同名の怪人2006年09月26日 21時55分28秒

 つい先日、哲朗ではなく哲郎ですと書いた。
 同じ名前なので小さい頃から好きな俳優は丹波哲郎といふか、
 つづく。

 といふか、帰りが夜中になりさうだつたので、スタジオで出だしを書いてみた。

 つづき。
 好きといふか、なんか愛着があつた。
 同じ名前だからといふだけで、不思議なものだ。
 だけど、やはり、好みだつたのだらう。特別な感じだつた。
 「三匹の侍」では、子供としては長門勇が好きだつた。が、丹波哲郎は特別だつた。「キイハンター」では、あきらかに千葉真一がかつこよかつたが、それでも丹波哲郎は特別だつた。実際、クレジットに『特別出演 丹波哲郎』とされてゐる作品は多いのではないだらうか?何が特別なんだらう?
 「Gメン」になると実はもう見てなかつたが、もちろん特別だつた。
 生(なま)丹波哲郎を見たのは、エキストラ時代だ。
 まづは「ノストラダムスの大予言」
 夢の島のロケだつた。ゴミが燃えて煙が立ち上るシーン?
 どのやうな撮影がなされたかほとんど覚えてゐないが、避難せやうとする大勢が小さな船に押し寄せて「俺も乗せろ!こら〜!見殺しにする気か〜!」とか叫びまくるのをやつた気がする。いい気になつて、わめきまくつてゐたら『声は要らない』とか、指示が回つて来た記憶がある。ホントに撮影してゐたのかどうか疑問だ?背後ではゴミが燃えてゐるといふ設定で、スモークを焚きまくり煙がもうもうとしてゐた。
 そんな撮影の合間。
 どのやうな状況でそんな風になつたのか覚えてゐないが、煙は結構広がつてゐて、ぼくら避難民は、待ちの間「けむいけむい」と顔をしかめてゐた。そんな集団(エキストラオンリー)の中にいつの間にか丹波哲郎はゐて「この煙は身体にいいんだ」とわけの判らない演説を始めてゐた。みんな「まさか?」と思つたが喜んで聞いた。やはり特別だ。さすがだと思つた。
 もう一回はテレビシリーズの「大盗賊」といふのではなかつたかと思ふ。撮影現場は国際放映だつた。ぼくはどんな役で行つたのかは覚えてゐない。シーンは城の中だつた気がする。大名屋敷の中だつたか?丹波哲郎は、三行ぐらいのセリフを言つてゐたが、うまく言へず「ええい。言いにくい、これでいいだろ」と一行、いや八文字ぐらいのセリフに勝手に変えて本番を取つた。エキストラの先輩が「丹波さんはいつもああだ」と教えてくれた。やはり特別だ。さすがだと思つた。
 多分、生はその二回だけだと思ふ。

 つづく。