砦の29人(うち25人新兵) ― 2006年09月12日 23時22分47秒
後の四人は新任の将校、退役して軍需物資など調達してもうけてゐるらしい元軍曹(黒人)、やはり商人で実力者らしいが嫌はれ者、それから、流れ者らしき(これも元軍人か?見たばかりなのに忘れた)主人公だ。
1966年作品。タイトルは知つてゐたが、見るのは初めて。蔦屋ビデオです。(DVDでない)これが、中々に、思ひの外面白かつたので、ちよいと得した気分。本場アメリカ製西部劇だが、おもむきはやや違ふ。変化しはじめた頃の作品か。当時見ていたらどう思つたかはわからない。
変化しはじめといふのは、どういふことかと言ふと、まづ解りやすいところでいふと(いかん「いふ」ばかりだ)黒人がメインどころで出てくる。白人に対して態度でかい!(いや「普通」に接してゐる。当時としては「普通」が凄い)白人より身なりがいい。役所そのものも「いい役」である。
それから、インディアン(当時はネイティブとはいはない)の扱ひが微妙。アパッチの行為の描き方は容赦ないが、それでも、居留地に押し込めるのはいかがなものかと言つたやうな態度が伺へる。(全面的にではないところが、中途半端な印象を与えるかもしれないが、それが却つて正直と受け取れた。これも当時見たらどう思つたかはわからない。そもそもぼくは子供だつたし、そんなことまで思ふ筈もない)
そして、嫌はれ商人の奥さんはアパッチにさらわれたことがあり、酋長の息子との間に赤ちゃんまでゐる!おお、だんだん複雑になつてきた。
さらに、主人公の奥さんはコマンチ族である。この奥さんはすでに死んでゐることがわかり、その犯人探しが、主人公にとつては重大目的になるのだが‥‥。
主人公役はジェイムズガーナー。『大脱走』が有名。
この配役が大変よかつたと思ふ。この人、ヒーロー然としてゐない。頼りになりさうだし、たくましさもあるが、どこか飄然(ひょうぜん)としてゐて、深刻さが薄れるんである。角々した顔だが、丸い性格!?優しさが自然である。
奥さんのコマンチが殺されて犯人は?って、展開で、重たい演技されたら、見るの辛いよね。
おかげで、かなり深刻な内容の物語ですが「起きてしまつたこと」として、見ることが出来ました。(まあ、逃避的な考え方かも知れませぬが、娯楽西部劇はそれぐらいが良いと思ふ)
音楽も妙に前向きでいい。
さう。冷静に分析すれば、あれもこれもチグハグでまとまりがないとも言へる。暗い映画にしたいのだとは思はないが、どこまで非情に描きたいのかやや不明。それは『いい』と言つたキャスティングが実は真逆なことになつてしまうが、例えば映画会社の表記「UNITED ARTISTS」(当時日本では「ユナイト映画」と言つてゐた。後にMGMに合併される)が、ナイフで裂かれてイントロが始まるとか(ギャグではない)コマンチ族の奥さんは頭の皮はがれてた!など。かなりシビアなイメージだ。
邦題の『砦の29人』が、内容的にいい加減なのはよくあることとして、原題も『DUEL AT DIABLO』で(貧相な英語力を駆使して考えると)DUELは決闘だと思ふ。1対1の印象があるがどうだらう?DIABLOはチキンソテーディアブロ風といふぐらいで悪魔のことでしょ?『悪魔で決闘!?』
といふのは中身を見てゐない証拠で、DIABLOは、ディアブロ渓谷なる水場が出てきてそこが最後の決戦場になるので、つまり『悪魔渓谷の決闘』といふのが最大限の直訳であらう。まあ、ただ、悪魔渓谷も名前ほどに険しくなく、険しくないから逆に防備固められずやられ放題になるのだけど。
そんな具合に「あっけなさ」と「複雑性」が混在して、でも1時間45分!理想的!な映画なのだ!
新兵25人が、馬で整列せやうとしても全然出来ずにバラバラで訓練にならないシーンが可笑しい。
1966年作品。タイトルは知つてゐたが、見るのは初めて。蔦屋ビデオです。(DVDでない)これが、中々に、思ひの外面白かつたので、ちよいと得した気分。本場アメリカ製西部劇だが、おもむきはやや違ふ。変化しはじめた頃の作品か。当時見ていたらどう思つたかはわからない。
変化しはじめといふのは、どういふことかと言ふと、まづ解りやすいところでいふと(いかん「いふ」ばかりだ)黒人がメインどころで出てくる。白人に対して態度でかい!(いや「普通」に接してゐる。当時としては「普通」が凄い)白人より身なりがいい。役所そのものも「いい役」である。
それから、インディアン(当時はネイティブとはいはない)の扱ひが微妙。アパッチの行為の描き方は容赦ないが、それでも、居留地に押し込めるのはいかがなものかと言つたやうな態度が伺へる。(全面的にではないところが、中途半端な印象を与えるかもしれないが、それが却つて正直と受け取れた。これも当時見たらどう思つたかはわからない。そもそもぼくは子供だつたし、そんなことまで思ふ筈もない)
そして、嫌はれ商人の奥さんはアパッチにさらわれたことがあり、酋長の息子との間に赤ちゃんまでゐる!おお、だんだん複雑になつてきた。
さらに、主人公の奥さんはコマンチ族である。この奥さんはすでに死んでゐることがわかり、その犯人探しが、主人公にとつては重大目的になるのだが‥‥。
主人公役はジェイムズガーナー。『大脱走』が有名。
この配役が大変よかつたと思ふ。この人、ヒーロー然としてゐない。頼りになりさうだし、たくましさもあるが、どこか飄然(ひょうぜん)としてゐて、深刻さが薄れるんである。角々した顔だが、丸い性格!?優しさが自然である。
奥さんのコマンチが殺されて犯人は?って、展開で、重たい演技されたら、見るの辛いよね。
おかげで、かなり深刻な内容の物語ですが「起きてしまつたこと」として、見ることが出来ました。(まあ、逃避的な考え方かも知れませぬが、娯楽西部劇はそれぐらいが良いと思ふ)
音楽も妙に前向きでいい。
さう。冷静に分析すれば、あれもこれもチグハグでまとまりがないとも言へる。暗い映画にしたいのだとは思はないが、どこまで非情に描きたいのかやや不明。それは『いい』と言つたキャスティングが実は真逆なことになつてしまうが、例えば映画会社の表記「UNITED ARTISTS」(当時日本では「ユナイト映画」と言つてゐた。後にMGMに合併される)が、ナイフで裂かれてイントロが始まるとか(ギャグではない)コマンチ族の奥さんは頭の皮はがれてた!など。かなりシビアなイメージだ。
邦題の『砦の29人』が、内容的にいい加減なのはよくあることとして、原題も『DUEL AT DIABLO』で(貧相な英語力を駆使して考えると)DUELは決闘だと思ふ。1対1の印象があるがどうだらう?DIABLOはチキンソテーディアブロ風といふぐらいで悪魔のことでしょ?『悪魔で決闘!?』
といふのは中身を見てゐない証拠で、DIABLOは、ディアブロ渓谷なる水場が出てきてそこが最後の決戦場になるので、つまり『悪魔渓谷の決闘』といふのが最大限の直訳であらう。まあ、ただ、悪魔渓谷も名前ほどに険しくなく、険しくないから逆に防備固められずやられ放題になるのだけど。
そんな具合に「あっけなさ」と「複雑性」が混在して、でも1時間45分!理想的!な映画なのだ!
新兵25人が、馬で整列せやうとしても全然出来ずにバラバラで訓練にならないシーンが可笑しい。
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