ハートの直結道路工事82007年08月07日 21時57分59秒

 なんだか、血色の良くない絵になつてしまつたが、以前の図を利用してバイパス手術の概略を説明するとかうなる。

<いきなり厳重注意!>
 NGCに注目していただきたい。
 これはありえません!(と思ふ)
 こんなに近接した位置に二本の血管をつなぐことは大変危険です。バイパスといふ概念を説明したかつただけの図なので、ここは嘘と覚えてください。どちらかのつなぎ目は本来もつと離れた所にありあす。

 と、まあ、つまり狭窄部を迂回して血が行きにくくなつてゐるところへ『別の血管』をつないで、血を流してあげるといふのが、冠動脈バイパス手術です。
 矢印を見てください。狭窄部から離れた場所につなぎますから、本来の流れからは逆になる部分があるわけですね。でも、これで、血液は十分行き届くわけですから、酸素もたつぷり心臓は息切れすることなく動けるわけです。

 で、さて、このABに使用する血管なのですが、通常本人の血管を使ひます。
 やはり他人の血管や、人工物では、いろいろと問題が出てくるのでせうか?
 どこの血管を使ふかといふと、何種類かあります。肋骨の内側にを縦に通つてゐる内胸動脈(ないきょうどうみゃく。左右あります)、左腕の橈骨動脈(とうこつどうみゃく。と、読むらしい……信じられんが、世の中には、そんなことたくさんある。何が信じられないかつて、これは、指をあてて脈を測つたりするやうな馴染みのある血管がこんな厄介な名前なのだ……)、それから、太ももの内側にある大伏在静脈(だいふくざいじょうみゃく。静脈だ!)などらしい。
 複数あるのは、実際に二本以上必要なこともあるし、また、使ひたいけれど、そちらの血管が動脈硬化を起こしてゐることだつてある。こればかりは見てみなければわからない。だから調べてみて、使へる血管を使ふのだ。

 で、ところで、使はれちやつた血管はどうなるのか?
 といふよりも、血管を使はれてしまつた部位はどうなるのか?
 先ほど、驚いた橈骨動脈を使つた場合、左腕は大丈夫なの?
 大丈夫らしいのだが……、これは、決して大丈夫とは思へん……。
 何故つて「使はれる=そこには無くなる」なんだから……。
 だけど、心臓のためには、左手で脈が測れなくなるぐらいはがまんしなければいけないのだ……。つまり大丈夫と思へ……?
 「……」が多いのは、不思議だからだ。
 血管が無くなつてしまつたら、いままで、そこを流れてゐた血液はどうすればいいのだ?
 たいていの場合、医師の答えは「なんとなかる」だ。
 そ、そうなんだ……。
 手はちやんと動くし、大伏在静脈を取つた場合も普通に歩けるらしいのだ。
 そ、そうは、言はれても……。
 と、悩み続けてゐると、先へ進めないので、「つづく」ことにするが……。

 ひとつ、気になることを提示しておくのだ。
 『心は内臓にある』説の解釈として、心臓には心臓の心、胃には胃の心があるといふ考え方がある。単純に説明すると、胃が空(から)になると、胃心君は、お腹が減つたと訴える。空腹は心の叫びなのだ。
 さて、血管は?

 つづく。