Tバック戦争 ― 2005年08月19日 11時03分09秒

扇情的なタイトルでいつてみました!? この間「犬は勘定に入れません」で、苦労してしまつたので、今度は児童書にしてみました。岩波少年文庫です。少年少女文庫でないのだな〜‥‥‥。 「T-Backs, T-Shirts, COAT, and Suit」作者はE.L.カニグズバーグ。小島希里[訳]です。この人のはいいんです。と、言つても「13歳の沈黙」と言ふ一冊しか読んでませんが。 淡々とでも感情深くつづられる作風が気に入りました。割りとシリアスな内容だつたので、今回はお軽くかっ飛ばさう、暑気払ひだ!と思ひこのタイトルを選びました。 でも、タイトルに惹かれたおぢさんは反省ですな。そりゃあ子供相手に、Tバックギャルがわんさか戦争する物語は書くわけがありませんが、考えさせられるおはなしでした。 主人公は12歳少女。夏休み。髪型に関して友達3人で「誓約」を交はさうと(気に入らない髪型ですごした奴がゐたらプールに入る!?)言ふのが嫌で、避難。母が再婚した旦那(ま、パパですが)の姉の家へゆく。伯母さんのところへ行くのは初めてだが、「誓約」よりそちらを選ぶ。 伯母は40代、独身、元ヒッピー(つまり継父も同じ)食料配給所で働いてゐる。(食材を車に積み、工場の出入り口当たりに駐車してでランチを作る。まああ昼食屋台)主人公はその手伝ひをしながら、おばさんと犬とくらす。 Tバック戦争とは、同じ配給所の若い女性たちが、その姿で商売を始めて客が増えた。同僚の男性もTバックで、仕事しだした。女性の一人がわざとリークしてテレビで取り上げた。さて、当然出るべくして保守派、教会派の反対運動が起こる。戦争勃発と言ふところ。 主人公の伯母はTバックを着用しない(歳だからではない、ちやんと理由がある)。配給所側は商売だからとTバック着用を迫り、反対派は道徳的で素晴らしいと署名を迫る。 しかし、伯母はどちらにも組しない。yes or no で、決められるものではないからだ。 日本で最近、似たやうな出来事があつた。箱庭の中で行はれた茶番劇だが、憂民化賛成か反対か!この伯母はさしずめ大仁田厚か?いや、今回の憂民化の様に漠然としたものと明確なTバックを同列に扱つてはTバックに申し訳ないか‥‥‥。 それだけではない。こんな表現があつた。少々略すが「公職でないならば、自分が何をどう考えようと自由だし、それを発言しない権利もある」つまり逆に言ふと、公職につくなら自分の意見はきちんと述べねばならないと言ふことだ。なんだか、質問に答えないスモールファウンテンが、相手に対しては yes or no だけを迫る。どこかおかしい。憂背解散だ!なんて単純過ぎることを言ふ時だけはすこぶる勢いがいい。(当然選挙には莫大な税金が投入される。何が無駄遣ひか?) ぼくは今回の選挙はわざわざ行つて白紙投票することをお勧めする‥‥‥。国民投票なる言葉まで吐かれては、筋道もへったくれもあつたものではない。彼があのやり方で来るなら、こちらにも考えはあると言ふ態度は示さなならん。いや、民主主義の根本として『お勧め』は出来ないが、こんな考えもあると言つておく。 う〜ん。いかん。本当はブログにはあまりかういふことは書きたくなかつたのだが『Tバック戦争』には、そんな力がある。考えさせられる。人の持つべき独自性の大事さを訴えてゐる。いや、そんな大上段なものではない。醸し出してゐる。だから効く。 実は一緒にもう一冊借りた。『ジョコンダ夫人の肖像』だ。こんどは何を考えさせられるんだらう。楽しみだ。 ぼくには、児童文学ぐらいが向いてゐるのかもしれない。まあ、児童文学と言つても幅は広いが。(以前読んだ『500年のトンネル』スーザンプライス作タイムトラベルもの!なんて、残酷模写恋愛模写がそれなりに濃厚だつたもんな〜) 写真はTバック。 強引? |
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