怖いもの見たさ2007年03月28日 21時12分45秒

 「怖いもの」といふよりも「嫌なもの」と言つた方が近いのだが‥‥。
 ぼくは映画好き、まあ、だいたいどんな映画でもOKなんだが、二度と見たく無い映画もある。前に書いたかも知れないが、今とりあえず3つ浮かぶ。
 ひとつはソーラバーチとキーラナイトレイ(カリビアンでヒットする前なんだけど、スターウォーズエピソード1にも出てたみたいね)が出てゐた『穴』といふ映画、これはもうなんか単純に不快で、キーラナイトレイが可愛さうで、もう見たく無い。
 もうひとつは、フランソワオゾンといふ実力派らしい監督の『クリミナルラバーズ』これはなんといふか、居心地が悪いといふか、鬱陶しいといふか、辛かつた。
 それで、突然だけど「見たく無い」と「もう見ない」は違ふな〜と気づく。『穴』も『クリミナルラバーズ』ももう見ないだらうが、フランソワオゾンの映画は、見るかも知れない。見たく無いんだけど、カトリーヌドヌーブが出てる奴が、あるんだ。選択を迫られるな〜。
 で、「二度と見たく無い」と思ひつつ、凄え映画だつたなと思ふのが『ファニーゲーム(FUNNY GAMES)』だ。単純にいふと連続殺人映画なんだけど、通常の映画を否定したやうな作りでね。(まあ、あきらかにハリウッド映画は完全否定だけど)怖いとか、そんなものではなくて、とにかく神経にくるんだ。後味が悪いなんて表現すらさせてくれない。通常の態度では見られない作品なんだ。でも、凄いんだ。困るんだかういふの。監督はミヒャエルハネケといふウィーン在住の人でね。『ファニーゲーム』は舞台はオーストリアか?湖畔の別荘地みたいな場所だ。でも、そんなことはどうでもいいや。せめてもの救ひはね、タイトルに『ゲーム』とついてゐるところと(だから怖いんぢやないかといふ意見もあるが)通常の映画は否定されてしまつたんだけど、登場人物が時折カメラを見ることか。(これも独特な不安感をそそるのだが)カメラの向こうで行はれてゐることですよ。と一応、逃げ場所を作つてくれてゐるのだと、好意的に解釈する。さうでないと辛すぎるんだ。
 と、まあ、観客にこんな思ひをさせるやうな映画を作る人の映画をね。
 なんだか、もう大丈夫だらうと(ファニーゲームは2001年に見た)、ぼくも少しは、強くなつたかも知れないし、あるいは暑さ寒さもなんとやらなのか?つい気になつてDVDを借りてしまつた。
 タイトルは『隠された記憶』フランス、オーストリア、ドイツ、イタリアの合作。舞台はフランスのやうだ。ダニエルオートゥイユ(ずつとロバートデニーロに似てゐると思つてゐてフランスのデニーロと読んでゐたが、この映画ではむしろスタローンの顔をしてゐた)と、ジュリエットビノシュが出てゐる。
 で、もう、なんつ〜か、またしても神経をギリギリと締め付けられたあげくダ〜ン!と、画面前から投げ出されてしまいました。ま、覚悟はしてゐたので、負けなかつた(?)けどね。
 でね。これで、トラウマを克服したからね!?
 別の見ちやおうかな‥‥怖いもの見たさだよな。