ジョコンダ夫人の肖像 ― 2005年08月29日 09時52分30秒

『The Second Mrs. Giaconda』E.L.カニグズバーグ。岩波書店。松永ふみ子[訳]セカンドミセスと言ふのは、第2夫人でなくて、2番目の奥さんですな。
ジョコンダ夫人の名は『リザ』です。表紙を開けると、モノクロですが、モナリザの写真が載つてます。ジョコンダ夫人の肖像とはモナリザのことです。
さて、モナリザ。描いたのはレオナルド ダ ヴィンチ‥‥‥って、言ふまでもないですが。
しかし、小さい頃から、モナリザを美人だと思つたことはないですな。昔はあれが美人だつたのかと考えてもみますが、他の絵を見るとさうは言へない気がします。やはりその、どちらかと言ふと、カメラのシャッター押さないタイプと思はれます。
これは、カニグズバーグさんも同じ考えのやうで、文中でははつきりと美しくないと言つてますな。あきらかに。
リザさんと言ふのは定説になつてゐますが、実のところモデル不明のやうです。そもそも肖像画を描く(描かせる)のは、王侯貴族だつたりするので、素性が知れてゐる人が多いわけですね。
では何故?この小説ではモデルを『ジョコンダ夫人』と限定したところで『何故そんな無名のいささか美しくない女性の肖像画を描いたのか?』と言ふ謎を追究してゐます。
とはいへ『歴史の謎に迫るミステリー』なんて、下世話な作品ではありません。大体からしてジョコンダさんほとんど出てこない。ダヴィンチ、サライ(素行不良の少年だがダヴィンチの一の弟子)、ベアトリチェ(ミラノ公の奥方)の3人の関係をひたすら描き続けます。
全く、考えさせられるつたらありゃしない。この人の小説は、きちんと説明するべきことを平易に説明して、しつかり考える余地を与えてくれると言ふ‥‥‥なんでも説明すればいいと言ふものではないよな。やはり。
そんなをり『スクラップヘブン』なる予告編を見た。その中に「想像力が欠けてんだよ!」ってセリフがあつて、常々思つてゐることなんだよな。
ジョコンダ夫人の名は『リザ』です。表紙を開けると、モノクロですが、モナリザの写真が載つてます。ジョコンダ夫人の肖像とはモナリザのことです。
さて、モナリザ。描いたのはレオナルド ダ ヴィンチ‥‥‥って、言ふまでもないですが。
しかし、小さい頃から、モナリザを美人だと思つたことはないですな。昔はあれが美人だつたのかと考えてもみますが、他の絵を見るとさうは言へない気がします。やはりその、どちらかと言ふと、カメラのシャッター押さないタイプと思はれます。
これは、カニグズバーグさんも同じ考えのやうで、文中でははつきりと美しくないと言つてますな。あきらかに。
リザさんと言ふのは定説になつてゐますが、実のところモデル不明のやうです。そもそも肖像画を描く(描かせる)のは、王侯貴族だつたりするので、素性が知れてゐる人が多いわけですね。
では何故?この小説ではモデルを『ジョコンダ夫人』と限定したところで『何故そんな無名のいささか美しくない女性の肖像画を描いたのか?』と言ふ謎を追究してゐます。
とはいへ『歴史の謎に迫るミステリー』なんて、下世話な作品ではありません。大体からしてジョコンダさんほとんど出てこない。ダヴィンチ、サライ(素行不良の少年だがダヴィンチの一の弟子)、ベアトリチェ(ミラノ公の奥方)の3人の関係をひたすら描き続けます。
全く、考えさせられるつたらありゃしない。この人の小説は、きちんと説明するべきことを平易に説明して、しつかり考える余地を与えてくれると言ふ‥‥‥なんでも説明すればいいと言ふものではないよな。やはり。
そんなをり『スクラップヘブン』なる予告編を見た。その中に「想像力が欠けてんだよ!」ってセリフがあつて、常々思つてゐることなんだよな。
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