続、川の間をたどって22015年08月22日 10時59分12秒

第二部、第二回

 ブエノスアイレスのポップバンド、エントレリオス(Entre Ríos)の話は続きます。

 じわじわと急カーブを描いて(←この表現、間違ってる?)お気に入りになったエントレリオスのアルバム「エントレリオス」
 バックナンバーは3枚、iTune Store ですぐに見つかりました。
 速攻でダウンロードしましたが、その後、執念深くCDも手に入れてます。

 ここで、まず不思議な現象(?)を紹介します。
 CDのチャプターについてです。かつてプリンスが、アルバムを聴き始めたら最初から終わりまで順番通りに聞いて欲しいという意思でチャプター無しのCDを出したこともありますね。
 まあ、判らないでもないですが、アルバムの中で特に好きな曲をリピートしたい気持ちも解って欲しいところではあります。

 で、このエントレリオスのアルバムなのですが、謎のチャプターが存在するアルバムが2枚あります。
 どんな謎かといいますと…
 まずは、図解から…
 色分けされている帯が、それぞれ楽曲です。
 黒い矢印がチャプターの位置です。
 判りますでしょうか?

 まずは、上の段から、
 1曲目のスタートは普通。しかし、2曲目のチャプターの位置に注目してください。
 曲の途中に入ってます。別な言い方をすると、1曲目のチャプター内に2曲目が割り込んでます。

 下の段は、
 2曲目3曲目の途中にチャプターがあります。
 つまり2曲目は、途中から始まり、、次の曲の頭までがチャプター内になります。

 例えばピンクフロイドや、Mr. Children などのアルバムでよくみかけますが、2つの曲が重なりつながっている様な場合ですと、確かにチャプターの打ち所は難しいですね。どちらの成分合わせにするか判断のしどころです。
 でも、このエントレリオスのアルバムの場合それぞれの曲はきっちり分かれています。
 さすがに歌が始まる前、つまり前奏中にチャプターがありますが、理由は分かりません。
 上の段のパターンが、3枚目のアルバム「ONDA」に3ヶ所。下の段のパターンが、4枚目「ENTRE RIOS」に1ヶ所あります。
 これダウンロード(つまり盤面がない1曲ずつのバラ売りが可能)の場合でも同じです。4枚目はCDしか持ってませんが、3枚目は先にダウンロード、後でCDを買ったので確認済みです。

 ちなみに下の段の真ん中にあたるのは「ENTRE RIOS」の「Bajo Suelo(土の下)」という一番好きな曲です。
 広がりのある遠くを見渡すような曲です。本当に「土の下」なんだろうか?
 つまり iTune Store で、この曲だけ購入すると、前奏の途中から始まるけど、次の曲の前奏が聴けるというお得だかなんだか判らないことになります。ただ、他の曲はともかく、この「Bajo Suelo」に関してだけいうと、前奏が2部構成といいますか、割りと切りの良いところにチャプターがあるために、そういう曲だと思えば思えなくもありません。ただ、次の曲が始まってしまうので、それは気になります。

 中心人物のSebastián Carreras(セバスチャンカレラス)は、ちょっと変わった思考の持ち主のようなので、何かあるのでしょうか?(最近では、演奏のためのアート空間を作ってその中でライブをやる試みをしている様子…)
 まあ、ぼくの結論は「おおらかなんだろう」です。逆にこだわりがないって一周してきた感じですが…。

 さて、iTune Store で、バックナンバーをそろえると同時に、別な発見もしました。
 「Entre Rios」で検索すると、やはりラテン系の様々な音楽が引っ掛かります。
 まあ、だいたいお目当てのモノかどうか判別はつきますが、そんな中「waa」という女性ボーカルが検索されました。
 (※ 念のため、同じように検索されるかどうかやってみましたけど、今では引っ掛かりません。当時は検索されたわけで、これはラッキーというしかない)
 waa(わあ)とは、これはもしや、エントレリオスの女性ボーカルがソロアルバムを出しているのかなと思いました。
 まだ、手探り状態で、Isolも、Paula Meijideもよく分かってない頃でした。
 ジャケットの写真がこれまた微妙な案配で…。
 黒く長い髪、色白、目をつぶっていてよく分からない表情。ま、いってしまえば国籍不明…。アルバムタイトルは「la dolce vita」イタリア語ですね。フェリーニの「甘い生活」の原題です。スペイン語ではないと思います。でもドルチェヴィータってなんか耳馴染みありますよね…。
 ま、とにかく謎には包まれていましたが、とにかく購入。

 さて聴くと、
 1曲目から確かに「エントレリオステイスト」の味わい。
 2曲目、3曲目と、まあ、なんというか良いムードで心地よい。
 声も、ウィスパー気味に触りの良い高音。
 でも、誰なんだろう…。当てはまる人がいない。加工度はあまりなさそうなんだけど…。
 とか聴いているうちに…。
 どうも変だ…。
 え?
 これ何語?
 って、いうか、なんか徐若瑄を思い出すんですけど…。
 徐若瑄(スールオシュエン)
 個人的に「じょわかじょわか」と略して?ますが、ビビアンスーのことです。
 ビビアンが日本に愛想を尽かした理由は知りませんが、台湾に帰り結構アルバムを出してます。

 ていうか、これ北京語じゃん!じゃんじゃんじゃん…。
 ということで「waa」の正体は台湾のアーティスト魏如萱(ウェイルーシュエン)でした。
 でした。と、軽くいうけど、ここまでたどりつくにはそれなりに時間がかかりました。
 waa(ワァ)というのは、徐若瑄がvivian(ビビアン)みたいなものでしょうか。

 これアートワークです。右は、拡大というか原寸です。「手」を頼りに判断して下さい。今頃気がつきましたが、よ〜く見ると、手の横にタイトルがあって、La Dolce Vita waa の下に、魏如萱 甜蜜生活と書いてあるようです。かろうじて「生活」は判別できるでしょうか?

 クレジットによると1曲目「拉拉拉拉(la la la la)」の作曲が「Entre Rios」になってました。(※これすでに漢字なんだけど、聞く前に気づかなかったのか!?)
 ともかく、すでに日本以外の所でいろんなものがつながっているようです。
 ブエノスアイレスの女性ロックバンドNo Lo Soportoには「Blue Taiwan」なんて曲もあります。

 魏如萱は、日本にも何回か来ている様子。まだ見たことはありません。
 YouTubeで、発見したらジャケットとは全然違う感じ…。
 といいますか、あきらかにラテン系ではありません。むしろ日本人には親しみある感じ。

 と、日本の反対側アルゼンチンから、いきなりお隣に来ちゃったろころで、

 つづく。