北京編、四2006年06月06日 23時06分38秒

 そもそも何をしに行つたのかをまだ書いてない気がする。
 シルクロード少年ユートの音楽を録りに行つたのです。
 シルクロードなので、どうせなら中国の演奏家たちを集めて男女多数楽坊なんて凄いぢやないといふ安易な発想から実現してしまつたおおらかなもくろみです。
 スタジオはOASISといふ名で、日本で言へば日比谷公園や上野公園を暴風が襲つた後、現在復興中といふやうな、素朴さと風致感のある。
 そもそも北京とは、おそろしく豪快な所で、開放感と閉塞感を同時に持つてゐます。閉塞感はおそらくぼくが持つてゐる偏見によるものだと思ひますが、例えば同じ言葉を使ふ台湾では、バシバシと平然と撮つてゐた写真ですが、ここでは何故だらう。一枚一枚撮るたびに不思議な緊張感が走ります。それは広すぎる空間から来る無視感もあるでせう。なんとも言へない疎外感。そして、どうしても共産圏の(あくまでもぼくのイメージですが)香りが、周りを包むのです。
 今、中国は変化の真つ最中で、ぼくのイメージはあきらかに違つてゐるのですが、この不思議な感覚は、解決しませんでした。
 といふか観光に行つたわけではないので、そんなことに時間をかけるわけにもいかない。いかな傍観者と言へどもスタッフはスタッフ。一人町をふらつくわけにもいきません。

 これがスタジオ。
 この写真の奥右手にだだっ広い空き地あり、放置された建物があります。
 つ〜か、これです。


 対比物も無くよくわかりません。
 カメラを替へて少し寄つてみます。


 この公園(と呼んでおきます)には博物館があるのですが、こんな場所とか、工事してゐるところとかあり、まさしく復興中といふ感じ。


 これ、スタジオの裏手といふか横手。池があります。でかい魚がゐます。時々、ビバシッ!とはねます。はじめカエルかと思ひましたが、魚です。種類はわかりません。池周辺の写真は後日。
 そして、再びスタジオ表。


 この人、映像側のプロデューサーですが、無造作に歩いてゐるのは大理石の階段です。
 このとき、よもや、この階段のおかげで、とんでもない事態が起こるとは、誰も、だあ〜れも、思ひもよらなんだのです。