今日見た不思議な光景2006年03月07日 21時51分06秒

 井の頭通りにあるおそば屋さん(うどん屋さん?にゅうめん屋さん?)へ行つた。しばらくぶりだが、ここへは基本的にまぐろカツを食べにくる。概ねまぐろカツ単品とおそばを頼むが、定食もあるし茶わん蒸しまでつくセットもある。まあ、遠くからわざわざ食べにくるほどおいしいか?と言はれると、さうでもない。カツの衣は堅めで、口の中にガスガス当たるし、よく噛まないとのども削つてゆく。そりゃまづいんぢやないの?と聞かれるとそんなことはない。わざわざ食べに来たことはないが、通りすがりに寄つたことはなんどもある。バイクで渋谷方面のアフレコなど行つた帰りに、ずいぶん来たと思ふ。他にまぐろカツを食べられるところを知らない。それが、一番の原因か?
 魚用の四角い皿にまぐろカツとキャベツとトマト4分の1が乗つてくる。唐辛子とマヨネーズが、皿の端に付いてゐる。混ぜてカツにつけても良しだが、それ以外にすり鉢とゴマが付いてくる。もちろんすりこぎも来るから、来るや否やゴマをする。プチプチといい香りが漂ふ。それにソースをたらして混ぜてカツにつけて食べるのが本式!?だ。
 やはりおいしいと言つておこう。ころもの堅さは好み次第だ。
 いつもは単品とそばと書いたが、けふはセットにしてしまつた。茶わん蒸し付きではないが、まぐろカツ、ごはん、うどん、ポテトサラダといふ豪華ラインアップだ。990円。これだけ食べるとお腹がいつぱいになつてしまうので、ホントに滅多なことでは頼まない。が、つい頼んでしまつたのは何故か?

 バイクだつたので(あ、そうそう、ここは広い駐車場があつて、近所の人も来るだらうが、車で移動中の人が気安い店である。ファミレスと同じだ)席を決めてからカバンを置いてジャンバーを脱いでと、やつとメニューを見始めたとき、次のお客さんが入つて来た。入つてくるのを目撃した訳ではない。店員さんの『二名様ですか?』といふ声が聞こえた。
 ところで、ここの店員さんであるが、以前はおばさまたちが多かつたのだが、いつの間にか若いにいちゃんばかりで、まるでさわやかホストクラブのやうだつた。
 で、別に『二名様ですか?』といふ声は珍しくない。わざわざメニューから目を上げて見る必要はない。
 が、それに続けてお客さんの『二人に見える?』といふぶっきらぼうな声が聞こえたのだ。
 『二名様ですか?』『二人に見える?』
 この流れに違和感を感じたのだ。男性の不機嫌ではないが、通常でない響きだ。
 一人づつの客なのだが、偶然同時に店に入つてしまうことは多々あると思ふ。そんな時は、『え!?』と驚いたとしても、手を振りながら『違います』とでも言へばよい。店の者の立場で言へば、勘違ひか気遣ひだ。文句をいふことではない。
 なので、気になつて見た。
 比較的大柄の男性(40前後)の後ろにぎりぎり20代と見える女性がゐた。
 一瞬戸惑ふイケメン店員の斜め後ろ姿が見えたが、お客さん(男性の方)は『見えるか』と自ら答えを言つた。
 『二名様ですか?』『二人に見える?』『‥‥‥』『見えるか』である。
 なんといふか、その、つまり、あからさまではないが『うふふ』といふ感じである。わかるだらうか?
 二つのことを想定してみる。
 一つは、身体の大きい男性の陰に隠れて見えないふりをしてみた!?
 意味はない。遊び心といふ奴だ。まあ、わけもなく付き合はされた店員は空しいが。
 一つは、夫婦でもない、恋人でもない、エスコート関係でもない(さうではないと断言する)二人が、関係ある二人づれに見えたぁ?と、うかれてみた図である。
 二人はぼくの後方の席に案内されたが『座る前に行ってきちゃいなよ』「うん。そうする』るんるんるんと女性がトイレに向かつた。
 全く見ず知らずの他人のことをあれこれ考えても仕方がない。
 しかし、この変な浮かれ具合に調子を外されたぼくは『まぐろカツセットください』と言つてしまつたわけだ。
 おかげでお腹が苦しい。