続、川の間をたどって52015年08月27日 11時13分19秒

第二部、第五回

 Entre Ríos をきっかけに広がったアルゼンチンポップスの世界。
 羅列になりそうだけど、気にとまったバンドやアーティストを並べてみよう。
 追加CD購入の入り口(?)は「大洋レコード」です。
 神楽坂にお店があります。
 何度も書いたように情報を得るのにスペイン語のサイトを見ていただけではなかなか難しいところ、日本語でばっちり得られるという大変有り難い存在です。
 今はジャンルごとにカテゴリーが分かれているのですが、以前は国ごとに分かれていて、当時(2009年)の私には大変便利なホームページでした。
 とにかくお店に行って、アルゼンチンのものなら何でも良いと思って、手始めに買ったのがこの3枚。
 左 Proyecto Verona - Encendida
 中 Lola Arias & Ulises Conti - El Amor Es Un Francotirador
 右 Varias Artistas - Papá
 最後のは、何度も書いてきたルーカス マルティのコンセプトアルバムです。
 Variaは女性語、男性だとVarioだと辞書にあります。Artistaは、男性語女性語の記述が見あたりません。a なので、女性っぽいですが…。
 ま、つまり「バリアス アルティスタス」複数アーティストですね。ジャケットには11人の女性ボーカルが写っています。
 「Papá」はパパです。父。
 全12曲中のラスト Diario Íntimoというのが一番のお気に入り。リピート率最大。Diarioは、毎日のという男形容詞(女だとDiaria)という意味もあるみたいですが、Íntimoも親密なという男形容詞(女だとÍntima)なので、「毎日の親密な(ほにゃらら)」みたいな事になってしまいますが、Diarioには日記とか新聞とかいう意味もあるみたいです。「親密な日記」「親密な新聞」になりますが、……どうなんでしょう?
 と疑問が残りますが、曲調は「晴れの日の旅行風景」みたいな感じで、うきうきしてきます。
 Varias Artistas としては、今のところもう一枚アルバムが出てます。「Se Puede」というアルバムで、女性ボーカルが何名か入れ替わってます。Entre Ríos の Julieta Brotsky が参加しているのはこちらです。(Paula Meijide は両方)
 この2枚のアルバムから、一気に聴くアーティストが増えるのですが、ただでさえとりとめのない羅列が、ますます混乱してしまうので、それは後にしてアルバムタイトル「Se Puede」の意味を調べてみました。puedeを引くと、poder へ行けと指示されるんですが「…出来る(英語だと can)」の意味があります。「それは出来ます」ってことになりますが…。
 続いて、文例を見てゆくと、¿Se Puede? というのがあり「<ノックしながら>入ってもいいですか?」と説明があります。タイトルに、¿? はありませんが、タイトルとしては気が利いている感じがします。
(※ 辞書は、白水社<改訂版>スペイン語ミニ辞典、宮本博司・編)

 次に、左のProyecto Verona。
 これジャケ買いです。
 Proyecto はプロジェクト。Verona は、女性ボーカルの名です。
 ずっと後になって、偶然発見したのですが、Verona さんは、Verónika Verdier(ベロニカ ベルディエル)と言う名でソロ活動しいたようです。1992年のアルバム「Solo Azul」というのがあります。「単独の青」ですが「純青」とか言った方がいいのでしょうか。soloには「孤独な」という意味もあるようですね。
 なんというかベテランさんですよねきっと、このソロアルバムを出したのが二十歳の時だとしても…、でも、なかかな調べられないのです。
 最近は、ソロに戻ってタンゴなんか歌っているようです。
 アルバムタイトルのencendida は、持ってる辞書にありません。が、 encendido 男性語というのがあって「点火装置」という意味です。これではないかなと思います。女性ボーカルだから、わざと女性語風にしたのだと考えます。
 このバンドは聞き応えあります。バリエーション豊富。可憐さと色気に溢れる Verona さんの声が魅力的。速攻で「Caravana」というアルバムも手に入れました。「キャラバン(女性語なんだ!)」です。

 さて、そして残した Lola Arias & Ulises Conti。
 何故最後にしたかというと、謎だからです。
 ジャケットもサントラっぽい…。
 内容も一つのテーマ(ストーリー)を展開させてゆく感じになっています。
 テンポ感の良い部分と流麗な部分がタイミング良く繰り返されるので、聴き始めると世界観に浸ってしまいます。
 なんなのだろうこれは?
 検索してもどこか茫洋としていて、つかみ所がない。
 Ulises Conti という人がミュージシャンであることに間違いはない。
 問題はLola Arias。(問題って失礼だろ!)
 どうやらこの人は、ミュージシャンとはちょっと違うようで、パフォーマーと言ってしまえばそれまでですが、舞台などで詞を語るアーティストのようです。
 創作演劇みたいな感じですかね…。
 朗読でなく「語る」と書いたのは、そうとしか言いようがなくて…。
 って、今、再度調べたら、なんと、2013年に日本に来てるじゃん!おいおい。京都国際舞台芸術祭とありますね。
 劇作家、演出家、女優、ミュージシャンと解説してあります。(日本語だと楽っ!)
 この数年間はなんだったんだろ…。
 まあ、検索していた時期にはなかったわけだけど…。
 それはそれとして!
 しかも、Ulises Contiとのコンビで新しいアルバムも出してるじゃん。じゃんじゃん。
 なんとかして手に入れなければ…。
 と、今回もまた、変なテンションになってしまいました。
 アルバムタイトルを直訳しておきます。(新しいのではないですよ)
「El Amor Es Un Francotirador」の直訳は「愛は狙撃手」
 意外なぐらい俗っぽい?

 つづく。

2013年京都国際舞台芸術祭
ロラ アリアス 憂鬱とデモ ←クリック

P.S.
Lola Arias & Ulises Conti の新しいアルバム(新しいと言っても2011年!)
Amazon(USA、日本)でも、iTunes でも見つからなかったけど、大洋レコードさんにありました。さすが!