なんかタイトルに惹かれて借りてしまつた。(図書館ね)
さういふことはよくあるね。「オーデュポンの祈り」って何?とか、「死んだ魚を見ないわけ」「死者におくる花束はない」最近読み始めたのは「犬は勘定に入れません」などなど、新旧ノンフィクションなんか含め迷つたときはタイトルで選ぶな。「黒こげ美人」とかね。「バカの壁」なんて、タイトルで売れまくつたんでないかい?(ちなみにぼくは養老孟司本はあれこれ好きです。でも「バカの壁」は知り合ひに借りたまま、まだ冒頭しか読んでね〜や。ごめん。売れたと言ふだけで、読む気が半減するのだ。ひねくれ者だから<これ危険なんだけど>)
もうずいぶん前の話ですが「野獣死すべし」なんてのもタイトルに惹かれて読みました。大藪春彦のも読みましたが、ここで言ひたいのは、おそらくそのタイトルの元ネタの海外小説ね。(元ネタと思はれるのはタイトルだけね)ニコラスブレイクの「The Beast Must Die」ね。これハヤカワ文庫だつたから、おそらく今調べたところ翻訳者は永井淳と言ふ方ね。なんだけど、記憶に間違ひなければ、タイトルを日本語訳したのは江戸川乱歩(違つてたら申し訳ない)のはず。まあ、直訳と言へば直訳だし、時代もあると思ふけど、文語調にビシッと決まつたタイトルで、気に入りました。で、読んだんだけど、辛かつたな〜、うじうじ悶々うつうつしてゐて野獣死すべし!って言ふ歯切れがありませんでした。読んでゐて○○死すべし!!って言ひたくなる感じですね。‥‥‥それが狙ひだつたのかな?息子を亡くした父の話だつたんだけど(確かさうだよな‥‥‥)子供には辛い小説でした。
なんか話が遠のいた気がしますな‥‥‥。
別にタイトルで選ぶと間違ふと言ふ事を言ひたかつたのではないです。タイトルで選んぢやうなっつ〜ことが言ひたかつただけで、以前CDなんかはよくジャケ買ひしました。6〜7年前かな?ラテン系で女性のジャケットだとつい買ひましたね。シャキーラ(コロンビア)ポーリナ(メキシコ/今ポーリナルビオ)は大当たりでした。最近英語版なんか歌つてるんだけど、なんかいまいちなんだな〜。彼女たちはスペイン語(メキシコ語)の響きがいいです。どのみち意味わかんないけど‥‥‥。
他にすでに有名だつたらしいタリア(メキシコ)マリーザモンチ(ぼくはマリーサモンテと読んでゐた/ブラジル)なんかも愛聴版です。
で、「コウノトリの道」ですな。
ジャン-クリストフ グランジェ。フランスの人ですから、フォントさがすの面倒なので‥‥‥。「LE VOL DES CIGOGNES」直訳だとコウノトリの飛翔だと、訳者の平岡敦があとがきに書いてます。
創元推理文庫。裏表紙には「『クリムゾンリバー』の著者、驚嘆のデビュー作。」と書いてあり、表紙をぴらりとめくると「世界を驚嘆させた『クリムゾンリバー』に勝るとも劣らぬ傑作。」なんて書いてある。
驚嘆のデビュー作はいいけど、勝るとも劣らぬって、なんか悲しい表現だな‥‥‥。これで、何人の人が読むの止めただろ?
ぼくは『クリムゾンリバー』読んでゐない(映画は見ましたが、かなり忙しい時期に徹夜明けに見たので、途中熟睡してしまいました。見たとは言へない?)ので、比べられませんが『コウノトリの道』は面白いです。(謎解きメインで読む人には向かないかもしれませんが‥‥‥)
一人称なんですが、主人公の幼い頃の記憶が欠落してゐるってのが、いいですね。同時に火傷で指紋がない。「あなたは誰でもないのよ」なんてセリフがいかしてます。ツッこんぢやいけません。
主人公がためらいなく暴力的になつて行くところとか、グロ模写がクリムゾンな感じなんですかね?
コウノトリの出番価値が、割りと早めに下がつてゆくのが、やや残念だつたかな〜。
コウノトリって日本では特別天然記念物だつたのね。野生種は絶滅したのだつて。トキはなにかと話題になるけど、コウノトリはね〜。ヨーロッパでも減つてゐるらしいが、同じ種類なんだろか?
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