやたら弦だオーケストラだみたいな「大ごと主義」には、いささか…ってね。多くは語りませんが…。
加藤則子さん(リーダー、ピアノ)
もちろんというか、アニメーションの音楽は、初めての人たち。
リーダー加藤則子さんとその辺も打ち合わせ。
絵に音楽を乗せるってのはこんな感じ…、みたいなファジーなモノですが。
The Zig Zagsには、割りとゆったりした良い曲がいくつもありますんですが、30分パッケージのアニメーションとしては、あまりじっくり聴かせられないかも知れないから(本当かぁ!)などとも話ししたり。
そんなこんなで、ちょっとテンポアップをお願いしたり。
そしたら、最初からそこそこテンポ速めの曲が、さらに加速、恒松あゆみさん歌えないぐらいのスピードになったりするという豪快な展開もありました。
2話のメインテーマである「STEP!」というのがそれで、デモは加藤さんが作りましたが、紆余曲折、北尾直樹(ポッサム)さんが、引き継ぎ完成させました。チームワークですね。
ベースの北尾直樹さん
今回はギターも(ボトルネックとかもやりました)
そして、9月某日挿入歌レコーディング!
1日で4曲録ってしまおう!
つまりボーカル恒松さんは4曲歌いまくり。
という豪快な展開(…ん、このフレーズさっきも使ったな)!
ぼくは立ち会えませんでしたが、おそらくリハは1回やったぐらいではないか…。
しかも、そのリハで、ぼくの選んだとある1曲に歌をつけるのは困難ではないか事件発生。
急遽別の曲に変更したりしつつ、本番を迎える。
まあ、さすが声優(!?)恒松さん。強靱な喉。
というか4曲よく混ざらずに歌い分けた(って、そこは当たり前か!)
作詞も「STEP!」「約束(←全体テーマ曲)」と、八面六臂の大活躍。
なので、ご褒美にケーキ。
いや、誕生日が近かったので、メンバーからのお祝いでした。
ちなみに挿入歌にならなかった曲は「DROP」と言う曲で、BGMにしちゃいました。
ドラムの川村成史さんは、メンバーでは最年長かな?
純な曲「Pure Heart」を作詞作曲しました。
これには純で切なすぎる替え歌「Poor Heart」もあるのですが…。
つづく。
おっと!
忘れちゃいかん!
検索しても無駄なので、とにかくここへ↓
アニメは興味ないな〜という方には、とにかく楽曲ダウンロードだけでもしちゃうことをオススメします。
The ZIg Zags & 2H Vo.1 ― 2015年02月17日 11時45分05秒
昨年10月に発売された「ふたりエッチ」の音楽に関するおはなしです!
何故今頃!
なぜいまごろ!
という感じですが、おはなしは昨年どころか一昨年に遡ります。
と、ここで大ショック!
間違いを書いたらいけないと思い「ふたりエッチ」で検索をかけてみたところ…
えっ!?
でない!
はいぃ〜?
Whaぁ〜t!?
「ふたり」「ふたり」「働かないふたり」「いきものがかり:ふたり」「ふたりのアトリエ」「最強のふたり」「渚のふたり」「樹海のふたり」「ふたりのイームズ」「ふたりのヌーヴェルバーグ」…… おいおい!と、
恥ずかしながらタイトル間違えたかな、なんて考えたりもした。スケジュール帳に略して「2H」なんて書いたりもしたので(「H2」じゃないよ)間違えて覚えてたかな…なんて「ふたりえっち」だったかな「二人エッチ」だったかな「蓋理恵土」だったっけな…と、超悩んだのですが、目の前にまだあった台本が「ふたりエッチ」だった。間違えてないじゃん!
ショックが先に立ったのですぐには判断できませんでしたが、これはもしや!と、ようやく気づきました。
検索条件の問題なんでしょう。(ちなみにSafariでGoogleカスタム検索)
で、その検索条件の変更の仕方が判らず、面倒くさいので別のブラウザ(Firefox)を立ち上げYahooで、検索したら無事出てきました。
ふう…、焦ったぜ。
と、ここで、急に試したくなったので、Safari-Googleで、条件を変えないまま「エッチ」で検索してみました。
すると『結果はありません』だって!
真っ白!
なんだと!?
それ手抜きじゃね〜の?
「え〜と、え〜と、ほら、あれなんて言ったっけ?版画みたいな奴で金属なんか使う奴…エッチ…エッチなんとかって言う奴」
とか悩んでいる人が、検索する時に「エッチ」だけじゃ検索できないって事ね。結構言葉拾ってくれるパターンもあるのに「エッチ」から「エッチング」は探せないんだ!
聞きようによっては「エッチ」より「エッチング」のがアダルトじゃね?
とか、無駄にテンションを上げても仕方がない。
しかし、やはりショックは隠せない。
知り合いに「DVD出てるから『ふたりエッチ』で検索してみて」とかいっても、ダメじゃん!
(こういうときの「じゃん」て、なんか切なさをともない感情豊かだな…?)
てな具合になかなか本文に入らなかったりしたけど、これは克・亜樹さんの大変長く続いている漫画です。(1997年連載開始)
それをOVA化するというおはなしでした。(30分パッケージ3本)
以前にもアニメ化はされていますが、続きと言うことではなくまた新たにというおはなしでした。
この作品は夫婦の純愛を描きつけている、実は(「実は」というのも変ですが)大変特殊な作品です。
凄い!何が凄いのか判りにくいかも知れませんが、軽く例をあげますと、ありがちなのは、夫婦に危機が訪れるけど乗り越えるみたいな話です。それだと普通。
しかしこの主人公夫婦はブレないのです。世俗の創作物を超越してます。
だからということでもありませんが、どうせなら、ちょっと何かやりたいなと思って、挿入歌盛りだくさんにしようと思いました。
いうのは簡単ですが…。
話はさらに遡りそのまた前の年になりますかね。でも年末ぐらいだったか。
気になっていたので見に行ったライブがあります。
声優の恒松あゆみさんがボーカルをやっているジャスバンドのライブです。気になるでしょ?
そして、さて聴くと、
いやあ、これジャズなんだろうか?というのが第一印象。
独特の緊張感がありつつ、ラウンジの心地よさがある。不思議です。
後にリーダーの加藤則子さんには言いましたけど「加藤さんの作る曲はアバンギャルドですよね」って。
主にアレンジを担当していたベースのポッサムさんも「変わってます」とは言っていたので、ぼくの感想は間違ってなかったのではないかと…。
なんというか、つまり、さらに気になってしまったというのが正しいでしょうか。
まあ「ふたりエッチ」でそこまで特殊な音楽をやるつもりはもちろんありませんでしたが、彼らに頼もう!
と、思い協力を願いました。
で、やる気満々でこたえてくれました。

左から北尾直樹(ポッサム)、加藤則子、恒松あゆみ、川村成史。
夏ぐらいにやるぞと決めて、曲も決めて、9月にはレコーディング!
当初はスケジュールが読めず音楽は巻き巻きでスタート。
って、遊んでますな。
つづく。
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