少し気にしてみる2006年07月30日 23時21分37秒

 なんだかよくわからないが、みんなどうしてしまつたのか?不可思議だが、最近『ミサイル防衛=敵国のミサイル基地を先に叩く!?』論議が勇ましい。
 まあ、なんといふかそれは『防衛』ではないのではないか?と思ふ。確かに飛んできたミサイルを撃ち落とすのは非常にむつかしいと思ふ。ならば、飛ばす前に壊してしまえは、考え方としては論理的だ。
 でも、なんか変だぞ。
 いや、どうしても変だぞ。
 かつてアカ狩りといふものが、あつて、いや、ドミノ理論といふのがあつて、『悪』の連鎖が、脅威になる前にすべて叩きつぶしてしまえ!との正論!?により脅威を振るいまくつた(今も?)国があつたが、そもそも当の相手は『悪』だつたのだらうか?
 喧嘩は先手必勝なんていふけれど、そもそも相手に喧嘩の意思がなければ、それは単なる一方的暴力ですわね。大人しく黙つてゐたら、本当に攻撃を仕掛けてきたのだらうか?
 わかりません。
 ぼくはアニメーションなんぞを作つてをりますが、アニメに関はらずドラマでも映画でも『善と悪の戦ひ』は、王道だつたりしますね。なんだか、カタルシスのために、一生懸命『悪い奴』を悪く悪く、もうこれ以上卑劣な奴は世の中に存在しないだらうつてぐらいに描いてね。つまりね、絵空ごととして作つてんだけどな。事実になつて欲しいなんて少しも思ふとらんのね。真似なんかして欲しくないね。『悪い奴』も本当は悪くないんだよね。きっと。あれは『悪役』なんだよ『役』。
 つまりね。作り手がこんなこと言つちやいけないけどね。あれは『嘘』なんだよ。優秀な政治家や官僚のみなさんならわかると思ふけどね。『正義役』だつて『役』なんだよ。本当は格好よくなんかなくて普通なんだよ。作品の中だけで『悪』を倒す役割をやつてゐるのさ。本当に格好いい行動といふのはもつと地味でさ。人々は気づかないぐらいなもんさ。もうテレビに出て、格好つけるの止めた方がいいよ。地味にいいことしてさ。平和な世界になつてさ。そのときは誰も気づいてくれなくてね。でも、何十年かあるいはもつともつと先の世の中になつて、初めて、あの人がゐたから、今の平和がある。なんて知られるわけさ。本当に格好いいつてさういふことぢやねえの。