思ひ違ひ2006年04月17日 23時26分19秒

 某町の富士そばでの話。
 富士そばといふのはいはゆる「立ち食いそば」のチェーン店。最近はイスのあるところがほとんどなので、立ち食ひではない。社長が演歌の作詞家?なのか、たんなる趣味なのか、時折社長の作詞した歌のポスターを店内で見かけることがある。
 打ち合はせで晩飯を逃してしまい、普段は午後9時以降は食事をとらないやうにしてゐて、食べてもヨーグルトぐらいですませてしまうのだが、あまりの空腹で足元がふらついたので、うどんでも食ふことにする。熱いのが苦手なので、もりそば/うどんにする。
 細かいことを説明する。
 ここは食券制で、食券は「かけそば/うどん」「もりそば/うどん」と種類別だがそばとうどんは共用で、カウンターで食券を出す際に「そばにしてください」あるいは「うどんでお願ひします」と厨房内の人に口頭で頼むのである。
 冷たい水でも消化すると言はれてゐるそばだが、ぼくは時々消化不全?に陥ることがあり、このときはうどんにする。(ちなみにそばは好きである。アレルギーもないと思ふ。なので、原因は不明だ)
 ちなみに普段は「もり、かけ」は頼まず、春菊天、イカ天、きつね、特製富士!?などを頼む。なるべく軽くせやうと思つて「もり」にした。
 さて、そして。
 「うどんでお願ひします」と食券を出す。
 「へ〜い」の返事の後「うどんは冷たいのでよかったですか〜?」と質問された!?ほとんど条件反射で「はい」と一度は答へたのだが、打ち合はせで消耗した思考回路が、急激に回転した。富士そばでそんなことがある筈があいのだが‥‥‥。
 ここで、追加の説明をする。
 ぼくは、普段「もり、ざる」はあまり食べない。「かけ」も。
 好きなのは「冷たいおそばに温(あった)かい汁」ものである。「冷たい冷たい」も嫌ひではないが、両方冷たいとなんか寂しいのだ!?さらにいふと滅多に食べないが「釜あげうどん」も嫌ひではない。温(あった)かうどんに冷たい汁だ。
 で、話を戻す。
 その瞬間、ぼくの思考回路は暴走した。
 ぼくが「もりそば/うどん」の食券を出したにも係らず「うどんは冷たいのでよかったですか?」と質問がきた。『もりは冷たいのが普通ではないのか?!?』わざわざ聞くからには『温かいうどんをせいろに乗せて出してくれる』なんてことをしてくれるのか?
 ぼくの思考はここで止まつて、その先へは行かなかつた。
 そして「え!?あったかいのも出来るんですか?」と聞いてゐた。
 「出来ます」と答えが来たので「じゃあ温かいので」と頼んだのだ。
 そのときおやじさんの態度が「ちよいと気に入らない」態度に変はつた。
 そして、やや投げやりにどんぶりのうどんを湯通しし普通に麺つゆを入れて出してきた。「はい、かけ」と言つて‥‥‥。
 それが「かけそば/うどん」だといふことぐらいは知つてゐる。

 つまりおやじさんは「かけ」と「もり」と食券を買ひ間違へてないですね?と言ひたかつたのだと思ふ。それに対してまさか「温かいもりそば/うどん」を出してくれといふ客が存在するわけがないのだ。
 でも、ごくごくまれにゐるといふことが判明した。
 いや、してない。
 ぼくは何も言はず素直に「かけうどん」を食べたから。
 おやじさんは未来永劫「またかけともりの区別がつかない客が来たよ」と思ひ続ける。