遅ればせながら小さい春22007年05月09日 23時32分24秒

 タイトルは写真のことだけで内容は、関係ありません。
 今朝、西武池袋線で池袋に向かいました。
 各駅でも座れなかつたので、途中(石神井公園)から急行に乗り換へたのですが、一番前の車両はそれはもう満員でぎゅうぎゅうでありました。
 ぼくはラッシュには慣れておりません。
 押されるままに配置された(!?)位置は、運転席の真ん中のドア辺りでした。そのドアは、段差で運転席側にくぼんでゐて、両側が出つ張つてゐます。
 その凹み部分に女性が一人。その真後ろがぼく。その女性とぼくの間左手側にややふくよかな女性。その3人が凝縮された三角形になつてゐて、全員進行方向を向いてゐます。そして、ぼくの右側に老婦人が、両手で手すりを握つてゐました。ぼくの左後方にゐたのが男性だとは判りましたが、後は、視角に入りません。
 ほぼ全員密着状態だつたのですが、しばらくしてぼくの前、つまり運転席のドアにへばりついてゐる女性が「あぁぁ〜ん」と妙な声を出しました。
 な!?なに?
 何が起こつたの?
 「あ〜〜〜ぁん」
 またです。しかもそこそこ大きい声。聞き方によつては悩ましい声です。
 なんだか、やばい感じがして、自分の手元を見ました。
 右手はずつと老婦人側で、手すりの上側にありました。
 左手はかけてゐたショルダーのひもをつかんでゐます。
 いきなり振り向かれて「やめてよ痴漢!」とか言はれても、手の位置は大丈夫だ。とか、思ひましたが、果たしてどうなんでせう?
 かうして痴漢冤罪は生まれるんだらうか?
 などと、緊張してしまいました。
 と、さらに続く「あぁぁあ〜」に、さすがに気になつたのか、左側の女性がぼくの方を(顔ではなくてやや下)見ました。
 それで、ぼくの手の位置を確認したのでせう。
 とにかくぼくはショルダーをしつかり握つてゐましたから、それを確認した女性は視線を戻しました。
 よかつた。これで、ぼくの無実は証明されると思ひましたが、果たして、わざわざ説明してくれるでせうか?
 どこか目的地があるわけでせうから、そんなことに付き合つてくれるかどうかわかりません。
 あるいは、たまたま彼女が見たときぼくの手が無実(?)だつただけで、ずつと、そこにあつたかどうか彼女が証明出来るものでもありません。さらにさらに、人間といふのは不思議なもので、何かそんな話をしてゐるうちに『そういえば、私が見たとたんに手を引っ込めてバッグのひもをつかんだような気がします』なんて記憶にすり替はつてしまうかも知れない。『いや、気のせいではないです。確かに、彼女のお尻から手が離れました』なんて、どんどんその気になつてしまうかもしれない!
 みなさんもそんなことありませんか?
 ぼくはつい最近。<バイクのケースから帽子を出して、家の中で置いたのに無い!>と思ひ込んでゐた事件があり<ケースから出してかぶつて家に入つて>とかなり鮮明な記憶があつたのにもかかわらず、念のためバイクのケースをみたら入つてゐたのです。
 人の記憶の曖昧なことよ。
 ですから、人の証言がどんな結果を生むのかなんてことは判りません。
 なんてことを考えてゐると「あぁ〜ぁぁ〜」と、また!
 これは、何よ!と気になつて仕方がありません。
 まさか、ぼくの後方から変なことをしてゐる人がゐるのでは?
 なんて思ひますが、もしも手を伸ばしているのならば、ぼくの身体に間違ひなくあたります。
 これは本当にどういふことなのか?
 と、悩んでゐると「あぁ〜ぅ、ぅゔ〜」と声音が変はりました。
 どちらかといふと、気分が悪さうな‥‥。
 ゲッ、それはそれで、どうする?
 ここで吐かれたらかなり大変なんだけどと思ひましたが、気分が悪いとなれば仕方がありません。気の毒だし、大丈夫かな?と、別な不安が。倒れたらどうすればいいのか?などと、思ひましたが、幸いにも、ここは運転席の真後ろで、しかも、この時は線路作業の人が二人ほど、運転席内で立つてをり、いざとなればドンドンドンとガラスを叩けば、振り返り、真ん前に気分の悪い女性がゐるのですから、なんとかしてくれるでせうと、考えました。
 と、思ひはすれど、なんだか、落ち着かない状態が続きます。
 急行は、終点池袋まで止まりませんから、妙に長い時間に感じられます。
 まあ、いろいろな状況下での本能でせうか。ぎゅうぎゅう詰めにも関はらず、ぼくはその女性との間を少しでも広げてゐました。
 それが、気に入らないのか、右側の老婦人が敵意の目でぼくを見ます。
 仕方ないぢやないの自分は両手でしつかり手すりつかんでゐるのだから、その邪魔はしてゐないのだから、といささか、その目つきにはムッとしましたが、それより前の女性が気になります。
 と、後ろで、おぢさんがそんな不安と緊張に落ち着かない時間を過ごしてゐるとは知る由もない女性が『ふあああああああああ〜〜」と、大あくび。
 なんぢや〜〜こいつは〜〜〜!眠かつただけかい!
 それにしても、なんちゅうでかい声だ。
 と、神経を疑ふけふこのごろ‥‥。