あの日の新嘉坡。その112013年01月18日 21時36分56秒

「あの日」を思ひ出しながら、それなりに調べてもゐるので、新たな発見もある。
あの日の新嘉坡。その10」で、バスの2系統に触れたが、これはそもそも地下鉄も含め交通機関を運営している2社であることが判明した。
 緑の East West Line、オレンジの Circle Line、赤の North South Line が、SMRT(バス67番!)
 紫の North East Line が、SBS Transit といふことです。会社としては、SBS Transit の方が大きいらしく、その辺がバス路線の多さに反映しているのかも知れません。

 さて、シンガポールと言へば、2008年の夏に放映した「ルパン三世:魔法のランプは悪夢の予感」の舞台でありました。

 しかし、なんといふか、都合によりロケハンはしてをりません。
 ロケーションはガイドブックが頼り。
 写真素材を集めて、でっち上げ(いや、構築いたし)ました。
 シンガポールイメージ(?)な舞台(?)といふことでせうか…。
 まさか、3年後に何度も足を運ぶことになるとは思ひもよらなんだ。
 「あの日の新嘉坡。その8」で、紹介した「ラッフルズホテル」も舞台の一つになつてゐますが、見ると聞くとでは大違ひ…。百聞は一見に如かずですな…。
 (そもそもでかすぎた…)

 ガイドブックのせいだとは言ひませんよ。
 そこからイメージを引き出す想像力の欠如といふことで。(ま、あくまでも架空?)

 まあ、何の巡り合わせか、遅ればせながら現地に足を運ぶことになつて、見ておきたいなと思ふ場所がありました。
 (ラッフルズホテルは特に思つたわけではないのですが、ついでで行つて打ちのめされたわけですね)

 もちろん観光で行つてゐる訳ではないので、下調べなどしてゐない。

 それで、明日行けさう!
 となつた時に急いで調べたのですが、
 お目当てはイーストオリエント急行の駅です。

 すでに廃止されたといふ噂も耳にしてゐたのだが、駅ぐらい残つてゐるだらう。
 と、検索してみると、まだ運行してゐる!

 では駅はどこ?

 などと混乱しつつ、2011年6月30日にシンガポール内(国境駅はまだあると思ふ)は廃線になつたと判つた。
 ぼくの初シンガポールは2011年7月26日。

 おお!惜しい!

 今の「あの日」は、2011年11月26日です。
 まあ、でも、駅はあるでしょ。
 遺跡のないシンガポールで貴重な遺跡ですよと勝手に盛り上がり。
 調べたがよくわからない。廃止記念(?)に一般公開などもしたやうだが、現在どうなつてゐるのがよくわからない。

 MRT(地下鉄)タンジョンパガール(Tanjong Pagar)の南の方らしいといふことは判つた。

 しかし地図を見ても発見できない(見落としてゐた訳だが…)

 地図上でそれらしいなと思つたのは、PSA Tanjong Pagar Complexなるものだつた。
 廃駅が、なんらか施設になつてゐると勝手に思つた訳だが、この「Complex」に惑はされてゐる。
 このコンプレックスといふ言葉が厄介で(もちろん勉強足らずなだけだが)卑俗な人間としては、マザコンとかショタコンなどといふ言葉がすぐ浮かんでしまうがシンガポールではよく見かける単語で(他でも英語圏ではあるだらう)例えば団地なんかでも使ふし、いろいろな会社の入つたオフィスビルなんかでも使ふ。そんな回りくどいことをいはなくても、シネコンがすぐに思ひ浮かべばいいだけなのだが、ともかく、イースタンオリエント急行シンガポール駅(タンジョンパガール駅)を利用したその後の施設であると、考えてそこを目指すことにした。
 空振りは承知の上だが、6月30日に廃止された駅が、ここ数ヶ月で様変はりするものか?
 といふやうな冷静はない…。

(先に見せちゃうけど、これは駅ではないな…)

 MRTの駅から、歩けんこともない距離だと思つたが、炎天下のシンガポールをなめてはいけない。
 バス路線も調べた。(このときにもう少し幅広く調べておけば、あつさりビンゴもあり得た…)

 そして、翌日。
 PSA Tanjong Pagar Complex は、こんな場所だつた。
 コンテナターミナルといへば良いのだらうか。

 さすが貿易の国シンガポールを感じる場所だつた。


 ここでいふ Complex は、まあ…税関関連の集まつた場所といふところかな…。


 休みの日だつたので、静かな雰囲気が漂つてゐて、フードコートもあつたが、閑散としてゐた。
 駅から離れているし、一般の人が出入りする場所でもない。


 とにかく、ハズレだ。
 しかし、施設にはなつてゐなくても廃線から数ヶ月で影も形もなくなるモノか?
 と、いふ気持ちもあり、コンテナ眺めるのもいいだらう…、などと思つて、帰り方向とは反対に(通り過ぎるバスの番号には目を光らせて乗つても大丈夫バスがあることを確認してる)向かつて歩いた。

 道路が立体になつてゐて、上は高速道路です。

 そして、コンテナ群と反対側を見ると、高速の向こうに、
 何か違ふ趣の建物が見えた。

 (つづく)