喜びの未来?泣くな未来?2006年07月08日 22時58分38秒

 マイケルウィンターボトムの『CODE46』見る。
 実は好きな監督だ。『ひかりのまち(wonderland)』が一番好き。
 難点は、手持ちカメラ好きで目に優しくない映画作りをすることか。
 『めぐり逢う大地』はそれがすこし辛かつた。『ひかりのまち』はその極地だと思ふけど、それがよかつた。好き嫌ひの境界線はむつかしい。
 『CODE46』のカメラはかなり落ち着いてゐた。手持ちではあるのだらうが、大変見易い映像だつた。
 音楽が『世の中は流れ続ける系』(ぼく用語)で、しかも描き方が『ヒロインが未来を過去形で語る系』なので、またしても『ミレニアムマンボ』を思ひ出す。雰囲気だけだけど‥‥‥。
 おそらく『インディスワールド』や『ウエルカムトゥサラエボ』などで、鍛え上げた(!?)人々&風景模写が、堂に入つてる。
 はじめの方で、ヒロインがアカペラて歌ふシーンがある。途中で相手役のティムロビンスも合はせるのだが、ヒロインが歌ひだしたとき、あれ?知つてゐる歌だ。だけど、思ひ出せない。ああ、なんだつけ?と思ふ。『トレンチタウン』がどうしたかうしたつて‥‥。音痴といふ設定なのだが、さうではなくなんとなくメロディに聞き覚えがある。アカペラだと、思ひ出すまでに手間がかかつたりすることは多々あるのだ。
 以前『Xファイル』を見てゐて同様のことが、あつた。
 途中だつたので、どうしてさうなつたのか解らないが、モルダーが怪我をしてゐるらしく、森の中で、スカリーの膝枕で寝てゐる。二人だけだ、モルダーが甘えて(?)歌を歌つてくれと頼む。スカリーはへただからと嫌がるが、モルダーがせがむので、仕方なくぼそぼそと歌ひ出す。
 ぼそぼそとだが、メロディに聞き覚えあり、あれ?これ知つてるぞ。と思ふが、なかなか思ひ出せない。ジェレマイアはカエルでどうしたかうした‥‥。ああ、なんでなんで思ひ出せないのと記憶を振り絞つてゐる間にサビになる相変はらずのぼそぼそ歌ひだが、さすがに解る。『ジョーイトゥザワールド〜』とスカリーは歌ひ続ける。『喜びの世界(Joy To The World)』スリードッグナイトだ!懐かしい〜と思つた。同時にサビまで思ひ出せなかつた事が悔しかつた。確かにジェレマイアなんたらフロッグといふ歌詞だつた。英語の歌詞を訳さず聞き続けたのが敗因だ。でも『Xファイル』でスカリーが『喜びの世界』をぼそぼそ歌ふなんてうれしかつた。
 で、今回もサビまで思ひ出せなかつた。悔しい。
 さういやトレンチタウンだつたなと思ふ。
 サビがタイトルだ。(あ、Joy To The Worldもさうか)
 二人が声を合はせたサビは『ノー、ウーマンノークライ〜』だつた。
 これもちと悔しかつたが『Xファイル』の時のやうに単純にうれしがることは出来なかつた。内容を意識した選択であると感じたからだ。かなり唐突に歌ひ出すからには、深い意味があるわけだ。
 これも詩の内容をちやんと知らないが『Joy To The World』と『No Woman No Cry』では、感慨の差があつても仕方あるまい。

 写真はスリードッグナイトのベストアルバム?(1965〜1975)です。
 今、聞かうと思つても中々聞けないのではないかな?
 今度TSUTAYAにあるかどうか見てみよ。
 『Joy To The World』はモノラルなのだ。