ちい散歩 ― 2006年08月01日 22時51分31秒
最近気に入つてゐる番組。
月〜金の午前中だが、月、火がいい。水曜以降は普通(?)の情報番組。
ちい散歩とは地井武男が、散歩する番組なのだ。
だいたい都内のどこかを2〜3時間ぐらいのコースで歩く。
ゆつたりした雰囲気と地井武男のキャラクターでほのぼのと可笑しさが醸し出されていい。
短い番組だが、風景に音楽だけが流れるシーンもあつて、ゆつたり感にこだわつた作りだと思ふ。
そして最後に、地井さんが持ち歩いてゐる水彩道具で、印象に残つた光景を描いて見せる。これまた素朴な絵でいい。
地井武男と言へば、ぼくは『野良猫ロックシリーズ』が浮かぶ。
かっこよさとかっこわるさの際どい境界線。頼りになるのかならないのかこれまた微妙な線。チンピラが似合つてゐるが、にしては相当存在感がある。気になる奴なんである。あつた。
野良猫ロックは5本あるが、もしかしたら2本ぐらいしか出てないかも知れない。でも、印象度は深い。さういふ役者である。
お茶の間が似合ふやうになつたのはいつ頃からなんだらう?
ついでに、テレビ番組の話。
前にも書いたと思ふ好きな番組『グータン』が相変はらず面白い。
篠原涼子がゐなくなつて、残念だつたが、新しく江角マキコと内田アナ?が加わり、年上(グータン史上最年長?)の江角マキコが、面白い。
全シリーズでいろいろな内容を試行錯誤した結果、今、定着してゐるのは、女性3人が会つて食事をしながら、好き勝手なことをしゃべるといふ奴で、司会者3人(優香、江角、内田)が、交代で、一週づつ2人のゲストを迎へ行はれる。
とにかく30分番組が凄く短く感じる。もつと見たいといふ感情もあるが、そこがいいのだと思ふ。もしも1時間番組になつたら辛いだらう。最近毎週見られないので、江角マキコの回を逃すと少し残念。(優香もだけど)しかし、これ、わざわざ録画してまで見たいとは思はないんだな。
でもでも、テレビはそれぐらいがいいのではないかとも思ふ。
月〜金の午前中だが、月、火がいい。水曜以降は普通(?)の情報番組。
ちい散歩とは地井武男が、散歩する番組なのだ。
だいたい都内のどこかを2〜3時間ぐらいのコースで歩く。
ゆつたりした雰囲気と地井武男のキャラクターでほのぼのと可笑しさが醸し出されていい。
短い番組だが、風景に音楽だけが流れるシーンもあつて、ゆつたり感にこだわつた作りだと思ふ。
そして最後に、地井さんが持ち歩いてゐる水彩道具で、印象に残つた光景を描いて見せる。これまた素朴な絵でいい。
地井武男と言へば、ぼくは『野良猫ロックシリーズ』が浮かぶ。
かっこよさとかっこわるさの際どい境界線。頼りになるのかならないのかこれまた微妙な線。チンピラが似合つてゐるが、にしては相当存在感がある。気になる奴なんである。あつた。
野良猫ロックは5本あるが、もしかしたら2本ぐらいしか出てないかも知れない。でも、印象度は深い。さういふ役者である。
お茶の間が似合ふやうになつたのはいつ頃からなんだらう?
ついでに、テレビ番組の話。
前にも書いたと思ふ好きな番組『グータン』が相変はらず面白い。
篠原涼子がゐなくなつて、残念だつたが、新しく江角マキコと内田アナ?が加わり、年上(グータン史上最年長?)の江角マキコが、面白い。
全シリーズでいろいろな内容を試行錯誤した結果、今、定着してゐるのは、女性3人が会つて食事をしながら、好き勝手なことをしゃべるといふ奴で、司会者3人(優香、江角、内田)が、交代で、一週づつ2人のゲストを迎へ行はれる。
とにかく30分番組が凄く短く感じる。もつと見たいといふ感情もあるが、そこがいいのだと思ふ。もしも1時間番組になつたら辛いだらう。最近毎週見られないので、江角マキコの回を逃すと少し残念。(優香もだけど)しかし、これ、わざわざ録画してまで見たいとは思はないんだな。
でもでも、テレビはそれぐらいがいいのではないかとも思ふ。
憂(ゆううつ)鬱な年(としつき)月 ― 2006年08月03日 22時35分42秒
スモールファウンテンといふ Sorry が、憂鬱に感じられるやうになつたのはいつ頃からだらうか?大相撲で『感動した』とか言つてゐるころはまださほどでもなかつたのではなからうか?大方の人々の心はここで捕えたのではないだらうかと思ふが、ぼくは違ふ。わかりやすい言葉で単刀直入に語る姿に好感を持てなかつた。それでも、とりあえず変な奴ぐらいな、そんな程度の感情だつたと思ふ。
あれはいつだつたらう?サミットで夕日を指差し『サン、サン』と語りかけブレアに、鬱陶しがられてたのは?多分その辺りから悲しくなつて来たのだと思ふ。我が Sorry には、何かが決定的に欠けてゐる。まあぼくなんかずつと無関心に生きてきたわけで(自慢出来ない)この5年間憂鬱に過ごしてきた人にくらべればまだまだ甘い。ぼくの憂鬱は1年かそこらかね。
それでね。
テレビの仕事してゐる人間としてあまり言ひたくはないのだけど、テレビはいけないな〜。いまさら『やや批判』してる。『やや』といふところが、情けない。何故『やや』かといふとABCZOのためだと思ふ。真っ向否定してしまうとABCZOを持ち上げるのに『やや』やりにくいのだ。もうなんだか嫌な感じだ。また引き続き憂鬱な年月を過ごすことになるのだらうか?
少し前までのぼくは誰が Sorry になつたつて変はりゃあしないよ。と思つてゐた。人々の多くはさう思つてゐるに違ひないと思ふ。選挙の投票率の低さを見れば一目瞭然だ。でも、変はらないことはないとよ〜く解つた。人によつてはこんなにも嫌な気分になれるのだと思ひ知つた。
だから、テレビよ今度は出来る限りABCZOに触れないでくれ。
読みもしないで本を批判するのは反則中の反則だが『美しい国』だあ〜!?
冗談ではないよ。
隣りの大きな国を毛嫌ひして、敵対視したり、同じく隣国で変な国だけど先制攻撃を仕掛けやうなんて言つてゐる人間が『美しい国』!?
この人にも何かが決定的に欠けてゐると思ふ。
あれはいつだつたらう?サミットで夕日を指差し『サン、サン』と語りかけブレアに、鬱陶しがられてたのは?多分その辺りから悲しくなつて来たのだと思ふ。我が Sorry には、何かが決定的に欠けてゐる。まあぼくなんかずつと無関心に生きてきたわけで(自慢出来ない)この5年間憂鬱に過ごしてきた人にくらべればまだまだ甘い。ぼくの憂鬱は1年かそこらかね。
それでね。
テレビの仕事してゐる人間としてあまり言ひたくはないのだけど、テレビはいけないな〜。いまさら『やや批判』してる。『やや』といふところが、情けない。何故『やや』かといふとABCZOのためだと思ふ。真っ向否定してしまうとABCZOを持ち上げるのに『やや』やりにくいのだ。もうなんだか嫌な感じだ。また引き続き憂鬱な年月を過ごすことになるのだらうか?
少し前までのぼくは誰が Sorry になつたつて変はりゃあしないよ。と思つてゐた。人々の多くはさう思つてゐるに違ひないと思ふ。選挙の投票率の低さを見れば一目瞭然だ。でも、変はらないことはないとよ〜く解つた。人によつてはこんなにも嫌な気分になれるのだと思ひ知つた。
だから、テレビよ今度は出来る限りABCZOに触れないでくれ。
読みもしないで本を批判するのは反則中の反則だが『美しい国』だあ〜!?
冗談ではないよ。
隣りの大きな国を毛嫌ひして、敵対視したり、同じく隣国で変な国だけど先制攻撃を仕掛けやうなんて言つてゐる人間が『美しい国』!?
この人にも何かが決定的に欠けてゐると思ふ。
自転車三景 ― 2006年08月04日 22時31分21秒

内容とは関係ないけれど最近色味に乏しいなと思ひ、花の写真。紫の葉にピンク(実際はもう少し紫がかつてたかな〜)の花がきれいだなと撮つた写真。
自転車三景壱。
ヘッドフォンから漏れるほどに音楽を聞きながら楽しく自転車こぎこぎのおにいちゃん。路地の真ん中走ります。右から抜こうかな〜。左からにせやうかな〜。と、後ろから迷へるおぢさんバイク。やはり自転車も車両、左側通行だから追ひ越しは右だよな〜と加速します。するとするするふら〜り自転車寄つてきた。あらまんキキーッとおぢさんブレーキ。おにいちゃんほええ?と振り向き離れます。エンジン音は聞こえなかつたけど、ブレーキ音は聞こえたのね。かういふ時は、ヘッドフォンに負けず、まづ警笛鳴らしましょと思つたバイクおぢさんでした。
自転車三景弐。
中央ラインはあるけれど、歩道はないし、路側帯があるだけの対抗二車線道路、幅5メートル?
日傘の姉さん。片手運転右側通行まつしぐら。そのまま脇道へ突つ込んだ。出会ひ頭に乗用車。ここは一歩通行出口で一時停止。道幅2.8メートル?
姉さん急ブレーキ。直角に曲がるのは無理だつた。乗用車は止まつたまま手も足も出ない。姉さんヨタタと降りました。傘持つて自転車。勇気あるな〜。と端から見てゐたおぢさん思ひました。
自転車三景参。
バイクおぢさんはけふも行く。赤は止まれ青は進め。青は青緑が正しいよね。緑青かな?って、小さい頃から思つてた。昔はもつと緑だつた気もします。
さあ青だでももう一度右左とはいふけれど、前にゐた車が普通に発進。追従しますおぢさんバイク。さうしたらあれびつくり、右側からヨタタのタともう少しでおばさんお姉さん自転車が飛び出してきた。もちろんそちらは赤信号。でも、とつても様子が変。ヨタタのタ、ふらぐにに、おまけにきゃぁ〜とこれは声。
ムムム?と見ると、見知らぬおぢさん蹴つてゐた。「あぶねえなバカヤロあぶねえなバカヤロあぶねえなバカヤロ」少なくとも3回は聞いた繰り返し。おそらくぶつかりさうになつたのね。もう少しでおばさんお姉さんは赤信号だけど、左に曲がるので、そのまま行かうとしたに違ひない。見知らぬおぢさんはさつきのセリフを吐きながら、自転車の後輪蹴りまくり。もう少しでおばさんお姉さんヨタタのタ、ふらぐにに、きゃぁ〜。
自転車三景壱。
ヘッドフォンから漏れるほどに音楽を聞きながら楽しく自転車こぎこぎのおにいちゃん。路地の真ん中走ります。右から抜こうかな〜。左からにせやうかな〜。と、後ろから迷へるおぢさんバイク。やはり自転車も車両、左側通行だから追ひ越しは右だよな〜と加速します。するとするするふら〜り自転車寄つてきた。あらまんキキーッとおぢさんブレーキ。おにいちゃんほええ?と振り向き離れます。エンジン音は聞こえなかつたけど、ブレーキ音は聞こえたのね。かういふ時は、ヘッドフォンに負けず、まづ警笛鳴らしましょと思つたバイクおぢさんでした。
自転車三景弐。
中央ラインはあるけれど、歩道はないし、路側帯があるだけの対抗二車線道路、幅5メートル?
日傘の姉さん。片手運転右側通行まつしぐら。そのまま脇道へ突つ込んだ。出会ひ頭に乗用車。ここは一歩通行出口で一時停止。道幅2.8メートル?
姉さん急ブレーキ。直角に曲がるのは無理だつた。乗用車は止まつたまま手も足も出ない。姉さんヨタタと降りました。傘持つて自転車。勇気あるな〜。と端から見てゐたおぢさん思ひました。
自転車三景参。
バイクおぢさんはけふも行く。赤は止まれ青は進め。青は青緑が正しいよね。緑青かな?って、小さい頃から思つてた。昔はもつと緑だつた気もします。
さあ青だでももう一度右左とはいふけれど、前にゐた車が普通に発進。追従しますおぢさんバイク。さうしたらあれびつくり、右側からヨタタのタともう少しでおばさんお姉さん自転車が飛び出してきた。もちろんそちらは赤信号。でも、とつても様子が変。ヨタタのタ、ふらぐにに、おまけにきゃぁ〜とこれは声。
ムムム?と見ると、見知らぬおぢさん蹴つてゐた。「あぶねえなバカヤロあぶねえなバカヤロあぶねえなバカヤロ」少なくとも3回は聞いた繰り返し。おそらくぶつかりさうになつたのね。もう少しでおばさんお姉さんは赤信号だけど、左に曲がるので、そのまま行かうとしたに違ひない。見知らぬおぢさんはさつきのセリフを吐きながら、自転車の後輪蹴りまくり。もう少しでおばさんお姉さんヨタタのタ、ふらぐにに、きゃぁ〜。
乗合自動車二景 ― 2006年08月05日 22時13分56秒

これはイチゴ。一期一会?
乗合自動車二景壱。
バスの一番後ろは普通五人座り。ぼくは一番後ろの窓側に座つてゐた。反対側の窓際におぢさん一人。雨が降つたりやんだりの午後のひととき。途中で、にいさんのつて来た。ゲーム機からはヘッドフォン、音は聞こえるやうな聞こえないやうな。にいさん一番後ろの真ん中に陣取つた。傘も前座席の取つてに引つかけ構へは万全。小さなゲーム機を両手でしつかりホールド。足は肩幅の約2倍、前傾姿勢、左右の親指をピパパペキキキスパスパと素早い動きで集中度100%。
さほど混まなかつたバスは、最後部座席三人のまま、終点へ。
終点へ。
終点へ。
にいさん集中。親指の動きは最高潮。心なしか背中が微動。ペキキキパプパプチュトトト。動き止まず。
両側のおぢさん。ぼくともう1人。バスを降りられない。
しばし待つが反対側のおぢさん待ちきれず。にいさんと前の座席のわずかな隙間を押し広げつつ前へ出た。にいさん、さすがに気がついた(いや、多分終点に着いたことはすでにわかつてゐた気配)腰を半浮かせしつつでも、ゲーム機に集中。隣で待つてゐるおぢさんには気づいてゐるのかゐないのか?
降りることに集中度の3%ぐらいを分散。半浮かせの腰を上げました。親指の動きわずかに休止。そのまま前へ。引つ掛けられた傘には目もくれず。
ぼくは一言「傘!」
と、にいさん。振り返り傘を持つて降りてゆく。声をかけたおぢさんには目もくれず。いや、声はただの天の声と思つたか?最後の最後まで気づかなかつたのかも知れないな。ぼくの影は薄かつた?
乗合自動車二景弐。
夜はみなさん疲れ気味。座れば眠る心地よさ。
みなさんの乗るバスはどんなバス?
ここの路線は車両の前半分一人掛け、後ろ半分二人掛け。一番後ろは五人掛けね。二人掛けで窓側に座つた場合、中側の席の人よりも先に降りる時は、声をかけ出してもらわねばなりません。まあ、だいたい気配で分かるもので、この人降りるなと思ふのと「すいません」と声をかけるのはそれこそ見知らぬ同士だが「あうん」の呼吸。
ところが、とあるおぢさんお勤め帰りで超お疲れ熟睡モードでございます。窓側には、おばさんと呼ぶにはまだ少し早いおねえさまが、座つてらした。図々しいおばさんなら熟睡モードのおぢさんなんか、叩き起こして降りるのだらうが、おねえさま奥ゆかしく遠慮気味。とんとんと「小さく」肩を叩きます。もしかしたら触るのが嫌なだけ?でも、お困りの様子に変はりなし。もう一度トントンと傷つけないやう驚かないやう優しく叩きます。おぢさん起きる気配なし!
これは駄目ですね。おねえさま降りられません。てな訳にもいかない。後ろに座つてゐたぼくは「バシッ」(いや、そんなに激しくはありませんがね)と背後から攻撃。さすがにおぢさん気がついた。隣でおねえさん待つてゐる。席を立つて譲ります。(このおぢさん、叩いたのはおねえさんだと思つてゐるでせう。きつと)
で、話はまだ終はりませぬ。
実はぼくも降りる場所。一番最後に降りました。
と、おねえさん。ぼくが降りるまで待つてゐたではありませぬか!
そして「どうもありがとうございます」つて、丁寧にお礼など。
いやいや別に大したことをした訳でもありませぬ。おぢさんの肩を叩いただけ。お礼など言はれて困つてしまいました。「いえ」と一言無愛想にそそくさとその場を去りました。
いやあ、素晴らしい体験。世の中まだまだ捨てられぬ。人の心に仁義礼智信。奥ゆかしく丁寧なおねえさんお幸せになれと願ひます。
乗合自動車二景壱。
バスの一番後ろは普通五人座り。ぼくは一番後ろの窓側に座つてゐた。反対側の窓際におぢさん一人。雨が降つたりやんだりの午後のひととき。途中で、にいさんのつて来た。ゲーム機からはヘッドフォン、音は聞こえるやうな聞こえないやうな。にいさん一番後ろの真ん中に陣取つた。傘も前座席の取つてに引つかけ構へは万全。小さなゲーム機を両手でしつかりホールド。足は肩幅の約2倍、前傾姿勢、左右の親指をピパパペキキキスパスパと素早い動きで集中度100%。
さほど混まなかつたバスは、最後部座席三人のまま、終点へ。
終点へ。
終点へ。
にいさん集中。親指の動きは最高潮。心なしか背中が微動。ペキキキパプパプチュトトト。動き止まず。
両側のおぢさん。ぼくともう1人。バスを降りられない。
しばし待つが反対側のおぢさん待ちきれず。にいさんと前の座席のわずかな隙間を押し広げつつ前へ出た。にいさん、さすがに気がついた(いや、多分終点に着いたことはすでにわかつてゐた気配)腰を半浮かせしつつでも、ゲーム機に集中。隣で待つてゐるおぢさんには気づいてゐるのかゐないのか?
降りることに集中度の3%ぐらいを分散。半浮かせの腰を上げました。親指の動きわずかに休止。そのまま前へ。引つ掛けられた傘には目もくれず。
ぼくは一言「傘!」
と、にいさん。振り返り傘を持つて降りてゆく。声をかけたおぢさんには目もくれず。いや、声はただの天の声と思つたか?最後の最後まで気づかなかつたのかも知れないな。ぼくの影は薄かつた?
乗合自動車二景弐。
夜はみなさん疲れ気味。座れば眠る心地よさ。
みなさんの乗るバスはどんなバス?
ここの路線は車両の前半分一人掛け、後ろ半分二人掛け。一番後ろは五人掛けね。二人掛けで窓側に座つた場合、中側の席の人よりも先に降りる時は、声をかけ出してもらわねばなりません。まあ、だいたい気配で分かるもので、この人降りるなと思ふのと「すいません」と声をかけるのはそれこそ見知らぬ同士だが「あうん」の呼吸。
ところが、とあるおぢさんお勤め帰りで超お疲れ熟睡モードでございます。窓側には、おばさんと呼ぶにはまだ少し早いおねえさまが、座つてらした。図々しいおばさんなら熟睡モードのおぢさんなんか、叩き起こして降りるのだらうが、おねえさま奥ゆかしく遠慮気味。とんとんと「小さく」肩を叩きます。もしかしたら触るのが嫌なだけ?でも、お困りの様子に変はりなし。もう一度トントンと傷つけないやう驚かないやう優しく叩きます。おぢさん起きる気配なし!
これは駄目ですね。おねえさま降りられません。てな訳にもいかない。後ろに座つてゐたぼくは「バシッ」(いや、そんなに激しくはありませんがね)と背後から攻撃。さすがにおぢさん気がついた。隣でおねえさん待つてゐる。席を立つて譲ります。(このおぢさん、叩いたのはおねえさんだと思つてゐるでせう。きつと)
で、話はまだ終はりませぬ。
実はぼくも降りる場所。一番最後に降りました。
と、おねえさん。ぼくが降りるまで待つてゐたではありませぬか!
そして「どうもありがとうございます」つて、丁寧にお礼など。
いやいや別に大したことをした訳でもありませぬ。おぢさんの肩を叩いただけ。お礼など言はれて困つてしまいました。「いえ」と一言無愛想にそそくさとその場を去りました。
いやあ、素晴らしい体験。世の中まだまだ捨てられぬ。人の心に仁義礼智信。奥ゆかしく丁寧なおねえさんお幸せになれと願ひます。
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