バキュームカーと言へば?2005年08月15日 11時09分54秒

 さうですか、はばらさん、お父さんの隠し子さん(しかし、呼びかけるのに凄いネーミングだな)あの2本立てを見ましたか。素晴らしいですね。見てない身としてはうらやましい。「ノストラダムス‥‥‥」の完全版は、2度と見られないとの噂もあるので、貴重ですな。
 しかし、お子様の頃にぼくの警官姿を見てゐたわけですな。カットされてなければ、バキュームカーのホースに引かれてゐる姿が。
 といふことで「バキュームカーと言へば」あるいは、バキュームカーで思ひ出される幼い記憶。
 昔は汲み取り屋さんと呼んでたもんです。
 小学生の頃、帰宅途中で、作業中の車がおりました。もちろん臭ふので、サササと通り過ぎたいところですが、作業中のおぢさんが『おいでおいで』をしてゐるではありませんか。(まあ、おぢさんと言ふのは小学生から見ておぢさんですから、本当はおにいさんだつたかも知れません)
 当時(今もか)は、知らないおぢさんに付いて行つてはダメと言ふ教育が行き渡つてました。しかし、知らないおぢさんではありますが、職業は明らか、しかも仕事中であると言ふ安心感!?からか、小学生はのこのこと近づいて行きました。
 仕事中(つまり吸ひ込み始める)と、一人はヒマなんですかね。(ホース持ち係りさえしつかりやつてゐればいい?)少なくとも『おいでおいで』をしたおぢさんはヒマさうで「今日何やつたの?」なんて聞いてきて「粘土」なんて答える小学生。ぼくは得意だつたんですね。
 「何作ったの?」「もぐら」(象だつたかな‥‥‥)
 「おぢさんも得意だよ」「ほんと?」なんて、会話が進みます。
 で、粘土を貸せと言はれて渋る小学生。理由は「知らないおぢさんに粘土貸してはダメ」と言ふ教育ではなくて『汲み取り屋さん』に粘土貸したら汚れるのでは?と言ふ偏見。子供は正直です。ちやんと「汚い」と言葉にしたところ、おぢさんは手袋を取つて「ホラ」と『きれい』なことを証明!
 ぢやあいいや、ってなもんで、まだ使つてない分の油粘土を渡しました。
 そして、臭ひをまき散らしながらズーズー吸ひ取るホースの傍らで、みるみる魔法の手から生み出されるやうな造型。その素早さに小学生見入る。
 「ホラ」と見せるおぢさん。「タヌキだ〜!」と感嘆する小学生。
 そりゃあ見事なできばえでした。「すご〜い」
 と、汲み取りも終はり、おぢさんはそのタヌキをぐにょにょにょと元の塊に戻してしまいました。「ああ!」なんだか残念びつくり小学生。
 「はい」と粘土を返してくれたおぢさん。数分の芸術。
 おぢさんは次の汲み取り口へと向かつて行つたのです。

 その後、何度かタヌキに挑戦したけど、出来なかつたな〜。

 写真は40数年前ぼくが作つたものではありません。あるわけないね。娘が小学生の頃作つたとあるアニメのキャラですな。