猿初日2006年03月03日 21時52分23秒

 あれは9月に入つてからだつたと思ふ。(30年以上前だ!)
 青梅線、宮ノ平駅集合。青梅駅の一つ先だ。
 それはもうほとんど遠足のノリ。
 駅についてから、どんな手段でそこまで、行つたのかよく覚えてゐない。
 そことは、広大な石切り場。さうです、世田谷の住宅街の育ちのぼくにとつてはそこは広大だつた。砂ぼこりと断崖絶壁。そして、巨大扇風機!
 おお凄い!と思つたな。撮影!といふ感じの道具。円谷プロは違ふなあ〜なんて思つた。
 とりあえずぼくたち軍団要員、着の身着のまま集まつて、小道具さん、衣装さん、メイクさん、荒野で大忙し。
 さうだな。イメージは、やはり戦場だな。行き交ふ物資、飛ぶ伝令つて感じだだ。右も左もわからずボサ〜ッ、うろうろ〜っとしてゐるぼくたちの目の回りを手当り次第に黒く塗りたくるメイクさん。「目ェつぶって」グシグシグシ!「まつげ長〜い」などと言はれながら、まぶたのフチまで塗り残しなし!
 「おりゃおりゃうりゃ〜!」てな感じで、衣装さんから服。小道具さんから長靴(まあ、ちょうかと読んで)など渡されどんどん着替へる。
 そしてライフル渡される。おお!鉄砲てっぽう!喜んではいけないけど男の子の憧れの的。でも、ぼくたちのライフルはかなりシンプルな作り。で、そんなこと観察してゐる場合でなく。お面を被る。ぼくたちのお面は小道具さんから。
 目の部分がまん丸く穴開いてる。目の回りのを黒く塗るのは、その穴の中が明るくては困るから。そして、首元はスカーフで隠す。軍団服は詰め襟なので、比較的隠しやすい。
 そしてヘルメット。
 これが実は強烈。鉄製!面の上から被るので、内側の当て物がない。鉄鍋にあごひもをつけただけのやうなもの。重い!堅い!そして、面の耳部の厚みがこめかみに押し付けられて圧迫。血が止まる。頭ボウとなることあり。
 しかし、あれやこれやといふ間もなく断崖絶壁の上にゐた!
 高い!
 軍団一同勢揃ひ!
 「もつと崖ぎりぎりに前に!もつともつと!」
 ひええ〜〜ずりずりと落ちたら大変。猿の面とは言へ視界が少々狭まる。(後日、別の作品で視界2%ぐらいの面に出会ふ。猿はいいなあ〜と思つた次第)
 気がつけば暑い!遠足日和のよい天気。軍団服&面は熱い。鉄鍋重い!気のせいかモーローとしてる?
 「堂々と立つて!もつとキチッと!フラフラしないで!」
 はい〜〜ってなもんで、立つてゐるだけだが、結構必死。
 もちろん主要メンバーが前列。ぼくら後ろだが、緊張。

 これは一体どんなシーンだつたのかといふと、オープニングのファーストショット。崖の上に立つ軍団へクイックT.U.する短いカット。いや、ホントに短いカット。このカットのためにあの戦場があつたのかと思ふと、感慨深い。
 かうして『猿の軍団』の日々が始まつた。

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